トライアングル

五嶋樒榴

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しほな・こじらせ

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『浮気してなんかいないよ。そうやってお前を試してた。それでお前が離れて行ったら、それはそれで仕方ないと思った。女の存在匂わすなんて造作もないだろ』

捨て鉢に雅人は言った。

『もうお互い限界だと思った。俺は限界だった』

雅人の告白に私は何も言い返せない。私の秘めた想いは全て雅人にバレていた。それが雅人を傷つけていた。

『俺は、もう気持ち切り替えた。お前もちゃんと気持ち整理しろよ。いつまでもこじらせてんなよ』

私が黙ったままでいると『じゃあ、元気で』と言って、電話を雅人は切った。

私はスマホをリビングのテーブルに置くと、雅人と別れてから初めて泣いた。
雅人を傷つけた自分が情けなくて。
雅人を疑った自分が情けなくて。
雅人の優しさに甘えていた自分が情けなくて。

「本当、いつまでもこじらせすぎ」

私はずっと泣いた。
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