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高年期[二学期・前編]

イベント前にテスト勉強やろう!

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滞りなく2年生対象イベントはたったの1時間半という短い時間で終わりを告げた。


はい、僕たちの勝ちでーす。




後に腕輪を取った2人とハチマキを取った人が呼び出され褒美が貰える手はずになった。・・・うーん、僕ほんとに褒美もらっていいのかな?ズルしたようで微妙なんだけど。





「まぁいいんじゃないかな?僕たちが勝ったんだからさ。」

「・・・万純くん?僕の心を読まないでくれる?」

「ん~?だって顔に書いてあったよ『罪悪感』って。」

「・・・はぁ~」





僕、そんなに顔にでてたかな?まぁ指名する人は決まってるからいいか。




「薫風~!」

「うぉっ!?・・・ブッ!」

「姫ぇ?大丈夫~?」





万純くんと話ながら廊下を歩いていたら後ろから天野くんにタックルされ前のめりになった所、前から誰かが現れた胸板に思いっきり飛び付いた形になり鼻を打った。い、痛い・・・ってこの声は猫屋敷先輩か?




「天野~、姫は華奢なんだから危ないよ~。」

「ごめんね~薫風!負けちゃった僕の傷心を慰めてぇ~!」

「あ、姫~俺も~。」





おう、2人とも語尾が伸びる喋り方だったね。なんか軽くウンザリしてきた。天野くんは小悪魔的に甘える喋り方で猫屋敷先輩は気怠そうな喋り方。うんいつものんびりしてるからね~その喋り方は仕方ないよね。



・・・でもね、天野くんはいざ本番となると色っぽくヒロインを攻める小悪魔から悪魔になる時があるのを僕は知ってるからね。その見た目や態度には騙されません。





「ネコ先輩は腕輪の時に指名しますので楽しみにしてて下さい。ノープランですが何かやりたい事があったらその都度教えて下さい。」

「わぁ~楽しみだなぁ~・・・うん。わかった。」

「天野先輩は二階堂先輩を降りきれなかったんですか?ハチマキ取れば良かったのでは?」

「そーなんだけどねぇ~・・・やっぱ1歳の差かなぁ~身長がねぇ~・・・くすん。」

「そんな事を言ったら僕はどうなんですか?万純くんにも背を越されてるのに男としてそれは言ってはいけませんよ?」

「新に勝てるわけないじゃあ~ん!完璧俺様君主の相手なんて無理だよぉ~!」

「わぁ・・・ですって二階堂先輩。」

「ほう・・・政美は私の事を完璧俺様君主と思っているのか。そうか、政美が私をこんなにも理解している事がよぉ~っく分かったよ。」

「あ・・・エヘッ☆そんな顔しないで新くん☆ほんの冗談だから~・・・ねぇ新くん?新さま!ほんとゴメ~ン!わあぁ~!」




あ、天野くんが二階堂くんに連行されてった。・・・うん、仲良しだね。天野くん頑張って!骨は拾ってあげるよ(笑)



ってか未だに猫屋敷先輩に抱き締められてるんですが、いい加減離してもらえないかなぁ~?




________




「イベントばかり頑張らずテスト勉強も頑張れ~。まぁ、うちのクラスは八乙女がいるから大丈夫かぁ~?だが平均点を上げるため皆頑張れよぉ~!」



おい!何故僕の名前が上げられるんだよ!




なんだか1学期の事があってからテスト前になると何かと僕に押し付けて授業を手抜きされてる気がするんだけどー?




始めの頃は教科書1ページ1ページ「ここをちゃんと覚えろよーテストに出るからなー」って教えてくれて赤線で記したりしてたのに、今では「ここから~ここまでテスト範囲だからなぁ~。しっかり勉強するよーにー。」・・・で終わり。手抜きすぎー!そして僕に丸投げやめてー?




「またお世話になるよー薫風くん。」

「よろしくお願いしますわ薫風さん。」

「・・・申し訳ありませんが、よろしくお願いします。」




おう、仲良し3人が早速食いついてきた・・・チラッと周りを見ると、はい!皆さん僕に注目していました。




はぁ、イベント対策会議+テスト勉強ですねー。はーい!頑張りまっす☆




あ、今回イベントの褒美はテスト終わった後にもらえるそうです。そりゃそーだ。テスト前に計画たてちゃったらテストどころじゃなくなるだろうからね。





「はーい・・・じゃあ今日から放課後頑張ろっかー。」

「賛成ー!」

「八乙女先生お願いします!」

「誰が先生だよ!僕はまだ高校一年生だ!」




あ、思わず突っ込んじゃった・・・まぁ冗談で言ったようだから許してやろう。その証拠にクラス中笑いの渦ですよ。うん、良いクラスだよね。




「まず数学ー」

「はいはーい!薫風くん、ここがわからいー!」

「早速万純くんからの質問か・・・万純くん、今度こそ成績30位以内頑張って。」

「はぁ!?成績20も上げろって!?無理だよぉ~・・・」

「家でも1時でもいいから勉強しろ。ああ、聞いた事があるんだけど、夜より早朝に勉強すると集中力が上がり覚えやすいと聞いたよ。夜は早く寝た方が肌に良いのは知ってるね?寝不足は肌の大敵。・・・だから今日からでも良いから夕飯を早めに取りお風呂に入り気持ち水分を取って寝る事。早寝早起きが理想だね。特に令嬢。僕の言いたい事はわかるよね?」




そう言うと紫音さんはじめクラスの女子が皆頷いていた。うん、お肌の手入れなど美容は令嬢にとって大問題だよね。




「確か肌のゴールデンタイムという時間帯があるようで日付変わる0時~3時の時間帯だと言われてるのは知ってる?その時間帯に深い眠りに入ってないとあまり効果がないと言われてるんだよ。だから遅くても11時にはベッドに入るべきなんだよ。」

「・・・薫風くん、なんでそんなに詳しいの?」

「ん?興味本意で調べた事があるからだよ陽南さん。だから早寝早起きは健康に良いし勉強の効率も良くなるし、なにより美容にも良いんだよ。・・・だから今日から早寝早起きを心掛けてねー。令息たちもだよ。美容云々を気にしない人でも健康には良い事だから、やらないよりやった方が体に良いよ。」





あれー?テスト勉強するはずがウンチクを披露しちゃった。豆知識いらねー。ってかゴールデンタイムについては・・・まぁ多少ごまかしたが思い込みも時には良い結果をもたらすからいーよね?強ち嘘でもないし。



昔は夜10時~がゴールデンタイムだったらしいけど今では更に研究が進んで成長ホルモンやらメラトニンやらが一番多く分泌される時間帯が0時~3時らしく、その時間帯がゴールデンタイムだと解明されたんだよね。・・・こんな話しても変人に思われそうだから流しちゃったけどね。




それから少し勉強して解散した。・・・うん、やはり皆残って勉強してました。全く・・・家で勉強すりゃいいのに。家によっては家庭教師とかいるだろうに。







「薫風・・・」

「あ、ただいま兄さー・・・んむっ!?」




家に帰って早々、流依兄さんに声をかけられ抱き締められ貪るようにチューされました。




ど、どったの兄さん?


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