223 / 313
高年期[二学期・前編]
恋人とはなんでしょう・・・
しおりを挟むお昼休みが終わる。結局「恋人」はどーゆうものなのか判らず仕舞いで教室へと帰る。
そして休憩時間。あまり紫音さん達女性に聞かれたくなかったため廊下へと移動する。
「なぁ万純くん・・・恋人って普通は何するの?」
「・・・は?」
おや珍しい。いつもすましてるか愛想笑いを絶やさない万純くんが呆気にとられてる。珍しい顔をみたせいか質問した僕も呆気にとられてしまったよ。
「・・・どうしたんだい急に?・・・あっ!もしかして薫風くん、ついに恋人がっ!?えっ、誰だい誰だい?生徒会長?副会長?あ!それともまさかの鳳くん?」
「・・・なぜ、克典、が、でてく、るんだ、い?・・・ってか、質問、多、すぎ。・・・うぐっ・・・ちょ、ちょっと落ち着こうか?」
あー頭がグラングラン・・・。万純くんが呆気からの覚醒して僕の肩をガッシリ掴み前後に揺さぶってきた。目、目がぁ~・・・
間。
「つまり?風間理事長と期限付きのお付き合いをするって事になったんだね?・・・で?」
「うーん・・・それが、僕は今まで誰とも付き合った事がなくてね。和彦さんは僕の事「恋人」って言うからさ。・・・恋人ってなんだろうって、ね・・・」
「うーん・・・そ、う、だね・・・薫風くんは風間理事長の事はどう思ってるんだい?」
「和彦さん?・・・うーん・・・嫌いでは、ないかな。でも好きかって言われたら・・・どうなんだろう。」
「なんとも微妙な答えだね。でもまぁ名前で呼ぶほど親しいなら気持ち的には問題ないね。・・・まぁ特殊だけど・・・とりあえず彼氏・彼女と恋人との違いはわかる?」
「?」
・・・万純くんいわく、カレカノと恋人は意味合いが違うらしい。
カレカノはいわゆる「お試しの付き合い」的な感じらしい。子供のおままごとの延長線のような、友達の少し上の関係のようなものらしい。
それに対して恋人は「将来の事を考えた付き合い」的な感じらしい。本気の恋愛、いわゆる婚約とも言える。カレカノと違い未来を考え一緒にいて幸せになれるかという、結婚までのカウントダウン期間として付き合う関係らしい・・・
おう・・・恋人、重い、ずっしり重い。想いが重い。これ、どうしよう・・・
あ、もう万純くんにぶっちゃけようか。子鷹狩くんの事も。
「うーん・・・その言い伝え?ってのは本当なの?」
「・・・いやぁ、他所の家の伝統?とかはわからないよ。ただ子鷹狩先輩の執事さんにそう言われた。僕は酒を飲んだらしくその行為自体記憶にないんだけどね。」
「遺言とか?・・・でも、そんな事を言ったら兄弟争いとか、血肉の争いとか起こりそうじゃない?・・・子鷹狩先輩の兄弟はどうだった?」
「え?・・・普通に良くも悪くもなかった気がするけど?別荘にいた時も普通じゃなかった?ゲームも参加してたし。」
「そー、だね。・・・じゃあそれ、出任せじゃない?」
「・・・デマ?」
「そう。執事さんに一杯食わされたんじゃない?主の想い人に意識してもらうための嘘とか。」
「・・・」
目から鱗
そっか・・・そうだよね。今思えば子鷹狩くん、執事さんの言葉聞いて無表情の顔で少し目を見開いてた気がする。そのときは家の機密事情を勝手に執事が他人にバラして驚いてたのかと思ってたけど・・・
そっか。そーだね。おかしいよね。初めて抱いた者としか伴侶にできないとか。しかもその人と結婚しなきゃ家を継げないとか。一夫多妻制なのにおかしな話だよね。もし万が一その人と結婚したとして子供が出来なかったらどうするんだよって話になるよね。うん。
「・・・うん、薫風くんの顔を見る限り、思い当たる節があるみたいだね。」
「・・・うん。恋人云々の前に子鷹狩先輩に事情を聞かないとね・・・」
「う、うん・・・まぁあまり感情的にならないように、ね?」
「ん~何を言ってるんだい万純くん?僕は至って平常心だよ?」
「・・・」
そう、至って平常心。「なんか子鷹狩先輩に悪いことをした気が・・・」なんて言わなくていいんだよ?僕がまんまと口車に乗ってしまっただけのことだからねぇ・・・
タイミングよく休憩が終わり教室へと帰る。
・・・そして放課後になり陽南さんに今日の生徒会の活動について聞いてみる。すると、まだ二学期が始まって間もない為、特に予定はないらしい。
よし、とりあえずいるかいないかわからないが子鷹狩くんの教室へ行く。
確か3ーAだったよね。・・・あー帰宅する人ばかりで人が混み合っている。・・・見つけられるかなぁ?
あ。見つけた。銀髪ツンツン頭だから見つけやすい。
「子鷹狩せんぱーい!」
「ん?この声は薫風か?」
「え!薫風がいるのかっ!」
あ、いらない人も付いてきちゃった・・・
10
お気に入りに追加
3,655
あなたにおすすめの小説

【完結】ぎゅって抱っこして
かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。
でも、頼れる者は誰もいない。
自分で頑張らなきゃ。
本気なら何でもできるはず。
でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)

【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。
白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。
最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。
(同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!)
(勘違いだよな? そうに決まってる!)
気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。
旦那様が多すぎて困っています!? 〜逆ハー異世界ラブコメ〜
ことりとりとん
恋愛
男女比8:1の逆ハーレム異世界に転移してしまった女子大生・大森泉
転移早々旦那さんが6人もできて、しかも魔力無限チートがあると教えられて!?
のんびりまったり暮らしたいのにいつの間にか国を救うハメになりました……
イケメン山盛りの逆ハーです
前半はラブラブまったりの予定。後半で主人公が頑張ります
小説家になろう、カクヨムに転載しています

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。
小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。
そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。
先輩×後輩
攻略キャラ×当て馬キャラ
総受けではありません。
嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。
ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。
だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。
え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。
でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!!
……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。
本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。
こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる