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高年期[二学期・前編]
再び作戦会議。
しおりを挟む「とりあえず先輩方の話をまとめますと・・・」
「2年の大半が階段に設置しているバリケードを壊しにかかると。」
「3年と実力者の2年が唯一空いてる階段から攻めてくるってねー。」
「うーん・・・まぁだいたい予想は着いてた事だねぇ~。・・・もっとバリケード強化するしかないのかなぁ?」
「うーん・・・2、3年は強者たちばかりだからねぇ。・・・親衛隊とかは助けてくれないだろうしね。」
「・・・薫風の親衛隊はどうでしょう。味方になってくれるかもしれませんわよ?」
「・・・うーん。」
とりあえず親衛隊は期待しない方がいいだろう。・・・ゲームでは確かヒロインのモブキャラが何人か助けてくれたり自分からハチマキを取ってヒロインに渡してるシーンもあったけど・・・
今はどうだろう?兄さんや猫屋敷先輩とか味方についてくれそうだけど・・・どうだろう?裏切りとかありそう・・・
とりあえず3階の構図はこうだ。
階段・トイレ・音楽室・1ーA・階段・トイレ・1ーB・1ーC・トイレ・階段・1ーD・事務室・トイレ・階段
となっている。・・・階段は4つある。トイレも4つある。そして教室も4つ。・・・ああ、トイレは御貴族様しかいない学校特有です。たかがトイレごときに並んで待つなんて以ての外。学校の配慮で沢山ある。もちろんトイレの中は全て個室で広いです。
そしてルールもあり、バリケードはどの学年も作るそうで、4つの階段のち一つはバリケード設置不可となっている。
・・・もちろん刃物等は使用禁止。当たり前だよね。まぁモップの棒とかは学校にある物なので使用可能です。・・・あ、一応調理室はあるが、そこにある包丁は駄目ですよー。
「机を積み立ててガムテープで固定してバリケードを作って・・・階段に液体流す?」
「かなりエグいよねぇ。手摺に捕まらなきゃ上れないって・・・階段攻略してくる2年生に怪我人多数でそうだねー。」
「・・・いーんじゃない。構わないよ。だってきっと他の学年もやるだろうしー。」
「・・・」
うん、確かに。・・・あとはゲームの知識の他に対策を練るしかないかぁ。
「トイレにある手洗い場にホースを付けて水攻めしましょうか!口元摘まんで勢いよく攻撃できますわ!」
「・・・足元に紐張って転ばせる仕掛けとかー。」
「教室に黒のカーテン付けて部屋真っ暗にして闇討ちするかぁ!うん、楽しそうだ。」
「死なない程度にボコるかー。最近暇してたから丁度良い運動になるわー。」
「一つの教室にボールの敷いて足元悪くしてー」
「我が家の愛馬つれて足蹴りしてもらいましょうか!ふふふ。」
「・・・陽南さん、それはアウトだと思うよ。」
な、なんか凄い事考えてるよ3人。特に克典、ボコっちゃ駄目だよハチマキ取ってよ。
次々と思い付く限りトラップを考えて、それをメモっていく。僕?僕はあまり良い意見がでてこないから傍観。・・・てかこの3人の輪に入りたくない。怖いし。なんか・・・心が黒く染まりそう。なんとなく。
「・・・まぁだいたい意見を出し尽くしましたわね。はぁ・・・私の知識を振り絞りましたわ。」
「振り絞るって・・・はぁ。まぁ良いんじゃない?でも準備の手間等を考慮して多少絞ろう。」
「・・・それは薫風の判断にまかせるよー。それより薫風疲れたー。今日泊まっていいー?」
「あ、僕も泊まりたいなぁ!」
「私も!真菜ちゃんとお話したいですわ!」
「うーん・・・鞍馬、急だけど準備できるかな?」
「勿論でございます。各ご家庭に伝達もできます。」
「ありがとう。じゃあ皆泊まっていきなよ。・・・ならもう少し作戦練ろうか。」
「わかったよ。」
急遽泊まる事になったけど大丈夫か?克典はまだしも万純くんと陽南さんの家は平気なのか?
・・・うん、杞憂に終わったよ。八乙女家は余程信頼を得てるらしく快く承諾してきました。うちの両親はとても優秀らしい。
_________
調理場が賑やかだ。そりゃそうだよね。食事3人+執事さんの分が増えたから。みんなに付いてた執事さんは一端家に帰り主人の荷物、いわゆるお泊まりグッズをまとめて準備してきた。その際、もう夕飯時との事もあり我が家の食事を召し上がるらしい。・・・まぁ主人とは別室で食すんだけどね。一緒に食べればいいものを。
我が家は両親が食卓にいない時は執事や侍女と同じ食卓でご飯をとる。・・・これは僕が幼い頃に我が儘を言った事が発端で、基本貴族の家は別々で食べるのが普通だ。・・・僕は堅っ苦しいのが嫌で無理矢理共の席で食事をしはじめたのだった。親も許してくれて流依兄さんも気にしてない様子だったのでそれが我が家の食事風景になっていた。
食事の後は風呂に入り軽く作戦会議とカードゲームを嗜み用意した部屋に各自入り就寝した。
・・・就寝時、ちょっといざこざがあったけどね。
「いやだよ!兄さん、流依兄さん!今日はそちらで眠っても良いですか!」
「なんだよ薫風ー、いい加減兄離れしたらどーだー?」
「うるさい!克典こそ、部屋は用意したんだからそっちへ行けよ!」
「えーだって淋しいじゃんかー。」
「流依兄さーん!お願い一緒に寝かせて!」
「いいよ。薫風なら大歓迎だよ。」
「流依義兄さんも薫風甘やかしすぎー。そして空気呼んで遠慮してー。」
「いやだー!兄さん!」
「はいはい。克典、あまり薫風にちょっかいをださないでくれ。」
・・・とまぁ、だいたい想像つくかな?万純くんと陽南さん、はちゃんと部屋へと入っていきましたよ。あ、でも陽南さんは真菜の部屋へ行ったから一緒に寝るのかも。
だが克典だけは何故か僕の部屋に来たがるのだ。絶対襲う気満々だろ!無ー理ー!一応風間くんと付き合ってる手前、浮気的な行動はしたくありません。そんな事したらマジ僕ビッチ確定しそうで嫌だわ。
とまぁ僕が考えたのは流依兄さんの部屋に転がる事で回避する事にしたのだ。兄さんの部屋程安全な場所はない!安全区域!
兄さんに了承もらえたし有り難く潜らせてもらいます。・・・ではおやすみー
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