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高年期[二学期・前編]
恋人とはなんでしょう・・・
しおりを挟むお昼休みが終わる。結局「恋人」はどーゆうものなのか判らず仕舞いで教室へと帰る。
そして休憩時間。あまり紫音さん達女性に聞かれたくなかったため廊下へと移動する。
「なぁ万純くん・・・恋人って普通は何するの?」
「・・・は?」
おや珍しい。いつもすましてるか愛想笑いを絶やさない万純くんが呆気にとられてる。珍しい顔をみたせいか質問した僕も呆気にとられてしまったよ。
「・・・どうしたんだい急に?・・・あっ!もしかして薫風くん、ついに恋人がっ!?えっ、誰だい誰だい?生徒会長?副会長?あ!それともまさかの鳳くん?」
「・・・なぜ、克典、が、でてく、るんだ、い?・・・ってか、質問、多、すぎ。・・・うぐっ・・・ちょ、ちょっと落ち着こうか?」
あー頭がグラングラン・・・。万純くんが呆気からの覚醒して僕の肩をガッシリ掴み前後に揺さぶってきた。目、目がぁ~・・・
間。
「つまり?風間理事長と期限付きのお付き合いをするって事になったんだね?・・・で?」
「うーん・・・それが、僕は今まで誰とも付き合った事がなくてね。和彦さんは僕の事「恋人」って言うからさ。・・・恋人ってなんだろうって、ね・・・」
「うーん・・・そ、う、だね・・・薫風くんは風間理事長の事はどう思ってるんだい?」
「和彦さん?・・・うーん・・・嫌いでは、ないかな。でも好きかって言われたら・・・どうなんだろう。」
「なんとも微妙な答えだね。でもまぁ名前で呼ぶほど親しいなら気持ち的には問題ないね。・・・まぁ特殊だけど・・・とりあえず彼氏・彼女と恋人との違いはわかる?」
「?」
・・・万純くんいわく、カレカノと恋人は意味合いが違うらしい。
カレカノはいわゆる「お試しの付き合い」的な感じらしい。子供のおままごとの延長線のような、友達の少し上の関係のようなものらしい。
それに対して恋人は「将来の事を考えた付き合い」的な感じらしい。本気の恋愛、いわゆる婚約とも言える。カレカノと違い未来を考え一緒にいて幸せになれるかという、結婚までのカウントダウン期間として付き合う関係らしい・・・
おう・・・恋人、重い、ずっしり重い。想いが重い。これ、どうしよう・・・
あ、もう万純くんにぶっちゃけようか。子鷹狩くんの事も。
「うーん・・・その言い伝え?ってのは本当なの?」
「・・・いやぁ、他所の家の伝統?とかはわからないよ。ただ子鷹狩先輩の執事さんにそう言われた。僕は酒を飲んだらしくその行為自体記憶にないんだけどね。」
「遺言とか?・・・でも、そんな事を言ったら兄弟争いとか、血肉の争いとか起こりそうじゃない?・・・子鷹狩先輩の兄弟はどうだった?」
「え?・・・普通に良くも悪くもなかった気がするけど?別荘にいた時も普通じゃなかった?ゲームも参加してたし。」
「そー、だね。・・・じゃあそれ、出任せじゃない?」
「・・・デマ?」
「そう。執事さんに一杯食わされたんじゃない?主の想い人に意識してもらうための嘘とか。」
「・・・」
目から鱗
そっか・・・そうだよね。今思えば子鷹狩くん、執事さんの言葉聞いて無表情の顔で少し目を見開いてた気がする。そのときは家の機密事情を勝手に執事が他人にバラして驚いてたのかと思ってたけど・・・
そっか。そーだね。おかしいよね。初めて抱いた者としか伴侶にできないとか。しかもその人と結婚しなきゃ家を継げないとか。一夫多妻制なのにおかしな話だよね。もし万が一その人と結婚したとして子供が出来なかったらどうするんだよって話になるよね。うん。
「・・・うん、薫風くんの顔を見る限り、思い当たる節があるみたいだね。」
「・・・うん。恋人云々の前に子鷹狩先輩に事情を聞かないとね・・・」
「う、うん・・・まぁあまり感情的にならないように、ね?」
「ん~何を言ってるんだい万純くん?僕は至って平常心だよ?」
「・・・」
そう、至って平常心。「なんか子鷹狩先輩に悪いことをした気が・・・」なんて言わなくていいんだよ?僕がまんまと口車に乗ってしまっただけのことだからねぇ・・・
タイミングよく休憩が終わり教室へと帰る。
・・・そして放課後になり陽南さんに今日の生徒会の活動について聞いてみる。すると、まだ二学期が始まって間もない為、特に予定はないらしい。
よし、とりあえずいるかいないかわからないが子鷹狩くんの教室へ行く。
確か3ーAだったよね。・・・あー帰宅する人ばかりで人が混み合っている。・・・見つけられるかなぁ?
あ。見つけた。銀髪ツンツン頭だから見つけやすい。
「子鷹狩せんぱーい!」
「ん?この声は薫風か?」
「え!薫風がいるのかっ!」
あ、いらない人も付いてきちゃった・・・
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