R18の乙女ゲーに男として転生したら攻略者たちに好かれてしまいました

やの有麻

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高年期[二学期・後編]

体育祭④夫婦道&お昼休み

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続きまして~夫婦道。陽南さんが参加だね。頑張ってー。



相手は・・・ああ、同じクラスの男子だ。確か鈴原君。大人しいけど、どこかムッツリ男子。あ、ムッツリスケベじゃないよ?ほんと無表情なの。・・・あんまり印象にないけど、よく陽南さんを目で追いかけていたのを何度か見てる。・・・あ、ムッツリスケベなのかな?まぁそう思って陽南さんにチラッと話したら何故か陽南さんが夫婦道で一緒にやろうと自ら話しかけ約束をとっていたのだ。・・・うん、何を考えてるんだろう?





「薫風くんがお眼鏡に叶う人に悪い人はいないからですわ。」

「・・・なに、その信憑性のない変な言い伝えの様なものは。まぁ、多分あの子は陽南さんをただ眺めているような・・・あ、あれだよ、「よくあんなに他人と笑顔で喋れるなぁ」的な感想をもちながら傍観してる感じ。」

「・・・なんとなくわかりましたわ。なんとも説明ベタな説明を有難うございます。」

「自分でも何言ってるんだろうと自覚してるから指摘しないで・・・」







とのこと。僕はそんなに人の目利きは良くないんだけどなぁ・・・?まぁ信頼されてるって事で、何かあったら助けるよ。多分、大丈夫だと思うけどね。





夫婦道とは・・・指定の位置から妻役(陽南さん)がロープのついた浮き輪を投げ、夫役(鈴原くん)が少し離れた場所で手を使わずに頭で浮き輪を受ける。うまく頭に引っ掛かったら、妻役が夫役を引っ張ってゴールへ向かう競技。





うん、頑張ってねー!




_________




結果・・・結構、均等に一位の列に並んでいた。ちなみに陽南さんは2位。・・・うん、陽南さんが足が遅くてね、逆に鈴原くんが陽南さんを引っ張った形でゴールしてました。ウケる(笑)




でもね、確かに走る距離が長いの。何故か200m。徒競走でも100mなのにね?おかしいねー?だから陽南さん後半ゼェゼェ言ってましたよ。ハァハァじゃなくゼェゼェです。喉カラカラらしい。まぁこの後は昼食だから。沢山水分補給とってくれたまえ。






「ああいた、薫風、探したよ。」

「!流依兄さん。」

「さぁ行こう。何故か母さんが昼食を料理長と一緒に作ったみたいだよ。」

「えっ母さんが!?・・・大丈夫?」

「まぁ・・・理事長の目もあることだし、食べれなくない出来映えじゃないかな?」

「・・・」

「・・・」





うわっ、気まずい~・・・



母さんはほんと流依さん似ておっとりしてるんだけど、幼い頃に僕が料理作ったのを気にして何回か料理に挑戦していたようなんだが・・・焦げるわ塩と砂糖間違えるわ目分量で調味料入れるわ・・・もう散々な物が出来上がるのだ。家族全員その絶望的な料理を味わって以来、調理室へ行こうとする母を何かと理由付けて遠ざけてたんだが・・・あの人も役者みたいにのらりくらりと人を避けて何度か調理室へと行き、もう・・・何度死に目にあったことやら。




そして本日、また勝手に調理室へと行き勝手に作ったらしい。いやその場にはちゃんと料理長いたが、やっぱ雇われる身としては強く言えず、最低限の手助けをしていつも見守っているんだよね・・・食べるのは僕らだしね。後に口直しに美味しい物をくれるから憎めない。まぁ仕方ないよね。





「あ!流依兄様!薫風兄様!こちらです!」

「あ、真菜ちゃん。応援しにきてくれたの?」

「勿論ですわ!あ、あと少し離れた所に莉美さん達もいますの~!」

「えっ!?本当に?じゃあ後で会いに行こうか。万純くんと紫音さんにも伝えとくよ。」

「はい!皆さんも会いたがってましたので嬉しいです!」





そっかぁ~夏休み以来だし、中学生と高校生じゃ滅多に会うことはないからね~。




あ、ちなみにこの体育祭、あの小学校同様、大きなグラウンドに大きな観客席がありす。そこに各生徒の家族が観客席にいます。もちろんうちの家族も、そして執事さんも来ています。




観客席には余裕があるので一般解放してます。だから誰が観に来ても問題なし。まぁ真菜の友達なら多分、問題なく入れそうだけどね。






「さぁ流依、薫風。疲れたでしょ~?一杯食べてください。」

「・・・」

「は、はい・・・と、とても、美味しそうです。」

「薫風は沢山一位取ってましたね~。さすが我が息子ですわ。流依も素晴らしい走りでしたね~。」

「・・・有難うございます。ところで母さん、味見は?」

「もちろん料理長にしてもらって太鼓判もらったわ!さぁさぁ!食べましょう!」

「「・・・」」





もう流依兄さんと顔を合わせるしかない。アイコンタクトで互いにエールを送り食べ始めた。・・・未だに一言も発しない父を横目に恐る恐る食べてみる。




「「!!」」

「美味しい?」

「・・・はい。母さんの愛情を感じます。」

「まぁ薫風ったら!一杯食べてね~!」

「・・・薫風」

「う、うん・・・マシな味だと思うよ。前に比べたら食べれるよ・・・」

「そ、そうか・・・僕も頑張るから薫風も頑張れ。」

「う、うん・・・」





真菜ちゃんと父さんは二人で避難していた。・・・あ、これ多分味見させられてたんだろうな。話題に入ってこないし。





なんだろう卵焼き?らしきものに緑と赤い物が混ざってて所々黒く焦げてます・・・あ、その他はちゃんと料理長が作った物らしく、とりあえずこれさえ食べれば助かると思い、あまり噛み締めず喉に通す・・・ごめん母さん、もう少し上達してくれるまで味わって食べれないや。でも物を粗末にしたくないから頑張るよー。







・・・少し苦痛だった昼食を終え紫音さんと麗華さんを探した。あ、もちろん流依兄さんも一緒に。





「あ、いた。・・・紫音さん、麗華さん。」

「・・・ごきげんよう。薫風さん、八乙女様。」

「ごきげんよう。」




・・・うわっ。紫音さんが流依兄さんを「八乙女様」だって。まぁ令嬢は先輩など目上の人を「様」付けだけど・・・違和感ハンパない!





「夏休みに遊んだ僕の妹の友達が応援しに来てるんだけど、紫音さん達に会いたがってるんだ。少し時間空いてるかな?」

「!まぁ莉美さん達ですの?」

「夏休みぶりですわね。ぜひとも。」

「うん。・・・あそこにいるから行ってくれるかな?僕は万純くんを探してから行くから。」

「わかりましたわ。」






ふぅ・・・夏休みの思い出はそのままのようだ。・・・なんとも矛盾してるな。






それから万純くんを連れて真菜の友達の所へいく。ああ、やはり夏休みに出会った莉美ちゃん、恩恵ちゃん、蘭羅ちゃんがいた。紫音さんたちと談笑していた。





「うわぁ~みんな久々だねぇ~」

「あ、ま、万純様・・・」

「ん?あ、莉美ちゃんだね!久々ぶり~」

「は、はい~・・・!」




あー莉美ちゃん顔真っ赤!可愛い~!やっぱり莉美ちゃんは万純くんの事・・・





「ふふふ、莉美さん凄く嬉しそう~!」

「ああ、真菜も気付いてるんだね。」

「ええ、だって莉美さんったらよく薫風兄様の話をしたついでに万純様の事を聞いてくるんですもの。気付かない方がおかしいですわ。」

「そっか。・・・うん、今度、莉美ちゃんを我が家にお茶会に呼んでみたらどう?その時、万純くんも呼んで4人でお茶会すればいいよ。」

「まぁ!それは良いですね!今度こっそり莉美さんだけ呼んでみますわ!」






うんうん、伯爵である万純くんに莉美ちゃんは同じ貴族だから問題ないだろう。今度セッティングしてやろう。




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