63 / 101
62
しおりを挟む
……なんだかサンドイッチを持ってきてくれた店員さん……。
リュカさん見すぎな気が……。
少し心にもや、としたものが広がる。
「陽さん?」
「陽?」
ふたりの声にハッとする。
「陽なしたの~?」
「なんでもないよ!食べよう!」
もやもやを払拭するように元気にいただきますをしてりぃくんと分け合う。
「陽これあげる!陽のすきないちご!」
「りぃくん、すきなの食べていいんだよ?」
「僕はね~、チョコバナナ食べたいからいいの!」
僕はだいすきないちごが入ったサンドイッチをもらった。
りぃくんはチョコバナナのサンドイッチを手に取ったかと思うと
「陽ひとくちあげる!はいあ~ってして。」
「え、どうしよう悶え死にそう。」
と差し出してきた。
天使があーんをしてくれている。
人間が受け取ってもいい?大丈夫?
「……また変なこと言ってる、えい。」
受け取るべきか否か迷っていると目の前の天使は躊躇なく僕の口にサンドイッチを押しつけた。
「ぐふぅっ……ん、ぐ、ナッツが、入ってるんだね。
とても、美味しいよ、ありがとうりぃくん。
僕のもひとくちどうぞ。」
口を開けて雛鳥のように待つりぃくんにいちごのサンドイッチをあげる。
「ん!んまぁい!」
膨らんだほっぺを抱えるように手をあててふにゃりと笑うりぃくんにつられて僕も笑ってしまう。
「陽さん、ついていますよ。」
「え?」
目の前にいるリュカさんが、先ほどりぃくんが押しつけたときについてしまったんだろう生クリームをおしぼりで拭いてくれた。
「……っ、ありがとうございます。」
「いいえ。」
口を拭いてくれたときに指先が僕の唇に軽く触れた。
しかもその手でそのまま自分がオーダーしたカボチャとルッコラのタルティーヌを食べ始めてしまった。
なんだかえっちくて顔に熱が集まる。
……想いを自覚した途端こんな調子じゃ聡いリュカさんを困らせてしまう。
変に意識しているのがバレないようにほぼりぃくんと話した。
「ごちそうさまでした!」
「ごちそうさまでした!美味しかったねぇ。」
「うん!」
「それはよかったです。
じゃあ行きましょうか。」
リュカさんが伝票を持ってお会計に向かう。
払うと言ったが私が誘ったのでと財布すら出させてくれなかった。
そもそもこの旅行の間、払おうとしたら既にお会計が終わっていることばかりで僕の財布の中は全然減っていない。
いくつかのお土産とりぃくんへのプレゼント、それとリュカさんへのお礼くらいしか使える場面がなかった。
でも今払うと言ったのはそれだけが原因じゃなくて最初のもやもやが大きくなったからだった。
「カードとレシートのお返しです~。
………あのぉ…もし、よかったら……時間があるとき……連絡ください!」
料理を持ってきてくれたときからリュカさんをずっと見ていたかわいらしい女の子が顔をまっかにしてリュカさんに自分の連絡先を書いたメモを差し出していた。
…………嫌だ、触れないで。
………その人は僕の" "なの。
……………今、何を思った?
恋人でもない僕が止める権利はない。
伸びそうになった腕を抑えて成り行きを見守った。
「お気持ちは嬉しいのですが受け取れません。」
事もなさげに言うからホッと安心した。
「で、でも!本当に暇なときでいいんです!
もらうだけもらってくれませんか?」
「すみません、私は暇なときは皆無ですし、今は大事な人と旅行している最中なんです。
それに、そういうのはすきな人だけにするべきです。
数分前に出て行った男性にも連絡先を渡していたでしょう?」
そう言われてもなお食い下がろうとする彼女に、美味しい朝食でした。とだけ残し僕らを連れてそのお店を出てしまった。
リュカさん見すぎな気が……。
少し心にもや、としたものが広がる。
「陽さん?」
「陽?」
ふたりの声にハッとする。
「陽なしたの~?」
「なんでもないよ!食べよう!」
もやもやを払拭するように元気にいただきますをしてりぃくんと分け合う。
「陽これあげる!陽のすきないちご!」
「りぃくん、すきなの食べていいんだよ?」
「僕はね~、チョコバナナ食べたいからいいの!」
僕はだいすきないちごが入ったサンドイッチをもらった。
りぃくんはチョコバナナのサンドイッチを手に取ったかと思うと
「陽ひとくちあげる!はいあ~ってして。」
「え、どうしよう悶え死にそう。」
と差し出してきた。
天使があーんをしてくれている。
人間が受け取ってもいい?大丈夫?
「……また変なこと言ってる、えい。」
受け取るべきか否か迷っていると目の前の天使は躊躇なく僕の口にサンドイッチを押しつけた。
「ぐふぅっ……ん、ぐ、ナッツが、入ってるんだね。
とても、美味しいよ、ありがとうりぃくん。
僕のもひとくちどうぞ。」
口を開けて雛鳥のように待つりぃくんにいちごのサンドイッチをあげる。
「ん!んまぁい!」
膨らんだほっぺを抱えるように手をあててふにゃりと笑うりぃくんにつられて僕も笑ってしまう。
「陽さん、ついていますよ。」
「え?」
目の前にいるリュカさんが、先ほどりぃくんが押しつけたときについてしまったんだろう生クリームをおしぼりで拭いてくれた。
「……っ、ありがとうございます。」
「いいえ。」
口を拭いてくれたときに指先が僕の唇に軽く触れた。
しかもその手でそのまま自分がオーダーしたカボチャとルッコラのタルティーヌを食べ始めてしまった。
なんだかえっちくて顔に熱が集まる。
……想いを自覚した途端こんな調子じゃ聡いリュカさんを困らせてしまう。
変に意識しているのがバレないようにほぼりぃくんと話した。
「ごちそうさまでした!」
「ごちそうさまでした!美味しかったねぇ。」
「うん!」
「それはよかったです。
じゃあ行きましょうか。」
リュカさんが伝票を持ってお会計に向かう。
払うと言ったが私が誘ったのでと財布すら出させてくれなかった。
そもそもこの旅行の間、払おうとしたら既にお会計が終わっていることばかりで僕の財布の中は全然減っていない。
いくつかのお土産とりぃくんへのプレゼント、それとリュカさんへのお礼くらいしか使える場面がなかった。
でも今払うと言ったのはそれだけが原因じゃなくて最初のもやもやが大きくなったからだった。
「カードとレシートのお返しです~。
………あのぉ…もし、よかったら……時間があるとき……連絡ください!」
料理を持ってきてくれたときからリュカさんをずっと見ていたかわいらしい女の子が顔をまっかにしてリュカさんに自分の連絡先を書いたメモを差し出していた。
…………嫌だ、触れないで。
………その人は僕の" "なの。
……………今、何を思った?
恋人でもない僕が止める権利はない。
伸びそうになった腕を抑えて成り行きを見守った。
「お気持ちは嬉しいのですが受け取れません。」
事もなさげに言うからホッと安心した。
「で、でも!本当に暇なときでいいんです!
もらうだけもらってくれませんか?」
「すみません、私は暇なときは皆無ですし、今は大事な人と旅行している最中なんです。
それに、そういうのはすきな人だけにするべきです。
数分前に出て行った男性にも連絡先を渡していたでしょう?」
そう言われてもなお食い下がろうとする彼女に、美味しい朝食でした。とだけ残し僕らを連れてそのお店を出てしまった。
727
あなたにおすすめの小説
【完結】愛されたかった僕の人生
Kanade
BL
✯オメガバース
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。
今日も《夫》は帰らない。
《夫》には僕以外の『番』がいる。
ねぇ、どうしてなの?
一目惚れだって言ったじゃない。
愛してるって言ってくれたじゃないか。
ねぇ、僕はもう要らないの…?
独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。
欠陥αは運命を追う
豆ちよこ
BL
「宗次さんから番の匂いがします」
従兄弟の番からそう言われたアルファの宝条宗次は、全く心当たりの無いその言葉に微かな期待を抱く。忘れ去られた記憶の中に、自分の求める運命の人がいるかもしれないーー。
けれどその匂いは日に日に薄れていく。早く探し出さないと二度と会えなくなってしまう。匂いが消える時…それは、番の命が尽きる時。
※自己解釈・自己設定有り
※R指定はほぼ無し
※アルファ(攻め)視点
あなたと過ごせた日々は幸せでした
蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。
いい加減観念して結婚してください
彩根梨愛
BL
平凡なオメガが成り行きで決まった婚約解消予定のアルファに結婚を迫られる話
元々ショートショートでしたが、続編を書きましたので短編になりました。
2025/05/05時点でBL18位ありがとうございます。
作者自身驚いていますが、お楽しみ頂き光栄です。
【完結】幼馴染から離れたい。
June
BL
隣に立つのは運命の番なんだ。
βの谷口優希にはαである幼馴染の伊賀崎朔がいる。だが、ある日の出来事をきっかけに、幼馴染以上に大切な存在だったのだと気づいてしまう。
番外編 伊賀崎朔視点もあります。
(12月:改正版)
8/16番外編出しました!!!!!
読んでくださった読者の皆様、たくさんの❤️ありがとうございます😭
1/27 1000❤️ありがとうございます😭
3/6 2000❤️ありがとうございます😭
4/29 3000❤️ありがとうございます😭
8/13 4000❤️ありがとうございます😭
12/10 5000❤️ありがとうございます😭
わたし5は好きな数字です💕
お気に入り登録が500を超えているだと???!嬉しすぎますありがとうございます😭
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる