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66、5ヶ月前
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セオ島から戻ってひと月経った。
あれから鉱山の改善に忙しくしていたらあっという間だった。
陛下に紹介して頂いた鉱山責任者のパウル・ミーケル・ヤルンバリさん、
坑夫長のイクセル・オスヴァルド・ノルデグレーンさん、お目付役のウルリク・ヨーラン・ノルダールさんはわざわざ一旦王都に来て、ご挨拶をしてくれた。
ヤルンバリさんは若い方で今回初めて鉱山責任者になるらしく、今まで付いていた師匠の元を離れてお仕事するそうな。
坑夫長のノルデクレーンさん、お目付け役のノルダールさんはベテランで、二人でヤルンバリさんを支えていきますとの事だった。
挨拶もそこそこに3人は、セオ島へと向かってくれた。
これでとりあえずはセオ島の事は一段落した。
婚姻の儀式が済んだら、もう一回様子を見に行かなきゃいけないな。
陛下との婚姻の儀まで後4ヶ月。
儀宰様と色々相談しながら準備を進めている。ただ、私はグリムヒルトの婚姻の儀式がどういうものかわからないので、要望をお伝えするばかりで、それに儀宰様が応えて下さる……と言った具合だ。
そもそも、マグダラスの信仰するものは神獣だった。
一方グリムヒルトは海の女神を信仰してる。
グリムヒルトの王家の紋が鷲ではなく鷹なのは、この女神が鷹に変身して海を駆けたという神話から来てる。
何故海にまつわる鳥でないのか不思議だけど。
グリムヒルトの儀式はほとんどが、この女神に捧げられてる。
大きなものは新年を祝う儀式、春の訪れを祝う儀式、大きな軍船の造船の起工式と竣工式があってその儀式は特に豪勢に行われる。
マグダラスは神獣に季節毎に祈りを捧げる厳かなものだ。王家が巫女だった時の名残なのか、基本的には祈ってばかりだった気がする。
この婚姻の儀式も海の女神に捧げられる。というか赦しを乞うという印象だ。
女神なので機嫌を損ねない様に、という事らしい。
新年の儀式では私はまだ正式に輿入れをしていないので席がない。つまり出なくていいらしい。宰相様からそう聞いた。
「姫様、助けて下さい!」
陛下がご政務の最中に図書の間に宰相様が訪ねて来た。
椅子に座って本を読んでいた私は立ち上がって宰相様を迎える。
「どうされました?」
私はキョトンと宰相様を見る。
「陛下がわがまま言うんです」
「と、仰いますと?」
「陛下が新年の儀式に出ないと駄々をこねるんです。俺、凄く困ってるんですよ」
「そうですか……。どうして出ないと仰ってるのですか?」
「それが姫様は今年は出なくて良いという事を申し上げたらですね、じゃあ自分も出ない、面倒だと仰るんですよ」
「私が出ないからなんですか⁉︎ それはダメです!」
「そうでしょう? 本当に困ってるんですよ。今年はご政務も始められましたから儀式も恙無くこなして頂けると思ったのですが……。姫様が説得して下されば、陛下も出て下さるんじゃないかと思いまして……」
宰相様が困り顔で私に訴える。
「わかりました。どこまでお役に立てるかわかりませんが陛下にお話ししてみますね」
「お願いします、姫様」
という顛末で私はその夜、陛下にお話しする事になった。
あれから鉱山の改善に忙しくしていたらあっという間だった。
陛下に紹介して頂いた鉱山責任者のパウル・ミーケル・ヤルンバリさん、
坑夫長のイクセル・オスヴァルド・ノルデグレーンさん、お目付役のウルリク・ヨーラン・ノルダールさんはわざわざ一旦王都に来て、ご挨拶をしてくれた。
ヤルンバリさんは若い方で今回初めて鉱山責任者になるらしく、今まで付いていた師匠の元を離れてお仕事するそうな。
坑夫長のノルデクレーンさん、お目付け役のノルダールさんはベテランで、二人でヤルンバリさんを支えていきますとの事だった。
挨拶もそこそこに3人は、セオ島へと向かってくれた。
これでとりあえずはセオ島の事は一段落した。
婚姻の儀式が済んだら、もう一回様子を見に行かなきゃいけないな。
陛下との婚姻の儀まで後4ヶ月。
儀宰様と色々相談しながら準備を進めている。ただ、私はグリムヒルトの婚姻の儀式がどういうものかわからないので、要望をお伝えするばかりで、それに儀宰様が応えて下さる……と言った具合だ。
そもそも、マグダラスの信仰するものは神獣だった。
一方グリムヒルトは海の女神を信仰してる。
グリムヒルトの王家の紋が鷲ではなく鷹なのは、この女神が鷹に変身して海を駆けたという神話から来てる。
何故海にまつわる鳥でないのか不思議だけど。
グリムヒルトの儀式はほとんどが、この女神に捧げられてる。
大きなものは新年を祝う儀式、春の訪れを祝う儀式、大きな軍船の造船の起工式と竣工式があってその儀式は特に豪勢に行われる。
マグダラスは神獣に季節毎に祈りを捧げる厳かなものだ。王家が巫女だった時の名残なのか、基本的には祈ってばかりだった気がする。
この婚姻の儀式も海の女神に捧げられる。というか赦しを乞うという印象だ。
女神なので機嫌を損ねない様に、という事らしい。
新年の儀式では私はまだ正式に輿入れをしていないので席がない。つまり出なくていいらしい。宰相様からそう聞いた。
「姫様、助けて下さい!」
陛下がご政務の最中に図書の間に宰相様が訪ねて来た。
椅子に座って本を読んでいた私は立ち上がって宰相様を迎える。
「どうされました?」
私はキョトンと宰相様を見る。
「陛下がわがまま言うんです」
「と、仰いますと?」
「陛下が新年の儀式に出ないと駄々をこねるんです。俺、凄く困ってるんですよ」
「そうですか……。どうして出ないと仰ってるのですか?」
「それが姫様は今年は出なくて良いという事を申し上げたらですね、じゃあ自分も出ない、面倒だと仰るんですよ」
「私が出ないからなんですか⁉︎ それはダメです!」
「そうでしょう? 本当に困ってるんですよ。今年はご政務も始められましたから儀式も恙無くこなして頂けると思ったのですが……。姫様が説得して下されば、陛下も出て下さるんじゃないかと思いまして……」
宰相様が困り顔で私に訴える。
「わかりました。どこまでお役に立てるかわかりませんが陛下にお話ししてみますね」
「お願いします、姫様」
という顛末で私はその夜、陛下にお話しする事になった。
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