88 / 200
88、閑話 -面影1-※
しおりを挟む
このグリムヒルトに娼婦として売られて1年、私は怒られてばかりだ。
私は元々華やかなものは苦手だった。
どちらかと言えば内気だったし、この香水や化粧品や香油の香りに未だに慣れない。
マグダラスは貧しいけれど穏やかな国だった。
グリムヒルトの様に賑やかで人の多い国ではないけど、地の民だなんて言って偏見の目で見られることもなかった。
私にはマグダラスの方が合ってた。
でも、お父さんは体を悪くして働けなくて、お母さん一人で頑張ってオレンジを育てていたけど、兄弟はたくさんいたし、皆んなまだ幼い。皆んなが食べて行くには私が身を売るしかなかった。
グリムヒルトの男の人は賑やかで陽気な人が多くて、声も大きいので、私は正直言って苦手で、怖くなってしまった。
身体を売る事自体も慣れない。
……多分皆んな慣れているわけではなくて、割り切ったり諦めたりして折り合いをつけてるだけなんだろうけど、私はその折り合いを上手くつけられないでいる。
本当は折り合った方が自分が楽になるとわかっているけど、どう考えれば折り合っていけるのか、どうしても答えに行き着けない。
そんなだから、私は怒られてばかりだ。
陰気だと香車さんに怒られる。
今日も私だけ売れ残って、見世の格子の前に座る。
なんとなく、外を眺めていたら、随分若そうな男の人が私の目の前に立った。
「売れ残った?」
私はその声に応える様に顔を上げてその人を見た。
ちゃんと視界に入れたその男の人はやっぱり20代後半位の灰がかった黒髪と灰色の瞳の随分と素敵な容姿の男性だった。
きっとモテる人だろうな……と漠然と思った。
「……うん、私、グズだから売れ残っちゃった」
出来るだけ笑顔で彼に答えた。
彼は格子に手を入れて、私の頬に触れた。
「じゃあ、俺が君を買うよ」
「……ありがとう、とても助かるわ」
彼は軽く微笑む。
店に入って香車さんに私を指名する。
私は香車さんに促され、彼を案内した。
私が借りてるお部屋は3階、案内するその間にお話しする。
「ありがとう、本当に助かったわ。私、客引きは苦手で困っていたの」
彼は優しい笑顔で言ってくれる。
「うん、役に立てたならよかったよ」
本当にいいお客さんでよかった。
声も大きくないし、品が良くて、凄く陽気な感じでもない。
「ここよ。入って」
部屋にはベッドとちょっとしたソファとテーブルがある。
「座る?お茶なら出せるわよ?それともすぐ?」
私は笑って問いかけた。
「すぐ」
「わかったわ」
私は簡素なドレスを着ているので、簡単に脱げる。
下着も着脱が楽な、紐でなく飾りボタンで作られてる。
彼は、ベッドの前で私の前に立つ。
「俺が脱がしたいから」
「……わかった」
男の人は私の肩を掴んで私の頬に優しくキスした。
……まるで愛おしいものでも愛でる様に。
あ、まずい、ダメだ。
私はそう思う。
このお客さんは危険だ。
彼は私の唇に優しくキスした後、二度めのキスは舌を入れてくる。
私はそれに応えて舌を絡める。
その間に私のドレスは脱がされていた。
長く優しく恋人にする様なキスを交わして、彼は私を優しく、ベッドに寝かせる。
「お喋り、苦手だろ?これからは無理に喋らなくていいよ」
……本当にまずい……
ああ、この人これからも来るんだ……。
私は複雑な思いで彼の首に腕を回す。
またキスをして、下着の上から胸を弄られる。
服の上からでも私の先端の実がわかる様でそこに上手く刺激を与えてくる。
器用に私の上半身の下着を脱がす。
胸に優しい愛撫をされる。
「……あ……っあ……」
私はその優しく上手な愛撫に演技ではない声が出てしまう。
両の手で両方の胸を揉みしだかれて、先端は舌で転がされる。
「……あぁ……あっ……ん……」
下半身の下着の上から私の秘部に触れられる。
私の豆肉を探り当てる。指先だけでイかされそうだ。
「あぁっ! ……んっ! ふぁ……っ! ああ……!」
こんな所でイかされちゃったら今晩の仕事、保たない……
そう思って耐える。
すると彼は、私の足を開いて、最後の下半身の下着を剥ぎ取った。
私の豆肉に吸い付く。
「……! やだ、ちょっと! ダメよ! 待って!」
彼は私の話を聞いてくれず、そのまま豆肉に刺激を与え続ける。
……娼婦のそんな所舐める男、初めてだ……。
そう思うと何故か急に身体が疼く。
「あぁっ! あああ~~! っ……!」
私は我慢出来ずにイってしまう。
「はぁ、はぁ……はぁ……」
すかさず彼は私の女膣に指を入れる。
上の感じる所を刺激し始める。
「……待って……そんなにされたら、今夜の仕事に響いちゃうの……お願い、少し手加減して……」
彼は私を見つめて笑う。
「安心して。買い上げたから。だから身を委ねていいよ」
「……買い上げたって……」
「もう野暮は終わり。俺にだけ集中して」
そう言われて、何も言えなくなる。
一晩買い上げるなんてこの人お金持ちなんだろうか……。
確かに着てるものもシンプルだけど上質だし、そもそもこの人自身とても品が良いし。
ああ、とても鍛え抜かれた身体をしてるから、もしかしたら偉い軍人さんなのかもしれない。
そんな事をぼんやり考えながら、彼の愛撫を受け入れる。
恋人がする様な交わり方を、その夜だけで何度もした。
私は元々華やかなものは苦手だった。
どちらかと言えば内気だったし、この香水や化粧品や香油の香りに未だに慣れない。
マグダラスは貧しいけれど穏やかな国だった。
グリムヒルトの様に賑やかで人の多い国ではないけど、地の民だなんて言って偏見の目で見られることもなかった。
私にはマグダラスの方が合ってた。
でも、お父さんは体を悪くして働けなくて、お母さん一人で頑張ってオレンジを育てていたけど、兄弟はたくさんいたし、皆んなまだ幼い。皆んなが食べて行くには私が身を売るしかなかった。
グリムヒルトの男の人は賑やかで陽気な人が多くて、声も大きいので、私は正直言って苦手で、怖くなってしまった。
身体を売る事自体も慣れない。
……多分皆んな慣れているわけではなくて、割り切ったり諦めたりして折り合いをつけてるだけなんだろうけど、私はその折り合いを上手くつけられないでいる。
本当は折り合った方が自分が楽になるとわかっているけど、どう考えれば折り合っていけるのか、どうしても答えに行き着けない。
そんなだから、私は怒られてばかりだ。
陰気だと香車さんに怒られる。
今日も私だけ売れ残って、見世の格子の前に座る。
なんとなく、外を眺めていたら、随分若そうな男の人が私の目の前に立った。
「売れ残った?」
私はその声に応える様に顔を上げてその人を見た。
ちゃんと視界に入れたその男の人はやっぱり20代後半位の灰がかった黒髪と灰色の瞳の随分と素敵な容姿の男性だった。
きっとモテる人だろうな……と漠然と思った。
「……うん、私、グズだから売れ残っちゃった」
出来るだけ笑顔で彼に答えた。
彼は格子に手を入れて、私の頬に触れた。
「じゃあ、俺が君を買うよ」
「……ありがとう、とても助かるわ」
彼は軽く微笑む。
店に入って香車さんに私を指名する。
私は香車さんに促され、彼を案内した。
私が借りてるお部屋は3階、案内するその間にお話しする。
「ありがとう、本当に助かったわ。私、客引きは苦手で困っていたの」
彼は優しい笑顔で言ってくれる。
「うん、役に立てたならよかったよ」
本当にいいお客さんでよかった。
声も大きくないし、品が良くて、凄く陽気な感じでもない。
「ここよ。入って」
部屋にはベッドとちょっとしたソファとテーブルがある。
「座る?お茶なら出せるわよ?それともすぐ?」
私は笑って問いかけた。
「すぐ」
「わかったわ」
私は簡素なドレスを着ているので、簡単に脱げる。
下着も着脱が楽な、紐でなく飾りボタンで作られてる。
彼は、ベッドの前で私の前に立つ。
「俺が脱がしたいから」
「……わかった」
男の人は私の肩を掴んで私の頬に優しくキスした。
……まるで愛おしいものでも愛でる様に。
あ、まずい、ダメだ。
私はそう思う。
このお客さんは危険だ。
彼は私の唇に優しくキスした後、二度めのキスは舌を入れてくる。
私はそれに応えて舌を絡める。
その間に私のドレスは脱がされていた。
長く優しく恋人にする様なキスを交わして、彼は私を優しく、ベッドに寝かせる。
「お喋り、苦手だろ?これからは無理に喋らなくていいよ」
……本当にまずい……
ああ、この人これからも来るんだ……。
私は複雑な思いで彼の首に腕を回す。
またキスをして、下着の上から胸を弄られる。
服の上からでも私の先端の実がわかる様でそこに上手く刺激を与えてくる。
器用に私の上半身の下着を脱がす。
胸に優しい愛撫をされる。
「……あ……っあ……」
私はその優しく上手な愛撫に演技ではない声が出てしまう。
両の手で両方の胸を揉みしだかれて、先端は舌で転がされる。
「……あぁ……あっ……ん……」
下半身の下着の上から私の秘部に触れられる。
私の豆肉を探り当てる。指先だけでイかされそうだ。
「あぁっ! ……んっ! ふぁ……っ! ああ……!」
こんな所でイかされちゃったら今晩の仕事、保たない……
そう思って耐える。
すると彼は、私の足を開いて、最後の下半身の下着を剥ぎ取った。
私の豆肉に吸い付く。
「……! やだ、ちょっと! ダメよ! 待って!」
彼は私の話を聞いてくれず、そのまま豆肉に刺激を与え続ける。
……娼婦のそんな所舐める男、初めてだ……。
そう思うと何故か急に身体が疼く。
「あぁっ! あああ~~! っ……!」
私は我慢出来ずにイってしまう。
「はぁ、はぁ……はぁ……」
すかさず彼は私の女膣に指を入れる。
上の感じる所を刺激し始める。
「……待って……そんなにされたら、今夜の仕事に響いちゃうの……お願い、少し手加減して……」
彼は私を見つめて笑う。
「安心して。買い上げたから。だから身を委ねていいよ」
「……買い上げたって……」
「もう野暮は終わり。俺にだけ集中して」
そう言われて、何も言えなくなる。
一晩買い上げるなんてこの人お金持ちなんだろうか……。
確かに着てるものもシンプルだけど上質だし、そもそもこの人自身とても品が良いし。
ああ、とても鍛え抜かれた身体をしてるから、もしかしたら偉い軍人さんなのかもしれない。
そんな事をぼんやり考えながら、彼の愛撫を受け入れる。
恋人がする様な交わり方を、その夜だけで何度もした。
10
お気に入りに追加
121
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい
金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。
私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。
勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。
なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。
※小説家になろうさんにも投稿しています。
老女召喚〜聖女はまさかの80歳?!〜城を追い出されちゃったけど、何か若返ってるし、元気に異世界で生き抜きます!〜
二階堂吉乃
ファンタジー
瘴気に脅かされる王国があった。それを祓うことが出来るのは異世界人の乙女だけ。王国の幹部は伝説の『聖女召喚』の儀を行う。だが現れたのは1人の老婆だった。「召喚は失敗だ!」聖女を娶るつもりだった王子は激怒した。そこら辺の平民だと思われた老女は金貨1枚を与えられると、城から追い出されてしまう。実はこの老婆こそが召喚された女性だった。
白石きよ子・80歳。寝ていた布団の中から異世界に連れてこられてしまった。始めは「ドッキリじゃないかしら」と疑っていた。頼れる知り合いも家族もいない。持病の関節痛と高血圧の薬もない。しかし生来の逞しさで異世界で生き抜いていく。
後日、召喚が成功していたと分かる。王や重臣たちは慌てて老女の行方を探し始めるが、一向に見つからない。それもそのはず、きよ子はどんどん若返っていた。行方不明の老聖女を探す副団長は、黒髪黒目の不思議な美女と出会うが…。
人の名前が何故か映画スターの名になっちゃう天然系若返り聖女の冒険。全14話+間話8話。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。
男装騎士はエリート騎士団長から離れられません!
Canaan
恋愛
女性騎士で伯爵令嬢のテレサは配置換えで騎士団長となった陰険エリート魔術師・エリオットに反発心を抱いていた。剣で戦わない団長なんてありえない! そんなテレサだったが、ある日、魔法薬の事故でエリオットから一定以上の距離をとろうとすると、淫らな気分に襲われる体質になってしまい!? 目の前で発情する彼女を見たエリオットは仕方なく『治療』をはじめるが、男だと思い込んでいたテレサが女性だと気が付き……。インテリ騎士の硬い指先が、火照った肌を滑る。誰にも触れられたことのない場所を優しくほぐされると、身体はとろとろに蕩けてしまって――。二十四時間離れられない二人の恋の行く末は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる