41 / 175
第3章 学園のアイドルと過ごす日々

第41話 復縁を迫った真相 ~服部健介SIDE~

しおりを挟む
~服部健介SIDE~

 話は紺野蒼太が葛谷詩織に振られた話が広まった日の、すぐ後ぐらいにさかのぼる。
 健介は家に帰るなり隣に住む3つ年上の先輩の家を訪ねた。

悠那ゆうなさん、お願いがあるんすけど」

 三上悠那。
 健介や蒼太の3つ年上で、二人と同じ高校で新聞部の部長をしていた卒業生だ。
 健介とは家が隣で、いわゆる幼馴染という間柄だった。
 そんな悠那に、健介は蒼太が葛谷に振られた事のあらましを説明した。

「……つまり親友の蒼太くんが新聞部にゴシップを流されて可哀想だから、なんとかしてやって欲しいってことかい?」

「そういうことなんです」

「そうはいっても、もう卒業してるからねぇ。元部長とはいっても、現役部員を抑えつけるのはちょっと難しいかなぁ。それに一度流れちゃったものを、今さらなかったことにはできないし」

「そこをなんとかなりませんか? 蒼太はいい奴なんですよ。何をするにも一生懸命なやつで。なのに『案の定、美人に振られた哀れなモブメン。鏡見ろ』みたいに笑われてて」

「健介の家に遊びに来ているのを見かけたことがあったけど、たしかに誠実そうな雰囲気の子だったね」
「でしょ? 悠那さんの力でなんとかできないっすかね?」

 大切な親友である蒼太のために、健介は両手を合わせながら頭を下げた。

「まぁ可愛い健介のたってのお願いだし、できる範囲で少しだけ調べてみようかな」
「ほんとっすか!? あざっす!」

「どうも話を聞いた限りだと、葛谷さんだっけ? その子が蒼太くんと医大生と付き合っていた時期が被ってる気がするんだよね。多分だけど二股してたんじゃないかな? その辺りを突っつけば、いくらでもホコリは出そうだし」

「あ、言われてみればそうですね」

 健介はつい先日も、蒼太と葛谷が一緒に仲良く帰っていたのを見かけている。
 なのに葛谷はその直後に医大生とデートしていたのだ。

 蒼太を振った直後にイケメン医大生に乗り換えた可能性もないわけじゃないだろうが、普通に考えたら二股していた期間があってもおかしくはない。

「それともう一つ。女の子を泣かせるイケメン医学部生にも、実は心当たりがあるんだよね。親も含めて、この辺りの大学じゃ危険人物として結構有名なんだよ。その辺もまとめて、近々新聞部の部長に話をしてみるね」

「マジっすか!?」
「一応、今の部長とは今でもやりとりはあるからね」

「さすが悠那さん! 大学でもメディア学を専攻してるだけのことはありますね! 頼りになります!」

「あはは、それはちょっと関係ないんだけど。でも今回だけだよ? メディア志望は狭き門だから、周りもみんなコネクション作りも兼ねて1年からアルバイトしたりアシスタントやインターンに参加したりしていて、毎日大変なんだから」

「うぐっ、ほんとマジすんません!」
「お礼は期待していいのかな?」
「えーと、俺にできる範囲でしたら……」
「冗談だよ。健介に頼られて悪い気はしないもの。せっかくだし、今度久しぶりに一緒に遊びにでも行こうか。見たい映画があるんだ。奢るよ?」
「マジっすか? 喜んで行くっす!」

 とまぁこのようなやり取りがあり。
 当初、葛谷詩織のネガティブスクープの取り扱いに極めて慎重な態度を取っていた新聞部は、元新聞部部長の鶴の一声を契機に、全力報道へと一気に舵を切ったのだった。
しおりを挟む
感想 17

あなたにおすすめの小説

今更気付いてももう遅い。

ユウキ
恋愛
ある晴れた日、卒業の季節に集まる面々は、一様に暗く。 今更真相に気付いても、後悔してももう遅い。何もかも、取り戻せないのです。

壊れていく音を聞きながら

夢窓(ゆめまど)
恋愛
結婚してまだ一か月。 妻の留守中、夫婦の家に突然やってきた母と姉と姪 何気ない日常のひと幕が、 思いもよらない“ひび”を生んでいく。 母と嫁、そしてその狭間で揺れる息子。 誰も気づきがないまま、 家族のかたちが静かに崩れていく――。 壊れていく音を聞きながら、 それでも誰かを思うことはできるのか。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

妹がいなくなった

アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。 メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。 お父様とお母様の泣き声が聞こえる。 「うるさくて寝ていられないわ」 妹は我が家の宝。 お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。 妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

冤罪で退学になったけど、そっちの方が幸せだった

シリアス
恋愛
冤罪で退学になったけど、そっちの方が幸せだった

処理中です...