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取り締まりを受ける側から取り締まる側へ
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泉谷ゆかりは、警察病院で意識を取り戻すも、記憶が全くない。
泉谷ゆかりは、東大在学中に司法試験に合格し、その後すぐ2年間の修習に入り、この春地検特捜部に配属されたばかりなのである。
昔は、修習に入ると給料が出たのであるが、今は借金。借金を抱えながら仕事をこなしているのである。
正直なところ、水商売をしたいぐらいだ。昼間は検事、夜はキャバ嬢になりたい。だけど年齢制限がありできない、お水の世界も大変ね。20歳過ぎればババァ扱いされるのだから。
一応、国家公務員なので兼業禁止になっているけど、もうとてもじゃないけど、それではやっていけないから、都内の実家は総菜屋で内緒のバイトをしている。襲われたのは、その仕事帰りの路上、官舎へ戻ろうと急いでいたところ、襲われてしまったのである。
官舎ではなく、実家から通えば少しは楽になるのに、実家では兄が先頃結婚したばかりで、新婚家庭に舅姑のほかに、小姑まで同居したら、嫁さんが逃げ出してしまうと言われ、渋々、いかりだけが官舎に入ったのである。
ところがだ、実家から官舎へ帰る途中、痴漢に襲われてからが、実家へ帰ることが許されたのだ。怪我の功名?かどうかはわからないが、前世男だった木下からすれば、助かることこの上なしの話だったのだ。
警察病院を退院してからは、しばらく実家で休業をして、それから地検へ通勤することになるのだが、地検の場所は知っているが自分の部屋すらわからない。
法務省は、同期入省の坂部健司をつけてくれたけど、健司って、検事になるために生まれてきたような名前で笑う。
木下は、前世、くららの案内をしたことがあるが、あの時は、ほとんど下心丸出しで世話を焼いたものだ。今度の坂部もゆかりに下心を持っているのだろうか?たいていの男は、下心があるはずだが、この健司は妙に、堅い。
ゆかりの容姿は決して悪くなく、くららほどではないが美人である。ロングの黒髪が印象的なのだが、それをいつもお団子にしてひっ詰めている。
木下は、長い髪をバッサリ切りたいところだが、切るのももったいないと思い、ひっ詰めにせず、ワンレングスのように長いまま流している。
お手入れなどがよくわからないのだ。もっとちゃんと女神様に聞いとけば、良かったと思っている。肌も髪も洗いっぱなしにしている。本来の持ち主のゆかりが見たら、きっと激怒されるだろう。
検事室に入った。やっぱり一番下っ端だから、出入り口に近い末席である。こんな時、くららならお茶を沸かしただろうが、木下は前世男だったので、気がつかない。見た目、カラダが女だけど、中身は男のままなのだ。
「おい、ゆかり!長く休んで出てきたら、お前、男みたいになっているな?」
「?」
そう言われても、中身は本当に男なのだから仕方がない。
「ま、いいわ。記憶を失くしてしまったのだから、男女の意識もないのだろう。ここは実力主義の世界だからな、今の事件は、できるか?」
今の事件ってなに?聞けば、くららが持ち込んだSDカードの疑獄事件だった。丸の内商社が政治家と癒着、敵国への武器になる原料の輸出という外為法違反の事件だった。木下は、すかさず
「できます!やらせてください!」と頭を下げる。
経済事件なら、お手の物。というか、経産省内では、外為法の事件はすでに解決済みだったが、政治家との疑獄事件とは別物の事件である。まだやっていたと思ったよ。正直なところ。
特捜部の中で、誰よりも外為法に詳しいということがすぐにも露見し、ゆかりは一目置かれる存在となる。
疑獄事件はさることながら、経済事件に詳しい検事は手薄なのである。もう女だから、とは誰も言わせない存在になる。有価証券や手形小切手、インサイダーなどの事件は、すべて、ゆかりの担当となる。
でもゆかりは暴力団、とりわけ臓器売買の事件を扱いたいのだが、すぐには無理だ。だって、アジトを知っているというのに。
健司相手に愚痴をこぼすゆかり、仕事帰り、ゆかりは健司を誘い、赤ちょうちんでいっぱいやっている。
健司は相変わらず堅物だが、ゆかりとは赤ちょうちんへよく行く仲にはなったのである。
「泉谷、そのアジトの話、俺に売ってくれない?」
「いやよ。実際、臓器を取り出しているのは、医者よ悪徳医者、アジトを押さえたって、医者を押さえない限り、逃げられるわ。」
「医者の場所も知っているという口調だな?」
「もちろん。」
「頼む。泉谷みたいに得意分野がなくて、苦労している。だから、そのネタ、俺に売ってくれ。」
「ほぉ!面白そうな話をしているな。」
振り向けば、上司の検事正がいた。
あちゃー!なんで、検事正様がいらっしゃるのよ。こんな場末の赤ちょうちんなんかに?
「俺が呼んだんだ。」
悪びれもせず、坂部は言う。
「泉谷はいつまで経っても、ネタを譲ってくれないからだ。巨悪に立ち向かうことを本分としているのに、目的は一緒なのに。」
坂部は涙混じりに訴える。
「わかったわよ。教えりゃいいんでしょ。もう泣かないで。」
グスグスと鼻水をすすり上げながら、「泣いてなどいない。」と怒っている。
ゆかりは、検事正の前で洗いざらい言わされる羽目になる。ただ、前世、自分がやられたとは言わずに。
すぐさま、新宿かぶり町のホストクラブに家宅捜索の手が伸びる。同時に悪徳医者のクリニック、ヤクザの姐さんのアジト、特別捜査部の人数のほとんどをつぎ込んでの大掛かりな捜査である。
中には抵抗する者がいたが、前世合気道3段、剣道3段の腕前のゆかりの前では、赤子同然。
それを見ていた他の検事は、驚いている。
「泉谷って、いつからあんなに強くなった?」
臓器売買の証拠はすぐあがる。誰も木下がネタ元だとは気づいていない。臓器売買の犠牲者となるほとんどは、浮浪者である。死んでも誰も悲しまない。戸籍はあるが、隠していて、身寄りがない者が多い。
ゆかりは直接、ヤクザ組織と対峙できないことだけが心残りであったが、当初の目的は果たせたので、満足している。
打ち上げでは、検事長から金一封が出て、皆、上機嫌で飲み食いしている。
その席上で、突然、坂部からプロポーズをされ、困惑している。他の検事たちは、今日坂部がプロポーズすることを知っていた様子で、皆、ニヤニヤしている。
ゆかりがOKする瞬間を待ち望んでいるようだ。
ゆかりは返事を保留すると、途端に周りの検事たちは、がっかりする様子。ゆかりは、見世物になるなど、御免だから態度を保留にしたのである。男って、本当にバカね。もっと雰囲気のある所で、口説いてくれたら、案外すんなりOKをもらえたものを。
前世、男だった木下だからわかること。でも、その勇気がない。だからみんながいるところで、断わりにくくした上でのプロポーズなのである。
お開きになった後、ゆかりは健司を待つ。お持ち帰りするためである。だって、味見もしないのに、結婚なんてできるわけがないでしょ。
ほどなくして、坂部が出てきたので、さりげなく坂部の腕に手を回す。
「なんで、さっきことわったんだよ。おかげで大恥かいた。」
「だって、今夜、Hします!って宣言するみたいだから、そんなデリカシーのないことイヤだわ。」
「え?それじゃ、いいの?」
坂部の顔がみるみるパァっと明るくなる。
前世、木下としては、Hの経験はあるが、今世のゆかりはどうだろうか?処女なのか?彼氏がいたのかもわからない。だから、味見してみないと、坂部がガッカリするのはイヤだから。
それに女性として、男に抱かれるなんて、初体験でドキドキする。
「ねぇ、ラブホ探す?それとも健司さんのところへ行こうか?」
「もう我慢できなくなったから、ラブホで。」
そういうことで、近場の休憩料金が安いところを探して入る。部屋に入るなり、健司に抱きしめられる。もう本当に健司の股間は爆発寸前かと思えるほど、怒張している。
ゆかりは先にお風呂に入りたがるが、健司はさせてくれない。そのままベッドに押し倒され、衣服をはぎ取られる。
「待って、待って。」
「待たない。記憶を失った君を見た時から、いつかこの日が来ることを待ち望んでいた。やっと念願がかなう。」
「あぁん、だめぇ。」
この声は、禁句である。こんな声を出したら、余計に男は止まらなくなる。
そして、全身を舐めまわされる。
「君も感じてくれているんだね。肌が甘いよ。」
「え?なに?」
確かに感じてはいるけど、肌が甘いなど聞いたことがない。
「感じている女性の肌は甘い、スイカみたいな甘さがある。」
ウソ!今まで、と言っても前世の記憶からしても、そんな甘さを感じたことがないということは……木下の相手の女性は、感じていなかったのか?いや、あの姐さんは感じていた声をよく出していたけど、肌が甘いと感じたことはなかった。オバサンだったからか!?
ホストの客とやっても、嬌声を上げていたが、そのオバサンの肌も甘くなかったような気がする。
足を広げられ、花芽をつまみ上げられ、もう耐え切れなくなって
「早く、頂戴!」と口走ってしまう。
「かわいいよ、ゆかり、愛している。」
そのままズブリと刺され、失神してしまう。
気が付けば、優しい顔をした健司に見つめられていた。
ゆかりは処女だったのである。あまりの痛みに気を失ってしまったが、Hに関して言えば、女として抱かれた方が100倍気持ちいい。
「結婚してくれるね?」
黙って、頷く。
「よっしゃぁっー!」
また、次も黙って抱かれる。そして、その次も。後は、一緒にお風呂に入り、洗いっこしていると、またムクムクと健司さんが大きくなったので、鎮めるためにゆかりが手を伸ばす。
「あ!何を!」
前世男だった経験で、何をすれば男が悦ぶかを知り尽くしている。もう健司もゆかりにメロメロで、結局ホテルに泊まる。
次の日、一緒に出勤して、上司に結婚することを報告する二人。
検事室は大騒ぎとなる。「おめでとう」の声で、朝礼の声がかき消されたのである。
健司は他の男性検事から冷やかされ、小突かれているが照れ臭そうにしている。
男としてではなく、生まれ変わって?女性としての幸せを掴んだゆかりは、あらためて奪衣婆と肉体ブティックの店長こと女神様に感謝するのである。
泉谷ゆかりは、東大在学中に司法試験に合格し、その後すぐ2年間の修習に入り、この春地検特捜部に配属されたばかりなのである。
昔は、修習に入ると給料が出たのであるが、今は借金。借金を抱えながら仕事をこなしているのである。
正直なところ、水商売をしたいぐらいだ。昼間は検事、夜はキャバ嬢になりたい。だけど年齢制限がありできない、お水の世界も大変ね。20歳過ぎればババァ扱いされるのだから。
一応、国家公務員なので兼業禁止になっているけど、もうとてもじゃないけど、それではやっていけないから、都内の実家は総菜屋で内緒のバイトをしている。襲われたのは、その仕事帰りの路上、官舎へ戻ろうと急いでいたところ、襲われてしまったのである。
官舎ではなく、実家から通えば少しは楽になるのに、実家では兄が先頃結婚したばかりで、新婚家庭に舅姑のほかに、小姑まで同居したら、嫁さんが逃げ出してしまうと言われ、渋々、いかりだけが官舎に入ったのである。
ところがだ、実家から官舎へ帰る途中、痴漢に襲われてからが、実家へ帰ることが許されたのだ。怪我の功名?かどうかはわからないが、前世男だった木下からすれば、助かることこの上なしの話だったのだ。
警察病院を退院してからは、しばらく実家で休業をして、それから地検へ通勤することになるのだが、地検の場所は知っているが自分の部屋すらわからない。
法務省は、同期入省の坂部健司をつけてくれたけど、健司って、検事になるために生まれてきたような名前で笑う。
木下は、前世、くららの案内をしたことがあるが、あの時は、ほとんど下心丸出しで世話を焼いたものだ。今度の坂部もゆかりに下心を持っているのだろうか?たいていの男は、下心があるはずだが、この健司は妙に、堅い。
ゆかりの容姿は決して悪くなく、くららほどではないが美人である。ロングの黒髪が印象的なのだが、それをいつもお団子にしてひっ詰めている。
木下は、長い髪をバッサリ切りたいところだが、切るのももったいないと思い、ひっ詰めにせず、ワンレングスのように長いまま流している。
お手入れなどがよくわからないのだ。もっとちゃんと女神様に聞いとけば、良かったと思っている。肌も髪も洗いっぱなしにしている。本来の持ち主のゆかりが見たら、きっと激怒されるだろう。
検事室に入った。やっぱり一番下っ端だから、出入り口に近い末席である。こんな時、くららならお茶を沸かしただろうが、木下は前世男だったので、気がつかない。見た目、カラダが女だけど、中身は男のままなのだ。
「おい、ゆかり!長く休んで出てきたら、お前、男みたいになっているな?」
「?」
そう言われても、中身は本当に男なのだから仕方がない。
「ま、いいわ。記憶を失くしてしまったのだから、男女の意識もないのだろう。ここは実力主義の世界だからな、今の事件は、できるか?」
今の事件ってなに?聞けば、くららが持ち込んだSDカードの疑獄事件だった。丸の内商社が政治家と癒着、敵国への武器になる原料の輸出という外為法違反の事件だった。木下は、すかさず
「できます!やらせてください!」と頭を下げる。
経済事件なら、お手の物。というか、経産省内では、外為法の事件はすでに解決済みだったが、政治家との疑獄事件とは別物の事件である。まだやっていたと思ったよ。正直なところ。
特捜部の中で、誰よりも外為法に詳しいということがすぐにも露見し、ゆかりは一目置かれる存在となる。
疑獄事件はさることながら、経済事件に詳しい検事は手薄なのである。もう女だから、とは誰も言わせない存在になる。有価証券や手形小切手、インサイダーなどの事件は、すべて、ゆかりの担当となる。
でもゆかりは暴力団、とりわけ臓器売買の事件を扱いたいのだが、すぐには無理だ。だって、アジトを知っているというのに。
健司相手に愚痴をこぼすゆかり、仕事帰り、ゆかりは健司を誘い、赤ちょうちんでいっぱいやっている。
健司は相変わらず堅物だが、ゆかりとは赤ちょうちんへよく行く仲にはなったのである。
「泉谷、そのアジトの話、俺に売ってくれない?」
「いやよ。実際、臓器を取り出しているのは、医者よ悪徳医者、アジトを押さえたって、医者を押さえない限り、逃げられるわ。」
「医者の場所も知っているという口調だな?」
「もちろん。」
「頼む。泉谷みたいに得意分野がなくて、苦労している。だから、そのネタ、俺に売ってくれ。」
「ほぉ!面白そうな話をしているな。」
振り向けば、上司の検事正がいた。
あちゃー!なんで、検事正様がいらっしゃるのよ。こんな場末の赤ちょうちんなんかに?
「俺が呼んだんだ。」
悪びれもせず、坂部は言う。
「泉谷はいつまで経っても、ネタを譲ってくれないからだ。巨悪に立ち向かうことを本分としているのに、目的は一緒なのに。」
坂部は涙混じりに訴える。
「わかったわよ。教えりゃいいんでしょ。もう泣かないで。」
グスグスと鼻水をすすり上げながら、「泣いてなどいない。」と怒っている。
ゆかりは、検事正の前で洗いざらい言わされる羽目になる。ただ、前世、自分がやられたとは言わずに。
すぐさま、新宿かぶり町のホストクラブに家宅捜索の手が伸びる。同時に悪徳医者のクリニック、ヤクザの姐さんのアジト、特別捜査部の人数のほとんどをつぎ込んでの大掛かりな捜査である。
中には抵抗する者がいたが、前世合気道3段、剣道3段の腕前のゆかりの前では、赤子同然。
それを見ていた他の検事は、驚いている。
「泉谷って、いつからあんなに強くなった?」
臓器売買の証拠はすぐあがる。誰も木下がネタ元だとは気づいていない。臓器売買の犠牲者となるほとんどは、浮浪者である。死んでも誰も悲しまない。戸籍はあるが、隠していて、身寄りがない者が多い。
ゆかりは直接、ヤクザ組織と対峙できないことだけが心残りであったが、当初の目的は果たせたので、満足している。
打ち上げでは、検事長から金一封が出て、皆、上機嫌で飲み食いしている。
その席上で、突然、坂部からプロポーズをされ、困惑している。他の検事たちは、今日坂部がプロポーズすることを知っていた様子で、皆、ニヤニヤしている。
ゆかりがOKする瞬間を待ち望んでいるようだ。
ゆかりは返事を保留すると、途端に周りの検事たちは、がっかりする様子。ゆかりは、見世物になるなど、御免だから態度を保留にしたのである。男って、本当にバカね。もっと雰囲気のある所で、口説いてくれたら、案外すんなりOKをもらえたものを。
前世、男だった木下だからわかること。でも、その勇気がない。だからみんながいるところで、断わりにくくした上でのプロポーズなのである。
お開きになった後、ゆかりは健司を待つ。お持ち帰りするためである。だって、味見もしないのに、結婚なんてできるわけがないでしょ。
ほどなくして、坂部が出てきたので、さりげなく坂部の腕に手を回す。
「なんで、さっきことわったんだよ。おかげで大恥かいた。」
「だって、今夜、Hします!って宣言するみたいだから、そんなデリカシーのないことイヤだわ。」
「え?それじゃ、いいの?」
坂部の顔がみるみるパァっと明るくなる。
前世、木下としては、Hの経験はあるが、今世のゆかりはどうだろうか?処女なのか?彼氏がいたのかもわからない。だから、味見してみないと、坂部がガッカリするのはイヤだから。
それに女性として、男に抱かれるなんて、初体験でドキドキする。
「ねぇ、ラブホ探す?それとも健司さんのところへ行こうか?」
「もう我慢できなくなったから、ラブホで。」
そういうことで、近場の休憩料金が安いところを探して入る。部屋に入るなり、健司に抱きしめられる。もう本当に健司の股間は爆発寸前かと思えるほど、怒張している。
ゆかりは先にお風呂に入りたがるが、健司はさせてくれない。そのままベッドに押し倒され、衣服をはぎ取られる。
「待って、待って。」
「待たない。記憶を失った君を見た時から、いつかこの日が来ることを待ち望んでいた。やっと念願がかなう。」
「あぁん、だめぇ。」
この声は、禁句である。こんな声を出したら、余計に男は止まらなくなる。
そして、全身を舐めまわされる。
「君も感じてくれているんだね。肌が甘いよ。」
「え?なに?」
確かに感じてはいるけど、肌が甘いなど聞いたことがない。
「感じている女性の肌は甘い、スイカみたいな甘さがある。」
ウソ!今まで、と言っても前世の記憶からしても、そんな甘さを感じたことがないということは……木下の相手の女性は、感じていなかったのか?いや、あの姐さんは感じていた声をよく出していたけど、肌が甘いと感じたことはなかった。オバサンだったからか!?
ホストの客とやっても、嬌声を上げていたが、そのオバサンの肌も甘くなかったような気がする。
足を広げられ、花芽をつまみ上げられ、もう耐え切れなくなって
「早く、頂戴!」と口走ってしまう。
「かわいいよ、ゆかり、愛している。」
そのままズブリと刺され、失神してしまう。
気が付けば、優しい顔をした健司に見つめられていた。
ゆかりは処女だったのである。あまりの痛みに気を失ってしまったが、Hに関して言えば、女として抱かれた方が100倍気持ちいい。
「結婚してくれるね?」
黙って、頷く。
「よっしゃぁっー!」
また、次も黙って抱かれる。そして、その次も。後は、一緒にお風呂に入り、洗いっこしていると、またムクムクと健司さんが大きくなったので、鎮めるためにゆかりが手を伸ばす。
「あ!何を!」
前世男だった経験で、何をすれば男が悦ぶかを知り尽くしている。もう健司もゆかりにメロメロで、結局ホテルに泊まる。
次の日、一緒に出勤して、上司に結婚することを報告する二人。
検事室は大騒ぎとなる。「おめでとう」の声で、朝礼の声がかき消されたのである。
健司は他の男性検事から冷やかされ、小突かれているが照れ臭そうにしている。
男としてではなく、生まれ変わって?女性としての幸せを掴んだゆかりは、あらためて奪衣婆と肉体ブティックの店長こと女神様に感謝するのである。
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