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291 外の世界へ④
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《やっほーゼフ、こっちは終わったよー》
《……む、そうか。わかった》
不意に頭の中に響くミリィの声。
気づけばいつの間にか眠っていたようである。
アインは相変わらず嬉々としてアクセサリーや装備を付け替えており、アードライはげっそりした顔でその相手をしていた。
女の買い物は長いからな。
特にアインは合成召喚による着せ替えがすごく気に入っていたし、こうなるであろうことは予想がついていた。
ふぁ~あ……もう夕方近くなっているではないか。
アインの相手をしてくれて、ご苦労様と言ったところか。
《そろそろ帰ろーよ。今どこ居るの?》
《アインの装備を買っていた。もう少ししたら戻るつもりだ》
《あ、私もウルクのを見たいかも!》
《いや、今日は遅いしな。ワシが何か見繕ってきてやるよ》
《ほんと! じゃあ入り口に集合で待ってるからねっ!》
《あぁ》
ミリィとの念話が切れる。
さて、目的のモノを買って、とっとと帰るか。
「戻れアイン」
「えーっまだ見た……」
言い終わらぬうちにアインを戻す。
放っておいたらいつまででもやりそうな勢いだったからな。
アードライがほっとしたような顔をしている。
「で、ではそろそろ……」
「うむ、そのエーギルリングを買わせて貰うぞ」
「毎度ありがとうございます。それでその……ミリィさんの方は……」
「あぁすまん。もう家に帰ったらしい。だがまた来ると言っていたぞ」
「それは……くっ、残念です……」
がっくりと肩を落とすアードライ。
ちょっと可哀想な事をしてしまったかもしれない。
まぁいいか。どうせロリコンだし。
入り口に戻ると、皆が待っていた。
「あーっ、やっと来たわねっ!」
「お疲れ様です、ゼフ君」
「悪い悪い……っと」
見ると、クロードが髪を切っていた。
伸ばしていた髪をバッサリと切り落とし、昔のショートカットに戻している。
「髪……切ったのだな」
「えと、長くしていると戦う時に邪魔になりますから。一人だった頃ならともかく、今は皆と一緒ですからね。迷惑はかけられません」
「そうか、だが少し勿体無かったかもしれないな。似合っていたのに」
「ぁ……ありがとうございます。……落ち着いたらまた、伸ばしてみようかな」
ぼそり、と赤い顔で呟くクロード。
短くなった髪を、照れくさそうに弄っている。
「シルシュも少し切ったのか」
「ええと……あはは、一応……」
と言っても整えただけのようだが。
相変わらず長く伸ばしたままである。
クロードが思い出したように、クスクス笑っている。
「もう、シルシュさんてば髪の毛を切るのをすごく嫌がるんですよ」
「だ、だって落ち着かないじゃないですか……」
「折角綺麗な髪なのですから、手入れをしないともったいないでしょう?」
「うぅ……」
クロードは微笑んでいるが、有無を言わさぬ取った感じである。
恐らく嫌がるシルシュを無理矢理床屋に行かせたのであろう。
流石飼い主。
「手を握ってくださいーって涙目で訴えてくるので大変でした」
「く、クロードさんっ!」
ポカポカとクロードの背中を叩くシルシュ。
微笑ましい光景を眺めていると、背後に気配を感じる。
(誰かに見られている……?)
気配から察するに、どうやらワシに用事があるようである。
敵意は感じない……か、ふむ。
「……悪いが皆、先に帰っていてくれないか」
「どうかしたの?」
「忘れ物をしてしまったのだ。じゃあちょっと行って来る」
そう言って別れ、デパートの近くの路地裏へと入る。
ワシに視線を送っていたのは赤い帽子を被った銀髪の少女、エリスであった。
「やはりエリスだったか。人の後をつけて歩くのはあまり感心しないな。以前もそれで痛い目に遭ったのだろう?」
「…………」
ワシの軽口にもつっかかってこず、真面目な表情で黙ったままのエリス。
今日はただ悪態をつきに来たわけではなさそうだな。
「……外世界へ行くのはおやめなさい」
静かに、だが強い口調でエリスは続ける。
「外世界は魔導師協会の管理が届かない場所……何が起こるかわからない世界なのです。外世界の調査は過去に幾度か行われましたが、帰ってきた者は数えるほどしかいなかった……貴方が考えているよりずっと危険なのですわよっ!」
「まぁ、危険なのは知っているさ」
「真面目にお聞きなさい! あなたの想像しているより、余程恐ろしいところなのですよっ!」
余程ワシに苛立っているのか、エリスの口調はどんどん強くなっていく。
「ゼフ。あなたはお父さまと号奪戦で戦い、五天魔の称号を得たいだけなのでしょう! 天魔祭までの数年、待てばいいではありませんか! 何故そんな危険を冒してまで、外の世界へ行こうというのですっ!」
はぁはぁと荒い息を吐きながら、エリスは真っ直ぐワシを睨みつける。
興奮しているのか、その瞳は少し潤んでいた。
無言のまま答えを待つエリスに、ワシは少し考えんだ後、口を開く。
「……先日、五天魔の連中と共闘したのだ」
「首都を襲った黒い竜の時……ですわね?」
「うむ、ヤツを倒す際に、五天魔の力を借りた」
――――五重合成魔導、プラチナムゼロ。
各系統の魔導の頂点である『ゼロ』。
各々五天魔のそれをワシが無理矢理合成して放った技で黒い竜、ティアマットを撃破したのだ。
だがその破壊力は想像以上に凄まじく、首都プロレアに大穴を開けてしまった。
「あの時、五天魔の力を間近で見て実感したのだ。エリス、お前の父親バートラムは強い。今のワシが勝つのは少々厳しいかもしれない……だから本格的に鍛える必要がある」
「で、でもわざわざ外世界まで行かなくても……」
「まともな方法ではバートラムに勝つのは難しい、そう感じたのだ」
「……だからって非効率すぎますわ……危険です……」
非効率的か……確かに、以前のワシであればリスクを考えそう言って切り捨てていたかもしれん。
だが今は違う。
始めは確かに効率を求め戦っていたが、ミリィや他の皆と出会い、ワシは理解した。
効率は確かに大事だが、それだけでは限界があるという事を。
そしてなにより。
「……楽しいのだ。皆と共に世界を見て回るのは」
そうだ。
前世でのワシは効率のみを突き詰め、修行のみに明け暮れていた。
全てを捨て、かつて共に歩んだ仲間も顧みず、魔導の研究に没頭した日々。
酷いモノだった。
だが時間遡行して出会った仲間。ミリィ、レディア、クロード、セルベリエ、シルシュ……彼女たちはワシに、仲間と共に見る景色の美しさを思い出させてくれた。
せっかくこうして良い仲間に巡り合えたのだ。五天魔の座のみに執着するのは、それこそ非効率的ではないか。
「ですが……」
それでも納得がいかないと言った顔のエリス。
前世で同じギルドに入っていた頃、出て行こうとしたワシに噛みついていた時と同じ表情である。
やれやれ、あの時は何と言ったのだったかな。
思いきり平手打ちを喰らって、長い間口もきいてくれなかったものである。
(……答えは間違えられない、か)
ワシは少し考え込んだ後、エリスの目をまっすぐ見て答えた。
「必ず無事、ここに戻ってくるさ。約束する」
そう言ってエリスの頭をゆっくりと撫でてやると、エリスは目を伏せたまま、小さな声で呟いた。
「……本当に?」
「本当だ。だからエリスは、ワシが帰るまで十分に修行を積んでおくのだな」
エリスはワシの言葉に、俯いたまま頷く。
どうやら平手が飛んでくることはなかったようだ。
一安心である。
やれやれとため息を吐きながらエリスの頭を撫でていると、何やらもぞもぞと口を動かし始めた。
「帰ってきたら……その……私も……」
「ん? どうかしたのか?」
「えと……ぅ……」
問いただすと、逆に声が小さくなっていく。
指をこねくり回しながら、エリスは身体を小刻みに振るわせている。
「な、何でもありませんわっ!」
バチン、と言い音が響き、頬に熱い鋭い痛みが走る。
どうやら思いきり平手打ちを喰らってしまったようだ。
「何処へでも好きに行けばよろしいでしょうっ!」
「……む、当然だ。そもそも何故エリスに許可を得なければならんのだ」
「~~~っ! ばかっ! おばかさんっ! もう知りませんわっ!」
言いたいことを言って、エリスは走り去っていった。
むぅ、また答えを間違えてしまったようだ。アイツも面倒くさい奴である。
やれやれ、エリスとの関係はずっと変わらないのかもしれないな。
ため息を吐きながら、ワシは赤く染まった頬を撫でるのであった。
************************************************
効率厨魔導師、第二の人生で魔導を極める3巻が発売します。
よろしくお願いします。個人的に欲しかった挿絵。
《……む、そうか。わかった》
不意に頭の中に響くミリィの声。
気づけばいつの間にか眠っていたようである。
アインは相変わらず嬉々としてアクセサリーや装備を付け替えており、アードライはげっそりした顔でその相手をしていた。
女の買い物は長いからな。
特にアインは合成召喚による着せ替えがすごく気に入っていたし、こうなるであろうことは予想がついていた。
ふぁ~あ……もう夕方近くなっているではないか。
アインの相手をしてくれて、ご苦労様と言ったところか。
《そろそろ帰ろーよ。今どこ居るの?》
《アインの装備を買っていた。もう少ししたら戻るつもりだ》
《あ、私もウルクのを見たいかも!》
《いや、今日は遅いしな。ワシが何か見繕ってきてやるよ》
《ほんと! じゃあ入り口に集合で待ってるからねっ!》
《あぁ》
ミリィとの念話が切れる。
さて、目的のモノを買って、とっとと帰るか。
「戻れアイン」
「えーっまだ見た……」
言い終わらぬうちにアインを戻す。
放っておいたらいつまででもやりそうな勢いだったからな。
アードライがほっとしたような顔をしている。
「で、ではそろそろ……」
「うむ、そのエーギルリングを買わせて貰うぞ」
「毎度ありがとうございます。それでその……ミリィさんの方は……」
「あぁすまん。もう家に帰ったらしい。だがまた来ると言っていたぞ」
「それは……くっ、残念です……」
がっくりと肩を落とすアードライ。
ちょっと可哀想な事をしてしまったかもしれない。
まぁいいか。どうせロリコンだし。
入り口に戻ると、皆が待っていた。
「あーっ、やっと来たわねっ!」
「お疲れ様です、ゼフ君」
「悪い悪い……っと」
見ると、クロードが髪を切っていた。
伸ばしていた髪をバッサリと切り落とし、昔のショートカットに戻している。
「髪……切ったのだな」
「えと、長くしていると戦う時に邪魔になりますから。一人だった頃ならともかく、今は皆と一緒ですからね。迷惑はかけられません」
「そうか、だが少し勿体無かったかもしれないな。似合っていたのに」
「ぁ……ありがとうございます。……落ち着いたらまた、伸ばしてみようかな」
ぼそり、と赤い顔で呟くクロード。
短くなった髪を、照れくさそうに弄っている。
「シルシュも少し切ったのか」
「ええと……あはは、一応……」
と言っても整えただけのようだが。
相変わらず長く伸ばしたままである。
クロードが思い出したように、クスクス笑っている。
「もう、シルシュさんてば髪の毛を切るのをすごく嫌がるんですよ」
「だ、だって落ち着かないじゃないですか……」
「折角綺麗な髪なのですから、手入れをしないともったいないでしょう?」
「うぅ……」
クロードは微笑んでいるが、有無を言わさぬ取った感じである。
恐らく嫌がるシルシュを無理矢理床屋に行かせたのであろう。
流石飼い主。
「手を握ってくださいーって涙目で訴えてくるので大変でした」
「く、クロードさんっ!」
ポカポカとクロードの背中を叩くシルシュ。
微笑ましい光景を眺めていると、背後に気配を感じる。
(誰かに見られている……?)
気配から察するに、どうやらワシに用事があるようである。
敵意は感じない……か、ふむ。
「……悪いが皆、先に帰っていてくれないか」
「どうかしたの?」
「忘れ物をしてしまったのだ。じゃあちょっと行って来る」
そう言って別れ、デパートの近くの路地裏へと入る。
ワシに視線を送っていたのは赤い帽子を被った銀髪の少女、エリスであった。
「やはりエリスだったか。人の後をつけて歩くのはあまり感心しないな。以前もそれで痛い目に遭ったのだろう?」
「…………」
ワシの軽口にもつっかかってこず、真面目な表情で黙ったままのエリス。
今日はただ悪態をつきに来たわけではなさそうだな。
「……外世界へ行くのはおやめなさい」
静かに、だが強い口調でエリスは続ける。
「外世界は魔導師協会の管理が届かない場所……何が起こるかわからない世界なのです。外世界の調査は過去に幾度か行われましたが、帰ってきた者は数えるほどしかいなかった……貴方が考えているよりずっと危険なのですわよっ!」
「まぁ、危険なのは知っているさ」
「真面目にお聞きなさい! あなたの想像しているより、余程恐ろしいところなのですよっ!」
余程ワシに苛立っているのか、エリスの口調はどんどん強くなっていく。
「ゼフ。あなたはお父さまと号奪戦で戦い、五天魔の称号を得たいだけなのでしょう! 天魔祭までの数年、待てばいいではありませんか! 何故そんな危険を冒してまで、外の世界へ行こうというのですっ!」
はぁはぁと荒い息を吐きながら、エリスは真っ直ぐワシを睨みつける。
興奮しているのか、その瞳は少し潤んでいた。
無言のまま答えを待つエリスに、ワシは少し考えんだ後、口を開く。
「……先日、五天魔の連中と共闘したのだ」
「首都を襲った黒い竜の時……ですわね?」
「うむ、ヤツを倒す際に、五天魔の力を借りた」
――――五重合成魔導、プラチナムゼロ。
各系統の魔導の頂点である『ゼロ』。
各々五天魔のそれをワシが無理矢理合成して放った技で黒い竜、ティアマットを撃破したのだ。
だがその破壊力は想像以上に凄まじく、首都プロレアに大穴を開けてしまった。
「あの時、五天魔の力を間近で見て実感したのだ。エリス、お前の父親バートラムは強い。今のワシが勝つのは少々厳しいかもしれない……だから本格的に鍛える必要がある」
「で、でもわざわざ外世界まで行かなくても……」
「まともな方法ではバートラムに勝つのは難しい、そう感じたのだ」
「……だからって非効率すぎますわ……危険です……」
非効率的か……確かに、以前のワシであればリスクを考えそう言って切り捨てていたかもしれん。
だが今は違う。
始めは確かに効率を求め戦っていたが、ミリィや他の皆と出会い、ワシは理解した。
効率は確かに大事だが、それだけでは限界があるという事を。
そしてなにより。
「……楽しいのだ。皆と共に世界を見て回るのは」
そうだ。
前世でのワシは効率のみを突き詰め、修行のみに明け暮れていた。
全てを捨て、かつて共に歩んだ仲間も顧みず、魔導の研究に没頭した日々。
酷いモノだった。
だが時間遡行して出会った仲間。ミリィ、レディア、クロード、セルベリエ、シルシュ……彼女たちはワシに、仲間と共に見る景色の美しさを思い出させてくれた。
せっかくこうして良い仲間に巡り合えたのだ。五天魔の座のみに執着するのは、それこそ非効率的ではないか。
「ですが……」
それでも納得がいかないと言った顔のエリス。
前世で同じギルドに入っていた頃、出て行こうとしたワシに噛みついていた時と同じ表情である。
やれやれ、あの時は何と言ったのだったかな。
思いきり平手打ちを喰らって、長い間口もきいてくれなかったものである。
(……答えは間違えられない、か)
ワシは少し考え込んだ後、エリスの目をまっすぐ見て答えた。
「必ず無事、ここに戻ってくるさ。約束する」
そう言ってエリスの頭をゆっくりと撫でてやると、エリスは目を伏せたまま、小さな声で呟いた。
「……本当に?」
「本当だ。だからエリスは、ワシが帰るまで十分に修行を積んでおくのだな」
エリスはワシの言葉に、俯いたまま頷く。
どうやら平手が飛んでくることはなかったようだ。
一安心である。
やれやれとため息を吐きながらエリスの頭を撫でていると、何やらもぞもぞと口を動かし始めた。
「帰ってきたら……その……私も……」
「ん? どうかしたのか?」
「えと……ぅ……」
問いただすと、逆に声が小さくなっていく。
指をこねくり回しながら、エリスは身体を小刻みに振るわせている。
「な、何でもありませんわっ!」
バチン、と言い音が響き、頬に熱い鋭い痛みが走る。
どうやら思いきり平手打ちを喰らってしまったようだ。
「何処へでも好きに行けばよろしいでしょうっ!」
「……む、当然だ。そもそも何故エリスに許可を得なければならんのだ」
「~~~っ! ばかっ! おばかさんっ! もう知りませんわっ!」
言いたいことを言って、エリスは走り去っていった。
むぅ、また答えを間違えてしまったようだ。アイツも面倒くさい奴である。
やれやれ、エリスとの関係はずっと変わらないのかもしれないな。
ため息を吐きながら、ワシは赤く染まった頬を撫でるのであった。
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効率厨魔導師、第二の人生で魔導を極める3巻が発売します。
よろしくお願いします。個人的に欲しかった挿絵。
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