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43. 竜の国の王都へ②
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後半、残酷な内容があります。直接の描写はありませんが、苦手な方はご注意ください。
******************
アルディアさんが広場のような場所に着地してから、私達が乗っているものが地面に下された。
「昼食はどこでとりますの?」
「あの白い建物のレストランだ。庶民向けだけど、味は確かだから安心してくれ」
「その辺は気にしないので大丈夫です」
庶民向けのレストランなら、小さい頃にうちの領地で散々使ったもの。
高級料理じゃないと嫌なんて言わないわ。
ティアナさん達とジーク様が降りてから私も降りて、まずはソフィア様達のところに向かった。
すると、ソフィア様が私のところに来てこんなことを聞いてきた。
「フィーナちゃん、酔ったりしてない?」
「大丈夫です」
「良かったわ。私が初めて竜に乗った時はすごく酔ったから心配だったのよ」
「そうでしたのね。私は酔いにくい方なので大丈夫です」
ソフィア様は酔いやすい体質みたい。
今は慣れて竜に乗っても酔わなくなったけど、馬車に乗る時は酔い止めの薬がないとダメなのだとキーファス様が教えてくれた。
レストランに入ると、私達は個室に案内された。
そしてすぐに出来立ての料理が運ばれてきた。
「出来上がるの早くないですか?」
「空を見て俺達がくるタイミングに合わせて作っているからな」
「なるほど、そういうことでしたのね」
そういうカラクリなのだと知って納得する私。
「全員分揃ったことだし、そろそろ食べ始めよう」
「「いただきます」」
そう口にしてから、料理を口に運ぶ私。
高級食材ではないはずなのに柔らかいお肉に驚いたりした。
庶民向けって、もしかして嘘だったのかな……?
そう思ってしまうほど、出された料理は美味しかった。
食べ終えてからそのことを聞いてみたら、新鮮な食材を使っているから、より美味しくなっているのだと教えてくれた。
「おかわりは大丈夫か?」
「はい」
「大丈夫です」
「よし、じゃあ出発しよう」
私達が大丈夫と答えると、キーファス様はそう言って立ち上がった。
「ここから先は休憩できる街が無いのでお手洗いに行っておいてくださいね」
「はい……。行ってきますね」
「私も行くから鞄預かっててね」
「分かった」
本当に休憩する場所がないみたいで、順番にお手洗いを済ませてから出発になった。
レストランを出発してから5時間、アルディアさん達が高度を下げていってそのまま着地した。
今日は野営と聞いていたから驚きはしないけど、魔物がちょっと怖いかも……。
私達が降りるよりも早く、騎士さんの一人が四角い箱を地面に置いていて、そこから大きな円柱と円錐が組み合わさった形のテントが出てきていた。
お屋敷よりは小さいけど、ここにいる全員が寝泊りするのは十分にできると思う。
私達が降りると、キーファス様がアルディアさん達に何かを指示しているのが聞こえてきた。
「食材を狩ってきてくれ」
アルディアさんはその言葉に頷くと、飛んでどこかに行ってしまった。
そして数分で動物を掴んで戻ってきた。
もしかして、あれを夕食にするの……?
「フィーナ、あれは見ない方がいい」
ジーク様の言葉で私の疑問は確信へと変わってしまった。
「テントの準備が出来たみたいだから行こう」
「はい」
ちなみにだけど、今日はジーク様と同じ部屋で寝ることになっている。
出発前に「付き合ってることだし、一緒の部屋にしてもいいか?」と聞かれた時に、反射的に頷いてこうなってしまった。
嫌ではなかったし後悔はしてないけど、間違いが起きないか不安だわ……。
ジーク様とテントの中を一通り案内してもらって私達が使う部屋に来たから、私はあることを口にした。
「着替えはどうすればいいでしょうか……?」
「俺が風呂に隠れるから安心して。裸は見られたくないだろ?」
「はい、ありがとうございます」
お礼を言った直後、外から動物の断末魔の声が聞こえたような気がしたけど、気にしないことにした……。
「フィーナはバーベキューってしたことある?」
「なんですか、それ?」
「もうすぐ分かるよ。今夜はバーベキューだからな」
「分かりましたわ。あの……お手洗いはどこですか?」
ローザニアで開発されたこのテントだけど、確かお手洗いがあるはずだから聞いてみた。
外でお花摘みをするなんて事にならないことを祈りながら……。
「部屋を出て右に進むと出口があるのは分かる?」
「さっき通ったところですよね?」
「ああ。その両側にあるよ」
「ありがとうございます」
ここで寝泊りするのだからこういうことは把握しておかないとね。
場所が分からなくて粗相をしてしまうなんて嫌だもの。
他にもテントについてあれこれ聞いていると、ティアナさんが呼びにきた。
「ジーク様、フィーナ様、夕食の準備が出来ました。外までいらしてください」
「分かった。今行く」
テントの外に出ると、ツヤツヤした生のお肉がテーブルの上に並べられていた。
さっきの動物(多分牛だったと思う)はお肉にされてしまったのね……。
いつも当たり前のようにお肉を食べているのに、なんだか罪悪感を感じる私だった。
******************
日本でも当たり前にされていることを書いてみました。
もし不快に思われる方がいらっしゃったら申し訳ありません。
移動でつまらないと思われる方もいらっしゃると思います。あと2話程ご辛抱いただけると幸いです。
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アルディアさんが広場のような場所に着地してから、私達が乗っているものが地面に下された。
「昼食はどこでとりますの?」
「あの白い建物のレストランだ。庶民向けだけど、味は確かだから安心してくれ」
「その辺は気にしないので大丈夫です」
庶民向けのレストランなら、小さい頃にうちの領地で散々使ったもの。
高級料理じゃないと嫌なんて言わないわ。
ティアナさん達とジーク様が降りてから私も降りて、まずはソフィア様達のところに向かった。
すると、ソフィア様が私のところに来てこんなことを聞いてきた。
「フィーナちゃん、酔ったりしてない?」
「大丈夫です」
「良かったわ。私が初めて竜に乗った時はすごく酔ったから心配だったのよ」
「そうでしたのね。私は酔いにくい方なので大丈夫です」
ソフィア様は酔いやすい体質みたい。
今は慣れて竜に乗っても酔わなくなったけど、馬車に乗る時は酔い止めの薬がないとダメなのだとキーファス様が教えてくれた。
レストランに入ると、私達は個室に案内された。
そしてすぐに出来立ての料理が運ばれてきた。
「出来上がるの早くないですか?」
「空を見て俺達がくるタイミングに合わせて作っているからな」
「なるほど、そういうことでしたのね」
そういうカラクリなのだと知って納得する私。
「全員分揃ったことだし、そろそろ食べ始めよう」
「「いただきます」」
そう口にしてから、料理を口に運ぶ私。
高級食材ではないはずなのに柔らかいお肉に驚いたりした。
庶民向けって、もしかして嘘だったのかな……?
そう思ってしまうほど、出された料理は美味しかった。
食べ終えてからそのことを聞いてみたら、新鮮な食材を使っているから、より美味しくなっているのだと教えてくれた。
「おかわりは大丈夫か?」
「はい」
「大丈夫です」
「よし、じゃあ出発しよう」
私達が大丈夫と答えると、キーファス様はそう言って立ち上がった。
「ここから先は休憩できる街が無いのでお手洗いに行っておいてくださいね」
「はい……。行ってきますね」
「私も行くから鞄預かっててね」
「分かった」
本当に休憩する場所がないみたいで、順番にお手洗いを済ませてから出発になった。
レストランを出発してから5時間、アルディアさん達が高度を下げていってそのまま着地した。
今日は野営と聞いていたから驚きはしないけど、魔物がちょっと怖いかも……。
私達が降りるよりも早く、騎士さんの一人が四角い箱を地面に置いていて、そこから大きな円柱と円錐が組み合わさった形のテントが出てきていた。
お屋敷よりは小さいけど、ここにいる全員が寝泊りするのは十分にできると思う。
私達が降りると、キーファス様がアルディアさん達に何かを指示しているのが聞こえてきた。
「食材を狩ってきてくれ」
アルディアさんはその言葉に頷くと、飛んでどこかに行ってしまった。
そして数分で動物を掴んで戻ってきた。
もしかして、あれを夕食にするの……?
「フィーナ、あれは見ない方がいい」
ジーク様の言葉で私の疑問は確信へと変わってしまった。
「テントの準備が出来たみたいだから行こう」
「はい」
ちなみにだけど、今日はジーク様と同じ部屋で寝ることになっている。
出発前に「付き合ってることだし、一緒の部屋にしてもいいか?」と聞かれた時に、反射的に頷いてこうなってしまった。
嫌ではなかったし後悔はしてないけど、間違いが起きないか不安だわ……。
ジーク様とテントの中を一通り案内してもらって私達が使う部屋に来たから、私はあることを口にした。
「着替えはどうすればいいでしょうか……?」
「俺が風呂に隠れるから安心して。裸は見られたくないだろ?」
「はい、ありがとうございます」
お礼を言った直後、外から動物の断末魔の声が聞こえたような気がしたけど、気にしないことにした……。
「フィーナはバーベキューってしたことある?」
「なんですか、それ?」
「もうすぐ分かるよ。今夜はバーベキューだからな」
「分かりましたわ。あの……お手洗いはどこですか?」
ローザニアで開発されたこのテントだけど、確かお手洗いがあるはずだから聞いてみた。
外でお花摘みをするなんて事にならないことを祈りながら……。
「部屋を出て右に進むと出口があるのは分かる?」
「さっき通ったところですよね?」
「ああ。その両側にあるよ」
「ありがとうございます」
ここで寝泊りするのだからこういうことは把握しておかないとね。
場所が分からなくて粗相をしてしまうなんて嫌だもの。
他にもテントについてあれこれ聞いていると、ティアナさんが呼びにきた。
「ジーク様、フィーナ様、夕食の準備が出来ました。外までいらしてください」
「分かった。今行く」
テントの外に出ると、ツヤツヤした生のお肉がテーブルの上に並べられていた。
さっきの動物(多分牛だったと思う)はお肉にされてしまったのね……。
いつも当たり前のようにお肉を食べているのに、なんだか罪悪感を感じる私だった。
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もし不快に思われる方がいらっしゃったら申し訳ありません。
移動でつまらないと思われる方もいらっしゃると思います。あと2話程ご辛抱いただけると幸いです。
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