人質同然だったのに何故か普通の私が一目惚れされて溺愛されてしまいました

ツヅミツヅ

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 その掲げられた旗の紋章から、それに軍師が乗っている事はわかった。
 その軍船が取り囲んでる商船風の武装船は、バリスタで矢を放ち、船員達が弓を引いている。
 軍師の船はそれに応戦する事無く、ただ防御に徹している。
 取り囲む武装船の中で最も大きく最も豪奢な船の船首に大きな炎球が浮かんでいる。そしてその下には人影が小さく見えた。
 あれはレイティアだ。
 そう確信した瞬間、炎は突如消える。
 そして小さく見えていたその人影は、海に飛び込んだ。
「レイティアめ、早まったか!」
 儂は思わず大声を上げる。
 距離が遠すぎるこの場では一緒に飛び込んでも助けてやれない。
 すると、空から蒼白銀の光の塊が一筋の尾を描いて、レイティアの飛び降りた海面を滑る様に駆けた。
 光の塊は再び空に舞い上がり、弧を描いてひらひらと遊ぶ様に舞った。
 しばらく宙に浮いて静止すると、その光の塊はこちらを目指した。
 王軍の兵士達は光の塊に弓をつがえたが、儂はそれを制する。
 徐々に近づくその蒼白銀の光の塊は大きな獅子の獣の姿をしていて、レイティアをその背に乗せていた。
 獅子の背に乗ったレイティアは真っすぐに儂を見つめている。
 儂とレイティアの目は随分と遠くから合っていた。
「陛下!」
 レイティアから儂を呼ぶ声が上がる。
 その声は弾んでいて、喜色がありありと感じられた。
 目の前に儂の目の位置よりも高い所にレイティアの目がある。
 こんな風にレイティアを見上げた事はあまりない。見下ろしてくるレイティアは頬を紅潮させ、清廉な瞳を潤ませていた。
「……陛下」
 レイティアの手を取る。
 レイティアは儂にその体重を預け、儂の目の前に降り立った。
「……陛下? ご心配おかけしました」
 小首を傾げていつもの様に見上げてくるレイティアを、これ以上ないほど抱きしめる。
 そして我を忘れるほど、その唇に吸い付き、舌を這わせ、絡めた。
 レイティアは必死で身を捩り、儂の胸を叩き、抵抗したが儂はやめる気になれなかった。
 そのまま強く抱き込み、更に唇を密着させてその吐息をも奪ってやる。
 しばらく抵抗していたレイティアは徐々にそれを諦めたのか、儂にしがみつき、身体の力を抜いた。
「……ん……っ」
 息の限界が来たのか、また抵抗を始め出したので、一旦離れてやる。
 そしてそのままレイティアを抱きとめて、皆に命じた。
「あの商船の者達は皆生け捕りにしろ。ラヤラ、後は軍師の指示に従え」
「は~~い」
 儂はレイティアを抱き上げて、儂の船室に向かう。
「あの、陛下? 私いっぱいお話ししたい事があるんです、まずですね」
「五月蠅い」
 歩いている間、何やら喋っていたのでまた唇を奪って黙らせてやると、やはり抵抗をする。
「んっ……! ぅ……ん……っ!」
 顔を背けようとしているが頭を片手で抱え込んで阻止してやる。
 レイティアはこうして抵抗していても、決して儂を傷つけようとはしない。
 交わっている最中でも、爪を立てられた事は一度もなく、必死でシーツや手を握っている。
 儂はいつもそのレイティアの理性を飛ばしてやりたくなり、ついムキになってしまう。
 特に今日はその悪い癖が我慢出来そうにない。
 とてもではないが、理性など保てないだろう。
 唇を拘束したまま船室の扉を開く。
 ドアノブに手をかけた事でレイティアの頭から手が離れ、やっとの事でレイティアは顔を反らす。
 今度は空いた首筋に吸い付いてやった。
「あ……っ! ん……っ あ、ダメ、いや……、陛下……」
 儂はレイティアの首筋を丹念に吸い上げる。
 レイティアの耳輪に吸い付きながら、ベットの上に押し倒した。
「ああ……! 待って、待って下さい、陛下! 今はホントにダメ!」
 儂の肩を押しながら、必死で抵抗する。その抵抗が更に儂を煽った。
「戦をした。昂っておる。相手をせよ」
 その言葉に眉を下げてレイティアは拒否する。
「陛下? 今は国の大事の時です。後でいくらでもお望みにお応え致します。ですから今は……」
 レイティアの言葉を待たずに服を脱がしにかかってやる。
「あっ……! ダメ! イヤです! 陛下!」
 逃げる様に身を反らしてベッドの中心からズレていくレイティアを力任せに引き戻す。
「逃げるな」
「お願いです! 陛下! やめて! お願いします!」
四つ這いになり、逃げようとするレイティアの腰帯をするりと解いてやる。
「ダメ! お願いです……陛下、イヤ! やめて下さい!」
 後ろを振り返り、瞳に涙を溜めて、必死に儂に抗おうとする。
 そんなレイティアの後ろから覆いかぶさって、今度は腰の細紐を解いてやった。
 儂の腕を押さえて、それを必死に止めようと足掻く。
「ダメ! ダメなの! 今はイヤなの! お願いします、陛下!」
 後ろから首筋に吸い付いて、胸を揉みしだいてやる。
 まさぐると指先に固くなったレイティアの胸の小さな蕾が触れた。
「あ……! あ……」
 レイティアのこれはかなり感じやすい。
 この蕾を虐めてやると、結局いつも流される様に儂の意に従う。
「……あぁ……、ダメ、ダメなの……、今は、こんな事、してちゃダメなのっ……!」
 体を仰け反らせて、感じているらしいのに今日は流されまいと必死に抵抗する。
 蕾を弄る儂の腕を懸命に払い除けようとする。
 首筋に吸い付き、儂のものである証を刻んでやる。
「ああ! イヤ! お願い! やめて!」
 レイティアのズボンを脱がせる。粗野な旅装束の頑丈な麻の服は肌触りも悪く、レイティアの柔肌を擦って少し赤みを帯びさせていた。
 さっさとその様な物は取り払って、儂だけが知る、一糸纏わぬ姿で泣き濡れるレイティアを見たい。

 いつもと違い、必死に抵抗するレイティアは、儂にはこれ以上ないほど蠱惑的に映った。
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