不良が異世界に行ったら騎士達に溺愛され波乱万丈な日々を過ごしてます

茶子ちゃ

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あれからモモと私はたわいも無い話をしながら眠りについた。
モモを抱きしめると恥ずかしそうにしながらも私の懐に頭をうずめた。
なんだろうか、ここまで人に執着する事は無かったのに、モモと出会った時から、彼と人生を共にしたいと本能でそう思った。











「も……も???」


鳥のさえずりと共に私は目覚めた。だが抱きしめていたはずの、愛おしい相手がいない。
どれほど安心して寝てしまっていたのか、昨日は夢も見ず熟睡していたようだ。
何処へ行ってしまったんだろう。

アルベルトはソワソワしながら、ベッドから降りていつもの服に着替えた。











その時の桃太は…。




「はーい!お待たせ、オムライスなぁ!」


活気のいい桃太の声が響く。
ここは一般騎士が集う食堂、規模もそこそこ大きく、騎士の人数も多い。
一般騎士達はモンスター討伐に駆り出されることが多いため、お腹を好かせてここにくる。



ここは、なんと料理長1人でご飯を提供している。

ランベルトさんと言うらしい。ランベルトさんはムッキムキの50歳、身長も190cmもある巨体だ。
重いフライパン持ちすぎて、こんなんなっちゃったのか?ってくらい筋肉がすごい。
性格もすごく気作な、いい人だった。
俺の名前は一般騎士にも知れ渡っていた、異世界人だから毛嫌いされると思ったけど、意外に物珍しさか人気者になってしまった。



「なんだこのトロッと食感うまい!こんな食べ物があったなんて!!!」


オムライスを頼んだ若手の騎士は、桃太の作ったオムライスを1口食べた途端目を輝かせる。
そのままひょいひょいと口に運び込ませ僅か3分で間食したのだった。


「桃!これよろしく頼むぜ!」

「しゃーっす」


ランベルトさんが作った料理もすごく美味いらしく、一般騎士には大人気らしい。
さすがベテランだ。
それにしても人数多いなぁ。
テーブルは騎士達で満員になっていた。さすがにこれは2人だけではキツイような。
提供も遅れそうだしなぁ。


「あ。すまん。桃、魔法つかえねーんだったな!」


ランベルトさんが苦笑いしながら厨房から出て来た。
手には……チンベル????!


「これの前に料理を置いて、鳴らしたら注文した奴の所に料理が移動する」


こ、こんな素晴らしい物があるなんて……。
魔法ってすげぇな。俺も魔法使えたら最高なんだろうな。
いやでも俺、悪知恵だけは働くから悪い事に使いそうだから使えなくて良かったかもな。


「どうした桃?」


考え事をしていると、ランベルトさんが心配そうに顔を伺ってきた。


「あ……すみません、ぼーっとしてました……大丈夫です!使ってみますね」


チンっと音と共にシュバッと目の前の料理が消え遠くに座る騎士の場所へと移動した。


「すげぇ便利っすねコレ……」


あまりの驚きに一瞬言葉を失ってしまった。


「すみません……注文よろしいですか?桃太特製ラブラブアルベルト大好きパスタもらえますでしょうか?」


なんだその料理名……しかもすごく聞き覚えのある声……だ。
メモを取る手を止め顔を上げるとそこには。


「だぁあはあああああ?!!!アル!??」


ビックリしすぎて、ペンを床に落としてしまう。


「どういう事かな?もーも?」


怒っているのか、なんかすごいオーラを身にまとっっている。口は笑っているのに目は笑っていない。


ガヤガヤと一般騎士達が騒ぎ始める。そりゃそうだろう、まさかの聖騎士団団長様が何故か一般騎士の食堂にいるのだから。


俺……殺される?!!!


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