87 / 200
87
しおりを挟む
ぐったりと天井を仰ぐレイティアを眺める。
何とも言えない満足感を得られた。
髪を撫で、唇にキスをする。
額に、頬に、耳輪に、首筋に、口付ける。
レイティアは惚けた瞳で儂を見る。のろのろと儂の方を向き、その身を儂の胸に預ける。
今まで抱いた女は、欲が済むとさっさとその場を去った。
こんな風に口付け、抱き止めてやった事などなかった。
本当ならばもう何度か相手をしてもらいたいが、今日はさすがに初めてだ。
とろりと落ちた処女であった跡を見て無理をさせるのは酷だと儂は自身に言い聞かせる。
今日の所はよく耐え抜いたと褒めてやるべきだろう。
これから毎夜、レイティアは儂の伽の相手をさせる。
もっと快楽を教え込んで、もっと恥辱に塗れて泣き濡れる顔を見せてもらう。
自分から強請る様になれば満足だ。
自分でも歪んでいるとは思うが、レイティアにはそういう男に見染められた己の不運を呪ってもらうしかない。
レイティアがチラリと儂を見上げる。
「……どうした?」
「……その……陛下のお怒りはお鎮まりになりましたか……?」
「そうだな、収まらぬ、と言ったらどうする?」
「……わかりません……どうしたら赦して頂けるのか……」
レイティアは瞳を伏せる。
「では、今回は唇にキスをしてもらうか」
レイティアの顔が赤くなる。
「……私から……ですよね……?」
「お前はその身を儂に捧げたであろう。これ以上何を恥じらう事がある……と、言いたい所だが、お前はもう責めは負った。赦しておる」
「本当ですか?」
「ああ、もう良い、赦す」
レイティアは微笑む。
「良かったです……。赦して頂けて……」
「あの似非王子は儂と同じ種類の人間だ。あやつの要求を呑んでいては、どんどん要求が増すだけだ。そういう男である事を知っておけ」
「……そうですか……。わかりました。キチンと肝に銘じます」
「以前にも言ったが、儂は狭量な男だ。改めるつもりもない。お前の事に関して何一つ譲る気はない」
「……はい」
「王など思う通りになる事など無いに等しい。お前位は儂の思う様にする」
「はい。心得ております。どうぞ、陛下の御心のままに」
レイティアは心底ほっとした様に微笑む。
そしてはたと思い出した様に瞳を揺るがせた。
「……その、プトレド第二王子殿下はこれからもその、困った要求をなさるのでしょうか?」
「するだろうな。お前に興味を持っている様だからな」
「私に? ……普通にお話しして下さるだけですけど……」
「実際名で呼べと吹っかけて来ておるではないか」
「……どうして私なんかに興味があるんでしょうか?」
「言っておるであろう。お前はお前が思っておるよりもずっと可愛い」
レイティアは頬を染める。
「……そんな風に思って下さるのは、陛下だけだと思っておりました……」
「お前は自覚が足りぬ。少なくともあの王子とは二人きりになるな」
「わかりました」
儂はレイティアの頭を撫ぜる。
レイティアは笑みを浮かべる
「……はい。……あの、陛下?」
レイティアはまた不安そうにこちらを見上げる。
「なんだ?」
「その……、私、ちゃんとお務めを果たせていましたか?」
アナバスは微笑む。レイティアの頬を撫でた。
「ああ、初めてに無茶をさせた部類だ。よく頑張ったな」
レイティアは瞳を閉じ、儂の手のひらに甘える様に擦り寄った。
「……あまりそういう事をするな。また求めてしまうぞ」
「……陛下がお望みであれば……その、幾度でも、頑張ります……」
恥ずかしそうに、小さな声で儂に言う。
その言葉にタガが外れ、儂はレイティアにキスをし舌を絡めた。
この夜はその後何度となくレイティアを求めた。
何とも言えない満足感を得られた。
髪を撫で、唇にキスをする。
額に、頬に、耳輪に、首筋に、口付ける。
レイティアは惚けた瞳で儂を見る。のろのろと儂の方を向き、その身を儂の胸に預ける。
今まで抱いた女は、欲が済むとさっさとその場を去った。
こんな風に口付け、抱き止めてやった事などなかった。
本当ならばもう何度か相手をしてもらいたいが、今日はさすがに初めてだ。
とろりと落ちた処女であった跡を見て無理をさせるのは酷だと儂は自身に言い聞かせる。
今日の所はよく耐え抜いたと褒めてやるべきだろう。
これから毎夜、レイティアは儂の伽の相手をさせる。
もっと快楽を教え込んで、もっと恥辱に塗れて泣き濡れる顔を見せてもらう。
自分から強請る様になれば満足だ。
自分でも歪んでいるとは思うが、レイティアにはそういう男に見染められた己の不運を呪ってもらうしかない。
レイティアがチラリと儂を見上げる。
「……どうした?」
「……その……陛下のお怒りはお鎮まりになりましたか……?」
「そうだな、収まらぬ、と言ったらどうする?」
「……わかりません……どうしたら赦して頂けるのか……」
レイティアは瞳を伏せる。
「では、今回は唇にキスをしてもらうか」
レイティアの顔が赤くなる。
「……私から……ですよね……?」
「お前はその身を儂に捧げたであろう。これ以上何を恥じらう事がある……と、言いたい所だが、お前はもう責めは負った。赦しておる」
「本当ですか?」
「ああ、もう良い、赦す」
レイティアは微笑む。
「良かったです……。赦して頂けて……」
「あの似非王子は儂と同じ種類の人間だ。あやつの要求を呑んでいては、どんどん要求が増すだけだ。そういう男である事を知っておけ」
「……そうですか……。わかりました。キチンと肝に銘じます」
「以前にも言ったが、儂は狭量な男だ。改めるつもりもない。お前の事に関して何一つ譲る気はない」
「……はい」
「王など思う通りになる事など無いに等しい。お前位は儂の思う様にする」
「はい。心得ております。どうぞ、陛下の御心のままに」
レイティアは心底ほっとした様に微笑む。
そしてはたと思い出した様に瞳を揺るがせた。
「……その、プトレド第二王子殿下はこれからもその、困った要求をなさるのでしょうか?」
「するだろうな。お前に興味を持っている様だからな」
「私に? ……普通にお話しして下さるだけですけど……」
「実際名で呼べと吹っかけて来ておるではないか」
「……どうして私なんかに興味があるんでしょうか?」
「言っておるであろう。お前はお前が思っておるよりもずっと可愛い」
レイティアは頬を染める。
「……そんな風に思って下さるのは、陛下だけだと思っておりました……」
「お前は自覚が足りぬ。少なくともあの王子とは二人きりになるな」
「わかりました」
儂はレイティアの頭を撫ぜる。
レイティアは笑みを浮かべる
「……はい。……あの、陛下?」
レイティアはまた不安そうにこちらを見上げる。
「なんだ?」
「その……、私、ちゃんとお務めを果たせていましたか?」
アナバスは微笑む。レイティアの頬を撫でた。
「ああ、初めてに無茶をさせた部類だ。よく頑張ったな」
レイティアは瞳を閉じ、儂の手のひらに甘える様に擦り寄った。
「……あまりそういう事をするな。また求めてしまうぞ」
「……陛下がお望みであれば……その、幾度でも、頑張ります……」
恥ずかしそうに、小さな声で儂に言う。
その言葉にタガが外れ、儂はレイティアにキスをし舌を絡めた。
この夜はその後何度となくレイティアを求めた。
10
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
完結【強引な略奪婚】冷徹な次期帝は、婚姻間近の姫を夜ごと甘く溶かす
小木楓
恋愛
完結しました✨
タグ&あらすじ変更しました。
略奪された大納言家の香子を待っていたのは、冷徹な次期帝による「狂愛」という名の支配でした。
「泣け、香子。お前をこれほど乱せるのは、世界で私だけだ」
「お前はまだ誰のものでもないな? ならば、私のものだ」
大納言家の姫・香子には、心通わせる穏やかな婚約者がいた。
しかし、そのささやかな幸福は、冷徹と噂される次期帝・彰仁(あきひと)に見初められたことで一変する。
強引な勅命により略奪され、後宮という名の檻に閉じ込められた香子。
夜ごとの契りで身体を繋がれ、元婚約者への想いすら「不義」として塗り潰されていく。
恐怖に震える香子だったが、閉ざされた寝所で待っていたのは、想像を絶するほど重く、激しい寵愛で……?
「痛くはしない。……お前が私のことしか考えられなくなるまで、何度でも教え込もう」
逃げ場のない愛に心が絡め取られていく中、彰仁は香子を守るため、「ある残酷な嘘」を用いて彼女を試す。
それは、愛するがゆえに彼女を嫉妬と絶望で壊し、「帝なしでは息もできない」状態へ作り変えるための、狂気じみた遊戯だった。
「一生、私の腕の中で溺れていろ」
守るために壊し、愛するために縛る。
冷酷な仮面の下に隠された、
一途で異常な執着を知った時、香子の心もまた甘い猛毒に溶かされていく――。
★最後は極上のハッピーエンドです。
※AI画像を使用しています。
王宮地味女官、只者じゃねぇ
宵森みなと
恋愛
地味で目立たず、ただ真面目に働く王宮の女官・エミリア。
しかし彼女の正体は――剣術・魔法・語学すべてに長けた首席卒業の才女にして、実はとんでもない美貌と魔性を秘めた、“自覚なしギャップ系”最強女官だった!?
王女付き女官に任命されたその日から、運命が少しずつ動き出す。
訛りだらけのマーレン語で王女に爆笑を起こし、夜会では仮面を外した瞬間、貴族たちを騒然とさせ――
さらには北方マーレン国から訪れた黒髪の第二王子をも、一瞬で虜にしてしまう。
「おら、案内させてもらいますけんの」
その一言が、国を揺らすとは、誰が想像しただろうか。
王女リリアは言う。「エミリアがいなければ、私は生きていけぬ」
副長カイルは焦る。「このまま、他国に連れて行かれてたまるか」
ジークは葛藤する。「自分だけを見てほしいのに、届かない」
そしてレオンハルト王子は心を決める。「妻に望むなら、彼女以外はいない」
けれど――当の本人は今日も地味眼鏡で事務作業中。
王族たちの心を翻弄するのは、無自覚最強の“訛り女官”。
訛って笑いを取り、仮面で魅了し、剣で守る――
これは、彼女の“本当の顔”が王宮を変えていく、壮麗な恋と成長の物語。
★この物語は、「枯れ専モブ令嬢」の5年前のお話です。クラリスが活躍する前で、少し若いイザークとライナルトがちょっと出ます。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
五年後、元夫の後悔が遅すぎる。~娘が「パパ」と呼びそうで困ってます~
放浪人
恋愛
「君との婚姻は無効だ。実家へ帰るがいい」
大聖堂の冷たい石畳の上で、辺境伯ロルフから突然「婚姻は最初から無かった」と宣告された子爵家次女のエリシア。実家にも見放され、身重の体で王都の旧市街へ追放された彼女は、絶望のどん底で愛娘クララを出産する。
生き抜くために針と糸を握ったエリシアは、持ち前の技術で不思議な力を持つ「祝布(しゅくふ)」を織り上げる職人として立ち上がる。施しではなく「仕事」として正当な対価を払い、決して土足で踏み込んでこない救恤院の監督官リュシアンの温かい優しさに触れエリシアは少しずつ人間らしい心と笑顔を取り戻していった。
しかし五年後。辺境を襲った疫病を救うための緊急要請を通じ、エリシアは冷酷だった元夫ロルフと再会してしまう。しかも隣にいる娘の青い瞳は彼と瓜二つだった。
「すまない。私は父としての責任を果たす」
かつての合理主義の塊だった元夫は、自らの過ちを深く悔い、家の権益を捨ててでも母子を守る「強固な盾」になろうとする。娘のクララもまた、危機から救ってくれた彼を「パパ」と呼び始めてしまい……。
だが、どんなに後悔されても、どんなに身を挺して守られても、一度完全に壊された関係が元に戻ることは絶対にない。エリシアが真の伴侶として選ぶのは、凍えた心を溶かし、温かい日常を共に歩んでくれたリュシアンただ一人だった。
これは、全てを奪われた一人の女性が母として力強く成長し誰にも脅かされることのない「本物の家族」と「静かで確かな幸福」を自分の手で選び取るまでの物語。
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる