ゾクッ⁉︎ ぞんびぃ・ぱにつく 〜アンタらは既に腐ってる〜

されど電波おやぢは妄想を騙る

文字の大きさ
6 / 11
◇第二部◇

第二九話 そして俺も知らない俺の秘密が暴露される?

しおりを挟む
「そうそう、山田さん。を先に伝えておくね」

 寝台横にある丸椅子に再びよじ登って、ちょこんと座る中村さん。
 割と神妙な顔になって、そう話しを切り出してきた。

「……大事なこと?」

 実は深刻な病気を患っている、或いはゾンビ化し始めてるって言うような……そんな話しじゃないよな?

「怪我の処置の最中にちょっと気になることがあってね。退廃前は命を担う仕事に就いていたボクだから、医学の知識もそれなりに覚えがあるんだ。昔取った杵柄ってヤツね? それで山田さんが寝ている間に、下半身からこっそり体液を採取して、ちょっと調べていたんだけど――すっごく濃くってビックリした」

 ハイ。俺の想像の斜め上を遥かに飛び越えて、とんでもないことを言いくさりやがりました、この似非美幼女は!

「こらっ! 人が寝てる間になんてことすんだよっ! しかも何処からなんの体液を採取してんだよっ!」

「当然、血液よ――体液って言うと直ぐそんな卑猥なことに結びつけるんだから……えっち」

 ニヤリと薄ら笑う中村さん。

「言い方っ! 言い方が根本的に誤解を招くっ! 誘導するんじゃねーよ、全くっ! ――ところで。俺の血液に何か問題でも?」

 確信犯かよ……性格の悪い幼女ビッチだな。

「うん。それが――真っ赤っかで健康そのものなの」

 再びニヤリと薄ら笑う中村さん。

「巫山戯んなっ! 大人を揶揄うんじゃねーよっ!」

「揶揄ってないわよ、失敬ね。それにボクも大人だっての。要はね? 全く異常が見当たらないくらい健康そのものってことが問題なのよ」

「――は?」

「細胞の各組織、血中に含まれる色んな成分……まぁ面倒だから難しいことは省くけど、その全てが常人の数倍は活性化してたのよ。簡単に言うと、どんな病気や怪我でもたちどころに治るとか、異常な回復力が見てとれたのよ。……原因は、勿論、不明」

「えーと……それってどう言う?」

「この退廃した世界の異常な環境に、山田さんの身体が適応しつつしていってる……と言えば解り易い?」

「まぢか……」

「実はね、肩の傷も処置する必要がなかったのよ。既に体組織が再生をし始めててね、傷自体が塞がり始めてたから。この人は本当に人間なの? って思ったから、ちょっと調べてみたら――これよ」

「変態って言うのは、痴女とかの蔑む意味での変態とは違う意味でのベクトルでか?」

「存外、過酷な言われようね、ボク。まぁ良いわ。幼女化したボクとはまた違ったベクトル方向性で、徐々に変態してってるって言ってるの」

「意味がイマイチ……」

「もう! 要は元のそのままの姿で肉体……身体強化されてってるの! 漫画チックな響きだけど、超人的回復力を持った人類? そんな感じじゃない? 今のところ筋肉ムッキムキとかの解り易い風に外見には表れてないけど、いずれそうなるかもよ? 最悪、怖い化物になっちゃうかも?」

「俺が? 信じられんのだが?」

「では今からが、山田さんの変態性を理解させてあげよう」

「だからいちいち誤解を誘発するような言い方をするんじゃねーよ……」

「――さて、なんて読む?」

 徐に取り出した林檎印のタブレットに表示されるページを、俺の目と鼻の先で指差す中村さん。

「山田さんはむっつりスケベでDT臭い――って、ちょっとちょっと中村さんっ⁉︎ 美幼女が書いて良いことじゃないでしょっ⁉︎」

「正解。でも大枠では合ってるんでしょ? ――じゃあ……はい、次。この続きも読んでみて」

 かなり遠くにスタスタと離れ、林檎印のタブレットに表示されるページの続きの文章を指差した中村さん。

「全く――えーと。……これがその距離で読める異常性に気付いてくれないかな、山田さん? ――は?」

「そう言うこと。視力も凄く良くなってるのよね。それも遠近感を損なわず、ごく自然にちゃんと切り替えて」

「まじか……それで黒いパンツに着いた茶色い染みにも気づけたのか俺は……」

「――なっ⁉︎ ボ、ボクはそんな染みなんてっ⁉︎ ……付着してなんて――ああああ」

「うひひ、やったね、仕返し成功! ザマァだ」

「ボクとしたことが、なんたる失態っ⁉︎ ――くっ、殺せっ! 生恥を晒すくらいなら――」

「――恥ずかしい染みくらいでオーバーだな? しかも何処の女騎士だよ?」

「ボクは女の子だっ! 流石に恥ずかしいってのっ! ちょっと着替えてくるっ!」

 プンスカ怒りながら部屋を出ていった。

「怒っててもめっさ可愛いな。なんか微妙に癒された――眼福眼福っと。しかし……視力がこんだけ変わってるのに、全く気付かずにいたんだな俺は……」

 しかもこれが身体強化の一端だと?
 冗談みたいな話しだな。
 三つ首や中村さんを見てなければ、信じられなかった話しだよ。

「もしかして……野良ゾンビに楽々対処できてたのって、これの所為だったのか? 一体、いつ頃から変態――違う。変化だ、変化っ! 俺が変化し始めたんだろうな。病気でもそうだけども、本人に自覚がないってのは本当に怖いな……」

 中村さんが着替えて戻ってくるまで、特にすることもなく、ひたすら呆けて天井を眺めていた。
 天井の滲みの一つ一つが、鮮明かつくっきりはっきり見えたので、羊代わりに数えていたり――



 ――――――――――
 退廃した世界に続きはあるのか?
 それは望み薄……。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

さようなら婚約者

あんど もあ
ファンタジー
アンジュは、五年間虐げられた婚約者から婚約破棄を告げられる。翌日、カバン一つを持って五年住んだ婚約者の家を去るアンジュ。一方、婚約者は…。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

妻からの手紙~18年の後悔を添えて~

Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。 妻が死んで18年目の今日。 息子の誕生日。 「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」 息子は…17年前に死んだ。 手紙はもう一通あった。 俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。 ------------------------------

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...