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高年期[夏休み編]
他所の家で勉強会・・・
しおりを挟む「・・・るくん、・・・おるくん!・・・」
・・・ん?声が聞こえる。・・・あ、いつの間にか二度寝しちゃってたか。
「薫風くん。あ、起きた?」
「ん?ああ、おはよう万純くん。」
「おはようじゃないよ!・・・その後ろの人ってまさか?」
「そう、まさかの子鷹狩先輩。」
「・・・あれ?僕たち寝る時、部屋の鍵閉めたよね?」
「うん。それ、僕も思ったの。でも理由聞こうにも、この人一度寝たら起きないんだ。・・・あ、悪いんだけど、こっそり執事さん呼んできてもらえる?多分、居間にいるだろうから。」
「あ、うん。わかった。はぁ~・・・それにしても驚いたよ、薫風くん起こそうとしたら薫風くんの後ろが膨らんでて後ろ髪に銀色が見えたからさぁ~。何事かと思ったよ。」
「それは僕もだから。背中に生暖かい感触があって目を覚ましたら子鷹狩先輩がいたんだからね。」
そう、朝方起きて本当に驚いたんだからね。いつどーやって僕の布団に入ってきたのか全く気づかなかったんだからね。
とりあえず万純くんに執事を呼んでもらうよう言って出ていかせた。子鷹狩くんの威厳を尊重するために追い出したようなもんだよ。あと執事さんに撤収してもらうために。
「爛さーん。朝ですよー。」
「・・・」
「・・・爛さん、起きてください。」
「・・・」
「あ!魚が泳いでますよっ!・・・うっ!」
「っ!?」
ぐえっ!またか。ほんと、抱きつくのは構わないけど起こす時いちいち腕に力を込めないでほしい。締め付けられる身にもなってくれ。
「ぐっ、お、おはようございます。とりあえず・・・腕、緩めて、くれません、か?」
「っ!あ、ああ、いつもすまん。」
「はぁ、謝るなら抱き着かないでください。」
「すまん。起こしてくれて有難うな。」
「いいぇ、んむっ!?」
だーから朝から襲うなよ!不意にやられると身動きとれなくなるんだよ!そして上に来ないでほしい。重いです。
がちゃ。
「おや、これはお邪魔でしたかね。」
「そう思うならもう少し気を使え来栖。」
「いや、助けてください来栖さん。朝食に遅れます。」
「そうですね、これ以上薫風様に迷惑を掛けては申し訳ないですね。爛様、起きてくださいませ。」
「・・・お前の主人はどっちだ。はぁ、まあいい。羽織るものを。」
ナイスタイミング!そして僕に味方してくれた執事・来栖さんに感謝!・・・それにしても子鷹狩先輩、いつも上半身裸で寝るんだね。万純くんもいるんだからちゃんと寝間着に着替えろよ。
「あれ?万純くんは?」
「越名様は先に席に座っております。他の方々もお目覚めで食卓に着いてます。」
「うわぁ~僕たちが最後?はぁ・・・」
「なぁ薫風、今日はどうするんだ?」
「あ~その事なんですが・・・実は僕が呼んだ友人たちは皆まだ課題が終わってないらしく今日は・・・申し訳ないんですが部屋で勉強会をする、予定です。」
「・・・勉強会?」
「すみません・・・他所の別荘でやる事ではないんですけどね、なんか切羽詰まってるらしくて皆でやった方がすぐ終わるってことでして・・・」
「・・・そうか。まぁ好きにすればいい。・・・はは、それにしても我が家に来て勉強する奴がいるなんてな。余程薫風の誘いを断りたくなかったんだな。」
「はは・・・断ってくれてもいいんですがね。気を使わせてしまったみたいです。」
そっかぁ・・・僕の誘いを断り難くて無理してでも誘いに乗ってくれたのかな・・・
とりあえず着替えて居間へと行く。それから食卓へと行き座る。
「おはようございます薫風さん。」
「おはよう紫音さん。すみません遅くなったようで。」
「おはよー薫風!いつもこんな遅いの?」
「天野先輩・・・いえ、起きたのは万純くんと一緒ですよ。ちょっと準備に時間がかかりました。」
みんなに挨拶を済ませ朝食を済ませる。朝はフレンチトーストだった。うん美味しい。
「さて・・・勉強会を始めます。」
「「「はーい」」」
さて、朝食が済み。円卓へと移動する。円卓・・・というか角のない長細い卵形の机に集まって座っている。時計回りに自分、万純くん、陽南さん、麗華さん、紫音さん、流依兄さんがいる。
・・・ん?流依兄さん?
「暇だから僕も講師、手伝ってあげるよ。」
「う、嬉しいけど、だったら僕の隣じゃなく紫音さんあたりの所に座ってくれないの?」
「ん?あぁそれでもいいけど、内容は1年のでしょ?僕でも忘れてる問題もあるかもしれないから基本見学かな。覚えるコツとか教える程度だから気にしないで。」
「そっか。わかった。」
兄さんが見てくれるなら結構早く終わるかもしれないな。
生徒会3人組は森へ。真菜たち女性陣は近くにあるプールへ。みんなそれぞれ遊びに行った。
ペラッ・・・ペラッ・・・
カリカリカリ・・・ペラッ・・・カリカリ・・・
「僕、いなくても良くね?」
「執事さんに頼んで読書でもする?」
「あ、うん!それいいね。」
「か、薫風くん・・・これ、教えてほしいんだけど。」
「ん?わかった・・・あ、これね・・・」
流依兄さんと暇を持て余しながらもちょくちょく質問されては答えていく。執事さんが勧めてくれた本は推理小説のようで結構面白かった。
昼食の時間になった。あと少し残ってるようだが休憩も必要ということで食卓へと移動する。真菜たちも一緒だ。
「兄様たち、いつ終わりそうですか?」
「あと1~2時間あれば終わるよ。」
「そうですか!ではそのあとプールで遊びませんか?」
「いいんじゃないかな。ちょっと筋肉痛だからプールの方が痛みが和らぐよ。」
「僕も良いよー!海も楽しかったけどプールも溺れる心配がないから良いよねー!」
「私も良いですよ。真菜さん、とても可愛らしいんですもの。昨日も楽しかったですわ。」
みんな賛成みたいだね。流依兄さんも静かに頷いてるし。
よーし!あとは皆のやる気で頑張ってもらおう。
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