異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

文字の大きさ
上 下
563 / 759

563限界の先

しおりを挟む
暫くすると、森の方からラッターがトムさんとダニエルさんに向かって走り出してきた。
2人は、自分達に突進してくるラッターを楯でさばいて倒さずに蹴散らせている。
次第にラッターの数が増えて行くが安定したさばき方だ。

『ラッターは集団攻撃を行う魔獣じゃ。
 殺さずにさばいていれば、他のラッターも攻撃に加わってくる。
 全部が出てきた所で一気に叩き潰すつもりじゃろう。
 しかし、あの2人はなかなかやるじゃないか。
 未だ軽くシールドを張っているだけじゃが、昨日の今日で楯を上手く使いこなしておる。』

ラッターが全部で50匹位になっただろうか。
これ以上は、増えないので全て森から出てきたみたいだ。
トムさんとダニエルさんの楯に貼り付けたシールドが徐々に強くなっている。

『2人なら、もっと強いシールドを張れるだろうが、
 楯を動かしながらでは、今はここまでみたいじゃな。』

そのまま、30分以上攻撃をさばき続けて、そろそろ限界だろうと思ったが

「拓、2人の周囲にだけシールドを張れるか。」

ジークさんが聞いてくるので、問題ないと答えると

「なら、未だ行けるな。2人のどちらかが倒れそうになったらシールドを張ってくれ。
 それを合図に、俺達が攻撃を仕掛ける。
 限界になったと思った先が、真の特訓だ。」

正しいのかも知れないが筋肉脳だ。グリムもたいして変わらないか。
次第に2人の動きが鈍くなり、楯を地面に付けた所で俺がシールドで囲むと、土壁からジークさんが飛び出しラッター達を感電させる。
そして、全員でラッターに止めをさしていく。
ニコラスさんとアクセルさんも森から出てきて手伝い始めた。

感電しているだけで生きている大量のラッターを殺すのに躊躇ってしまい、皆には申し訳ないが俺は周囲の探索をさせてもらう。


村人が作業を終え毛皮と魔石を受け取り、ヨーゼフさん達に合流したのだが・・・
ヨーゼフさんの馬車は大勢の人に囲まれて凄い状態になっていた。

「無事に討伐が終ったみたいだな。こっちは、なかなか盛況だ。
 種や苗木の種類を多く用意してあり、価格も抑えてある。
 基本的には同じものを植えるだろうが、他の物も試したいのだろう。」

手伝っていたブルネリ公爵が教えてくれる。
ヨハン王子やブルネリ公爵は植物に関しても詳しいみたいで村人の質問にも問題なく答えている。
サリナ姫は会計を行い、バラン将軍達は売れた物を運んだりしていた。
それでも予定以上に時間が掛かり、村長がヨーゼフさんに自分の家に泊る様に言ってくれていたらしいが
流石に、これだけの人数は押しかけたら迷惑をかける。

「来る途中に、川が流れていたわよね。
 これは、キャンプをするしかないんじゃないかしら。」

サリナ姫の一言で、村長の提案は辞退させてもらい、河原へと移動となった。
サリナ姫のボロが出て、王族や貴族の集団だとばれない内に離れることに全員が賛成していた。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

筋トレ民が魔法だらけの異世界に転移した結果

kuron
ファンタジー
いつもの様にジムでトレーニングに励む主人公。 自身の記録を更新した直後に目の前が真っ白になる、そして気づいた時には異世界転移していた。 魔法の世界で魔力無しチート無し?己の身体(筋肉)を駆使して異世界を生き残れ!

これダメなクラス召喚だわ!物を掌握するチートスキルで自由気ままな異世界旅

聖斗煉
ファンタジー
クラス全体で異世界に呼び出された高校生の主人公が魔王軍と戦うように懇願される。しかし、主人公にはしょっぱい能力しか与えられなかった。ところがである。実は能力は騙されて弱いものと思い込まされていた。ダンジョンに閉じ込められて死にかけたときに、本当は物を掌握するスキルだったことを知るーー。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

神に異世界へ転生させられたので……自由に生きていく

霜月 祈叶 (霜月藍)
ファンタジー
小説漫画アニメではお馴染みの神の失敗で死んだ。 だから異世界で自由に生きていこうと決めた鈴村茉莉。 どう足掻いても異世界のせいかテンプレ発生。ゴブリン、オーク……盗賊。 でも目立ちたくない。目指せフリーダムライフ!

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル 異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった 孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。 5レベルになったら世界が変わりました

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

処理中です...