人質同然だったのに何故か普通の私が一目惚れされて溺愛されてしまいました

ツヅミツヅ

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 次の日、グリムヒルト海軍の軍船が騎士団を連れてやって来た。
 拘束されたくだんの4名を船に乗せ、王都まで護送する。
 儂と姫もその船で一緒に帰る事になった。
「軍船の軍人さん達は蜻蛉返りで辛くはないのでしょうか?」
 姫が少し心配そうに訊ねる。
「何、長旅になれば半年以上船に揺られる事になる場合もあるからな。軍人は慣れたものだ」
「は、半年ですか?」
「もちろん、その間補給はするがな。おかに降りずにそのまま出港なんて事もザラにある」
 姫の驚いた様子を可愛く思い頭を撫でる。
「凄いですね……私は3日乗っただけでふわふわしてしまうのに」
「海軍の軍人が船に弱くては務まらぬな」
 儂は笑って答えた。
 儂が乗っているのでこの軍船には鷹の紋の旗が上がる。

 船は出港し、3日間波に揺られ、大きな問題も起こらず王都へと着いた。

 港からは馬車が用意されており、次は馬車に揺られる。
 大した道のりでもなく馬車は王城に辿り着く。

「お帰りなさいませ、陛下、姫様」
 宰相が出迎える。
「ああ、帰った」
「ただいま帰りました、宰相様」
 儂は姫を伴い歩きながら答える。
「鳥で大まかにはお知らせ下さいましたが、早速委細をお伺いしてよろしいですか?」
「顛末は5年ほど前から原石の産出量を偽装して横領していた様だ。証拠はテームに預けてあるぞ」
「手紙にあった、裁きを遅らせると言うのは?」
「…恩赦の時期に裁可を下せれば良い」
「恩赦と仰いますと、ご成婚の、ですか?」
「ああ」
「つまり死罪を回避させるのですね?」
「そういう事だ」
「……畏まりました。お二人ともお疲れの所、失礼致しました」

 宰相はそのまま一礼して儂と姫が去るのを見送った。
 姫と二人、王妃の間に行く。
 ドローイングルームの長椅子に姫と共に腰掛ける。
「さすがに疲れておる様だな」
 姫はこの船旅の3日間スッキリと眠ったとは言い難いらしく、疲れの色が見えた。
「大丈夫ですよ。やっぱりふわふわしますが、おかに上がったのでもうそろそろ治るはずです」
「そうか」
 そのまま黙っていると、案の定姫は舟を漕ぎ始めた。
 うつらうつらとする姫が完全に眠るまで待ってみる。
 とうとう儂の肩に凭れかかって深く眠った姫を横抱きにしてベッドまで連れて行く。

 ベッドに寝かせて、一緒に横になる。
 その寝顔が可愛らしく、ずっと見つめていた。

 結局姫が目覚めたのは次の日の朝だった。
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