効率厨魔導師、第二の人生で魔導を極める

謙虚なサークル

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5巻

5-3

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「行くよゼフっ! ……ブルーゲイルダブルっ!」

 ミリィのブルーゲイルとタイミングを合わせ、ワシもブルーゲイルを放つ。
 ――二重合成魔導、ブルーゲイルダブル。
 生まれた水竜巻が巻き上がり、残ったガーディアンを吹き飛ばした。

「やった!」
「で、でもまだ来ますっ! いっぱい!」

 ガシャンガシャンと音を立てながら、どんどんガーディアンが集まってくる。
 ティロス廃工場には視界を遮るようなものがほとんどなく、魔物からの視認範囲も広いため、放っておくといくらでも魔物が集まってくるのだ。

「通路に行くぞ。ここでは囲まれてしまう」
「ゼフっち、皆! 私に続いて!」

 レディアを先頭に、ワシらは工場を壁伝いに進んでいく。
 建物と建物の間にある狭い通路でなければすぐに囲まれ、逃げ場もなくなってしまうだろう。

「く……こいつら、めちゃくちゃ硬い……っ!」

 レディアが前方にあらわれたガーディアンと交戦を始める。
 だが、その鋼の装甲に阻まれ苦戦しているようだ。
 ガーディアンは魔法金属でできており、魔導以外ではダメージが通りにくい。
 レディアが吹っ飛ばしたガーディアンに、ワシはグリーンスフィアを打ち込む。
 巨大な魔力球に押しつぶされ、地面に沈むガーディアンを捨て置いて、進む。
 こいつらは硬い上にタフだ。一体ずつ構っているとすぐ囲まれてしまう。

「もうすぐだ。通路まで駆け抜けろ」
「はいっ!」

 全速力で敷地内を駆け抜け、狭い通路の中に飛び込んだ。
 中にいたガーディアン二体を速攻で倒し、安全を確保する。
 駆けこんできた皆は座り込み、ぜぇはぁと荒い息を吐いていた。

「はぁ……はぁ……疲れました……」
「ここの魔物、めっちゃ強いね~」
「ボクたちの攻撃では、びくともしませんね……」

 クロードは自分の剣の刃が欠けていないかを確認し、さやに収めた。

「その分ワシらが頑張るさ」
「そうそうっ! 私とゼフでねっ!」

 ミリィがワシの肩に腕を回してピースサインをする。
 どうでもいいが、腕が短すぎて回し切れていないぞ。
 ともあれ、やっと狩りに集中できる。
 この通路ならば左右を壁で囲まれているし、奇襲を受けることはないだろう。

「で、どうするんだっけ?」
「クロードとレディアがここに魔物を誘い込んで、それをワシとミリィがブルーゲイルダブルで一掃していく。シルシュはワシらへの魔力の回復と、誰かがダメージを負った際のリカバリーだ。最悪の場合は狂獣化して暴れてもらう」
「は、はい。頑張ります!」

 そう言って両手を胸の前で握るシルシュ。
 クロードとレディアもこくりと頷いた。二人とも戦闘準備は完了しているようだ。
 ミリィが皆の顔を見渡し、白い歯を見せて笑う。

「じゃあ、始めましょう!」
「クロード達にはブラックブーツを常時かけておく。できるだけ切らさぬようにするが、そちらでも気をつけてくれ」
「おっけ~」
「わかりました」

 ブラックブーツを念じると、クロードとレディアの身体を風がまとい、その髪がふわりと揺れた。
 これで万全。移動速度が上がったので、簡単に捕まることもあるまい。

「くれぐれも無理はするなよ」
「はいはい、わかってるってば♪ ……んじゃ、行ってくるね~」

 レディアはそう言って親指を立てると、すぐに駆け出してしまった。
 もう姿が見えなくなってしまったぞ。なんか無茶をしそうで心配である。

「ではボクも」

 クロードはレディアと逆方向へと駆ける。周囲をぐるりと回り、辺りのガーディアンを引き連れながら。
 さて、二人が帰ってくる前にアインを呼んでおくとしよう。

「来い、アイン」

 サモンサーバントを念じると、光の中からワシの使い魔アインがあらわれる。
 折りたたんだつばさ仰々ぎょうぎょうしく広げると、ゆっくり目を開けた。
 どうでもいいが、ポーズをとるなポーズを。

「んー……悪くないけど、もうちょいカッコいい登場の仕方を考えないとねぇ……あ、おじい何か用?」
「一応呼んでおいたのだ。必要になるかもしれないからな」
「何よそれーっ! 私だって忙しいんだからね!」

 呼んでもないときには勝手に出てくるくせに、わがままな奴である。
 大量の魔物を相手取る戦闘は、効率はいいがリスクも高く、処理に手間取りすぎると全滅もあり得る。
 万が一のときには神剣アインベルを使うことも考え、アインを待機させておくべきだろう。
 ついでに、アインにはもう一つ役割がある。

「ここの魔物はジェムストーンを落とす。それを拾うのがお前の仕事だ」
「おおっ! いい仕事っ! 了解っ!」

 文句を言っていたアインだったが、ジェムストーンというえさを吊り下げると面白いほど食いついてきた。
 まるで兵隊のように敬礼し、ぴんと背を伸ばすアイン。変わり身早過ぎである。
 それにしても、相変わらずどこから知識を得ているのだろうか……謎だ。

「……来ます」

 シルシュの言葉で、ワシもミリィも戦闘態勢に入る。
 レディアとクロードのどちらかが戻ってきたようだ。
 シルシュが指差す方向へ意識を向けると、地を鳴らす音が聞こえてきた。

《ゼフ君、今から……そちらへ向かいます。ガーディアン六体……くらいです!》

 クロードか。だがあまり余裕はなさそうである。すぐ対応できるよう、ミリィとシルシュが身構えた。
 ちなみにアインはというと、餌を待つ犬のような顔をしている。

「ミリィ、上手く狙えよ!」
「うんっ!」

 すぐにクロードと、その後ろを追うガーディアン数体が見え始めた。
 ガーディアン共の位置はかなりバラけている。
 ワシはミリィの体の動きを注視する。
 ミリィが息を吸い、手に魔力を練り上げていくのに合わせ、ワシもブルーゲイルを念じる。

「ブルーゲイルダブルっ!」

 二重に強化された水竜巻がガーディアンの群れを直撃し、その身体をきりみさせながら宙に吹き飛ばす。
 だがどうやら一体撃ち漏らしたようだ。
 ガシャガシャと落ちてきては消滅していくガーディアンの群れの残骸の中から、一体のガーディアンがすり抜けるようにこちらへと突撃してくる。
 クロードがそれに気づき、向き直ってガーディアンと相対しようとした。
 しかし、これは無用な心配である。

「クロード、構うことはない。そいつをそのまま引き連れて行け」
「ええっ!? 倒さないんですか?」
「次に引き連れて来たときに、まとめて倒したほうが効率的だろう?」
「な、なるほど確かに……」

 納得したクロードにブラックブーツをかけ直し、また魔物を集めに行ってもらう。
 これぞ「列車」の大人数版。列車とは自身をおとりにして魔物をかき集め、ある程度集まったところで一掃する戦法である。
 今回は何本もの列車を走らせることで、魔物の回転率を上げる。大量の魔物が湧くこのティロス廃工場であれば、非常に高い効率で狩りを続けることが可能だろう。

《あとなクロード、数を伝えてくれなくても大丈夫だ。どうせ一撃で倒せなかった分はもう一度引き連れて行ってもらうしな。それと、できるだけ奴らを一箇所に纏めてくれると、魔導で狙いやすくて助かる》
《……善処します》

 この手の狩りは列車役の腕次第だ。クロードには頑張ってもらわねばならない。
 そして二回目、クロードは時々ガーディアン共の攻撃を盾で逸らしながら、前回より多くのガーディアンを一纏めにして引き連れてきた。
 おお、やればできるではないか。

「頑張ってー! クロードーっ!」
「はぁ……はぁ……はいっ!」

 だが相当バテているようだ。ミリィの声援に、息も絶え絶えといった様子で返事をする。
 クロードの努力の甲斐あって、今度はブルーゲイルダブル一撃で、魔物の群れを消し飛ばした。
 アインが落ちてきたジェムストーンを拾いに走る。

「わーいっ! ごはんごはんーっ♪」
「ナイスだクロード」
「えへへ……ありがとうございます」
「ようし、行ってこい!」
「わかりましたっ!」

 クロードにブラックブーツをかけ直して送り出す。
 その様子を見ていたシルシュがぼそりと呟いた。

「私も何だかやりたくなってきました……」

 余程やりたくてウズウズしているのか、尻尾をぱたぱたと振っている。
 これは、あれだ。
 昔、飼っていた犬にモノを放ってやると喜んで取ってきた……

「取ってこい!」
「はわっ!?」

 ミリィの言葉に、シルシュが小さく声を上げる。

「こらミリィ、そういうことは思っていても口に出すもんじゃない」
「うぅ……ゼフさんも同じこと思ったんですね……」

 へこむシルシュをミリィと二人でなぐさめていると、戻ってくるクロードが見えた。
 クロードの引き連れてきた魔物の群れを消し去り、また送り出す。
 そしてバラバラと落ちてくるジェムストーンを、拾い食いしているアイン。
 行儀ぎょうぎが悪いぞ、まったく。
 もうそれを、四回ほど繰り返しただろうか。
 レディアが一度も戻って来ていないことに気づいた。

「レディアさん、遅いですね……」
「そうね……大丈夫だと思うけど……レディアだし」

 シルシュもミリィも気になったようだ。
 クロードはもう何度か戻って来たというのに。
 まさか死んではいないだろうが、囲まれて逃げられなくなった可能性もなきにしもあらず。
 念のため、呼んでみるか。

《レディア、そっちは大丈夫か? あまり時間が経つと、ブラックブーツが切れてしまうぞ》
《おおっ! ごめんねゼフっち~、魔物を集めるのに夢中になっちってさ~。そろそろ戻るよ~》

 あっははと笑いながらレディアが答える。どうやら無事なようだが……今まで集めていた……だと……?
 一体、どれだけの魔物を集めていたのだろうか。
 嫌な予感に冷や汗を流していると、シルシュの耳がぴくんと動く。

「レディアさんが戻ってきます……そ、それにすごく沢山の魔物の匂いも……!」

 シルシュの指差す方を見ると、凄まじいまでの土煙が見えた。
 地鳴りとともに、ガチャガチャと金属の擦れ合う音が聞こえ始める。
 おいおいちょっと待て……何十体いるんだ?
 ……これはマズいな。
 危険すぎる量である。ブルーゲイルダブルでは、とてもではないが削り切れない。
 これは撃ち漏らすと、大惨事になってしまうぞ。

「ここはワシに任せて下がっていろ」
「う、うん……」

 ミリィを下がらせ、アインの手を掴む。

「ミリィ、ワシがミスったらフォローを頼む。シルシュとワシを掴んで、テレポートで飛ぶのだ」
「わ、わかった……!」
「アイン、剣になれ」
「はーい」

 まばゆい光とともに剣の姿となった神剣アインベルを構え、ワシは一歩前に出る。
 レディアの引き連れてきた魔物が全貌を見せ始めた。レディアはひょいひょいと攻撃を避けながらこちらへと近づいてくる。
 こ、これは……五十体はいるぞ。
 しかもレディアの魔物コントロール能力は高く、すべての魔物をブルーゲイルの攻撃範囲内に収めている。
 魔物を集め、できるだけ纏めて連れて来てくれとワシは言った。
 レディアは言葉通りにしただけだ。
 ただ規模がデカすぎる。

「お~い、帰ってきたぞ~」

 しかも楽しそうに手を振っている。
 そういえば、集めるのに夢中になってたとか言っていたな。
 次からはもう少し遠慮してもらおう。
 ともあれ今回はできるだけ安全に……そうだ、アレを使ってみるか。

《レディア、今から目の前に大穴ができるから、それを飛び越えるのだ》
《へ? んと……うん、わかった》

 神剣アインベルを構え、タイムスクエアを念じ、レッドボールとブラックボールを剣に込める。
 さらにもう一度タイムスクエア。
 時間停止中に念じるのはグリーンボール、ブルーボール、ホワイトボール。
 ――五重合成魔導、プラチナムスラッシュ。
 ぴしり、とひび割れるような音とともに白光が辺りを包む。
 足元を払うように描いた剣の軌跡は、ワシの眼前に巨大なれつを作り出していた。
 亀裂の幅はレディアの背丈の二倍ほど。底は見えない。
 予想以上に広くなってしまったが、レディアなら飛び越えられるだろう。

「おおっ♪ ゼフっちすご~い!」

 感嘆かんたんしながら、走る速度を上げて亀裂を問題なく飛び越えるレディア。
 勢い余ってワシの身体にそのままのしかかる。ワシは押し倒されてしまった。

「ったた……いやーごめんね。調子に乗っちゃって……」
「いや、大丈夫だ」
「あっはは、さてどうなったかにゃ~」

 レディアと共に起き上がり、前方を見ると、プラチナムスラッシュで生み出した亀裂にガシャガシャと落ちていくガーディアンたちが見える。
 よし、計画通りだ。
 後は穴に落ちたガーディアンに、魔導を撃ち込むのみ。

「倒してしまうぞ、ミリィ」
「う、うんっ……」

 ――二重合成魔導、ブルーゲイルダブル。
 避ける場もない穴の中、ガーディアンたちは水竜巻に巻き上げられる。
 そして、ジャラジャラと落ちてくるジェムストーン、鉄クズ、それにネジ。
 何度かブルーゲイルダブルを撃ち込むと、ガーディアン共は全滅した。
 完全勝利である。……少々手順は変わってしまったがな。

「お、レベルアップ♪」
「ふむ、ワシもだな」
「私、三つも上がったっぽいですっ!」

 どうやら皆、レベルが上がったようだ。
 くっくっ、大量に倒したときのだいだな。
 ほくそえみながら、自身にスカウトスコープを念じる。


 ゼフ=アインシュタイン
 レベル65
 魔導レベル
  緋: 41/62
  蒼: 44/87
  翠: 46/99
  空: 47/89
  魄: 49/97
 魔力値
  2955/2963


 いい感じに成長できているな。
 やはり北の大陸に来て正解だった。ここは敵が強いが、東の大陸とは比較にならぬほど貰える経験値が高い。
 今のワシくらいの年齢でここまでの高レベル冒険者は滅多にいないぞ……っと、よく考えたらすぐ隣にいるのか。
 ちなみにミリィは現在こんな感じである。


 ミリィ=レイアード
 レベル65
 魔導レベル
  緋: 28/94
  蒼: 58/98
  翠: 29/92
  空: 23/96
  魄: 25/85
 魔力値
  3253/3253


 相変わらずブルーゲイルばかり使っているので、そう系統だけが高い。
 それにしても魔力値がワシよりかなり上だな。
 生まれ持った才能、か。
 とはいえその才能も、使い手がミリィではな……そう思うと、思わずため息が漏れてしまう。

「な、何よ! ため息なんか吐いちゃってさ」
「いいや、何でもないよ」

 ミリィの頭をぽんと撫でて誤魔化す。
 ともあれ用が済んだので、アインを神剣形態から人型へと戻すと、彼女はすぐさま落ちたジェムストーンのもとへと突っ走っていった。

「わーい! ごっはんー♪ レディアありがとーっ!」


「あっはは~。いえいえ、どういたしまして」

 両手いっぱいにジェムストーンを抱えたアインが、レディアに擦り寄っている。
 アインの中でレディアの株が上がっているようだ。現金な奴め。

「レディア、今のは少し多すぎるな。倒し切れないとピンチになってしまう恐れもあるし、次はもう少し控えめで頼む」
「あっははは……ごめんねゼフっち」
「え~っ! もっといっぱい欲しいよ~っ!」

 駄々をこねるな、アイン。
 レディアはレディアでまんざらではないようである。
 まさかまた、大量に連れて来るのではあるまいな。

「言っておくがレディア……」
「わ、わかってるってばぁ~。次は控えめに、ね?」
「ならいいが」

 レディアはちゃんと理解してくれたようで、次からは回転率重視で十体程度引き連れてすぐに戻って来るようになった。
 アインは最初こそぶーたれていたが、それでも倒すたびにドロップされるジェムストーンを拾っていくうちに、機嫌も直ってきた。
 クロードとレディア、二本の列車による魔物の運搬作業はしばらく繰り返され、ワシとミリィはブルーゲイルダブルを撃ち続けたのである。

「そろそろ終わるとしよう」
「わかりました」

 日も暮れてきた。
 ガーディアンを夕方まで大量に倒し続けたことで、ワシらは袋に入り切らないほどのドロップアイテムを獲得していた。
 効果はゴミだが、ガーディアンカードも二枚。これだけのアイテムを売れば三十万ルピにはなるだろう。
 レベルも皆、上昇したようだ。中々いい狩りだったな。

「私、レベル上がったよー♪」
「私は多分六つくらい上がったと思います」

 特にレベルの低いシルシュはかなり上がったらしい。
 ワシも、ミリィと同じくレベルが上がった。
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