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高年期[二学期・前編]
それでいいのか猫屋敷っ!
しおりを挟む隣の教室を覗いてみた。・・・うん、ここも屍が沢山・・・カオス。
・・・あ、あれは一条先輩か?あ、天野くんもいる。
「あー!もう!新くん手加減してー!ってかあの一年回収してよー!」
「無理だな。お前たち2年生の対策しなかったのが悪い。」
「爛くーん!ハチマキ頂戴!」
「・・・贔屓はしない。」
「もー皆冷たい・・・あっ!薫風ー!」
「天野先輩・・・」
うん、なんかボロボロですね。始めは立派な格好をしていたんだろうに・・・てか宰相ってことは無敵・・・ヤバイ逃げなきゃ!
「チッ・・・薫風、政美を押さえておくから先に行け。どこかに標的の二人がいるはずだ。」
「わかりました。」
「俺は一条を探して捕まえる。薫風と・・・万純?は標的を頼む。」
「はい!越名万純です!わかりましたー!」
なぜ名前に疑問系がついた?ああ、あまり接する事がなく僕が万純くん呼びしてるからか。
あー天野くん半泣き状態。うぅ・・・仕方ないよね、こーゆうイベントなんだから。可哀想だけど二階堂くんが捕まえとくと言うんだから任せましょ。
「・・・いた!王妃だ。えっと・・・綾瀬先輩だ。」
「あ、美人だね。」
「薫風くんってやっぱり女性が恋愛対象?」
「・・・うーん。好みは、どうだろ?確かに女性は柔らかいし、こう守ってあげたいっていう庇護欲をくすぐられるよね。でも恋愛対象にはならないかな。まぁ美人なら性別関係なく好きだよ。」
「・・・うん、薫風くんってそーゆう奴だよね。想像通りの返答ありがとう。」
「・・・なんだよ。美人は目の保養になるからずっと見ていたいんだよ。見てて飽きないし。」
「うん、わかったよ。・・・じゃあ王妃の腕輪を取りに行こうか。」
「・・・ねぇ万純くん、万純くん最近なんだか僕の扱いが雑になってない?」
「そんな事ないと思うよ。ただ最近はある程度の事なら怒らないってわかったから素をだしてるだけだよ。」
「・・・は?・・・あ、いや、まぁいいけど。始めの頃はずっとニコニコしてただ傍にいたって感じだったんだけどねぇ・・・?」
「始めはね。でも名前呼びし始めた頃からかな。ムードメーカーじゃない僕でも薫風くんなら受け入れてくれると思ったからね。」
「あっそう。・・・まぁ程々に。」
万純くん、ちょっとS入ってませんかね。いや入ってるよね?うーん・・・もうSの人お腹一杯です。まぁ万純くんは同い年ってのもあるし親しみやすいから問題ないだろうけどね。
さて、王妃さまの周りは~・・・何人か騎士さんがいるね。トラップは・・・ん?床に糸が張り巡られてて足場を悪くしてるね。でもこれ、騎士さん達も同じ条件になってない?まぁ王妃に近寄らせなければ良いんだから別にいいのか?
ん?そーいえば克典は?・・・あ、いた。ハチマキがない。リタイヤしたのか。同じく蔵本兄弟も。
「あー薫風だぁ~・・・頑張ったから後で褒美ちょーだーい。」
「お疲れ。あとで飲み物提供してあげるよ。」
「薫風の濃いの欲しい・・・」
「・・・なんの事言ってるんだよ。ま、とりあえず休んでなよ。」
僕の濃いのって・・・下ネタじゃないよな?はぁ、いい加減にして欲しい。
とりあえずどうしようか?普通に踏み潰すか。
・・・ピンッ・・・パンッ・・・ビイィィィィン・・・
うん、しっかり張ってるね。じゃあ・・・
「トランポリンの様に利用して王妃のティアラ取ろうか。」
「トランポリン?・・・ああ、でも足を引っ掻けたら大変だよ?」
「そんなヘマしないから!大丈夫。でも他にトラップあったら厳しいかも。万純くん周りを見張って?」
「わかったよ。」
ではでは王妃さまぁ~?覚悟っ!
・・・結果。騎手さん、何の意味もなかった。僕が軽くピョンピョン飛んでたら釣られて真似し始めて・・・うん、糸が限界を超えてプツンッと切れまして、僕は大丈夫だったが先輩方は着地に失敗して足をグギッと痛め戦闘不能ー。乙です!
それから無防備になった王妃さまの元へ行きました。・・・なんでか見つめられてしまったので素早く腕を掴みニッコリ微笑んで腕輪を回収。えっと?綾瀬先輩も乙でーす。
「あ、や、八乙女くん!でで、デート楽しみにしてますわ!」
「・・・は?」
あーうん、なんか勘違いされた?確かに腕輪やハチマキを大量にとった人に褒美として対象学年の誰か指定して1日好きにできるんだっけ?でもそれは腕輪を着けてる人とデート?するわけじゃなく自由に人を選べるんだよ?だから僕が腕輪とったとしても綾瀬先輩を指定するとは限りませんよー?
「万純くーん・・・って、あ。」
「ごめんー・・・ハチマキ取られた。」
「うん、ごめんよ守ってくれて。よし!そんな万純くんに腕輪を差し上げよう!」
「へっ?あ、いや・・・使い道が・・・」
「じゃあ紫音さんでも先輩でもいいから信頼できる人に譲って。僕は王の腕輪とるから。」
「わ、かった。頑張って。」
「万純くんも休んでなよー。」
よしよし・・・では王様のところへー・・・ん?
「姫ぇ~・・・俺を指名してくれるなら腕輪渡す~。」
「「「おいー!ネコぉー!なに血迷ったぁー?」」」
隣の教室に行こうとした所、あら正に王様って感じの衣装きた猫屋敷先輩が何故か目の前にいた。・・・ん?僕が猫屋敷先輩を指定すれば腕輪くれるって?・・・それ同年代への裏切りじゃ・・・?
「なんでかイベント強制参加させられてー、変な服着せられてーただ座ってればいいって言われたんだけど・・・退屈で。」
「あー・・・」
「姫の名前が聞こえたから出てきたんだ。ねぇ俺の腕輪取ったら終わりだよね。姫にだったらあげるよー。」
「「「「お前どっちの味方だぁー?」」」」
「え、何言ってんの?当たり前じゃん」
「姫?」
「「「違うだろー!!!!」」」
「・・・」
ッブハ!やばい一瞬吹き出しそうになった。猫屋敷先輩ほんとマイペース。なんか騎士さん達が哀れに見えるよ。
でもほんとに面倒くさがってるのを見て、さっき言ったのは本気なんだろうなと理解できた。
「ふっ・・・くく。ネコ先輩、それで良いんですか?」
「姫、笑顔かわいー。」
「「「・・・」」」
「八乙女の笑顔、半端ない。」
「なにあの笑顔!令嬢とは違う可愛さがある!」
「あーうん、ネコの気持ちわかるわー。一度で良いから八乙女とデートしたい。」
「あー!じゃあネコだけ狡くね?自分が王様だからって!狡い!」
あーあー後ろの騎士さん達が猫屋敷先輩を引きずり説教?し始めてしまった・・・あーうん、もうイベント終わらせたいから言葉に甘えようかな。
「ネコ先輩!腕輪ください!そしてネコ先輩を指定する事を誓います!」
「!やったー!」
「「「「えーーーー!!!!!」」」」
おう、さすがの俊敏さ。騎手さんすり抜け僕の傍に。そして嬉々として腕輪を外し僕にくれた。
・・・はい、その時点で風間くんからのアナウンスが流れイベント終了を告げた。
なんか戦略関係なくズルした感じがするんですが・・・
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