トライアングル

雅人・素直になれ

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しほなに偉そうなことを言ったが、こじらせていたのは俺だった。しほなと電話を切ったあと、俺はそう思った。

会社のパソコンを見つめながら、俺は缶コーヒーを飲んだ。

付き合った当初から、しほなはどこか恋愛に冷めていて、俺と付き合い始めてもそんなに熱量を感じなかった。
俺だけがしほなを好きになっていってるのが悔しくて、最初はヤキモチを妬かたくて、わざとらしく、女の子がLINを入れてきても気にせず画面を常に上にして、それをしほなに気づかせた。

今思うとマジにガキだったけど、悔しくて、そうやってしほなの気持ちを確かめてた。

でも、俺が浮気してると思っていてもしほなは余裕だった。
マジに浮気してやろうと何度も思ったが、しほなの顔がチラついて、最後の一線を越えることができなかった。
それにしほなも離れていく事もなかったから、俺はしほなの想い人に勝っているって自負もあった。

でも辛かった。
そんなに好きなら、何で友達のままで付き合うのか、俺には理解できなかった。

そんな時、彼女と出会った。
久しぶりに会った、元同僚の彼女。
彼女も彼の心が離れていることに悲しんでいた。