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546売上金

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そして、これとは別に

「OZが捕えた海賊船が売れた分と押収品に対する支払いだ。
 元海賊船だったので予定より安くなってしまったが、妥当な金額だと思う。」

そう言って渡された袋には白金貨が詰まっていた。
ブルネリ公爵に手数料を支払おうとしたが、断られてしまった。
そして当初から決めていた通り、海賊船の分はレオとアルが、押収品については全員で分けて受け取ったのだが、

「この金は拓に受け取って欲しい。」

アルとレオが俺に海賊船の売り上げを俺に渡す。
2人が何を考えているのか分からずに居ると

「アルと決めていたんだ。
 何時か拓ちゃんに返したいと。」

俺が2人に魔道具を作ったのが、重荷になっていたのだろうか。
こんな大金もらい過ぎかと思うが、何かの機会に皆の為に使えばと思い受け取る事にした。

後、気になるのはトリス練成術師の義手、義足の公演の結果だ。
トリス練成術師は自分の工房の方で寝泊まりしているので、夜に伺ってみると。

「製造依頼を既に200近く受けています。
 ラグテルの町にも私の工房を用意してもらう方向で対応してもらいます。
 こちらの工房の技術者も1人手伝いに来てくれます。」

他にも、興味の持った技術者を受け入れて10名ほどの工房になる予定らしい。
数年は義手、義足専門として活動を行い、落ち着いた所で普通の工房とする。
既に工房の方はブルネリ公爵からニックさんに依頼をしていた。

「改めて拓殿に依頼をしようと思っていたのですが、コアの作成をして頂けないでしょうか。
 出来れば、200個。どうでしょう。」

俺が始めた事だ。勿論、対応させてもらう。
技術を公開しているのに依頼をされてしまうのは、トリス練成術師ブランドが確立しているからだろうか。
ただ、今回の依頼されている義手は5本指だ。
現在作った義手は使い勝手を考えて3本指になっている。
人前に出ることが多いので、5本指の義手に手袋をはめて形だけでも整えたいとの事だった。

「機能ばかり考えて、そういう視点で見ていませんでした。
 そういう方々なら、魔力の扱いも慣れているでしょうから稼動部を増やしても良いかも知れませんね。」

ラグテルの町に居る義手をしている方々には稼動部を増やした5本指タイプの使用訓練をしてもらった方が良さそうだ。
ある程度、構想をまとめて先に戻る俺の方から話を通すことにする。


ナターシャ達の件も有るがブルネリ公爵とバラン将軍が動いているので、俺達は変に動かず連絡を待つことにした。
ラグテルの町に戻ったら果樹園にカレー工場、カレー専門店のオープンが待っている。
他に義手、義足に使うコア、ロダン侯爵領での動く玩具に使うコアと光と水の劇団で使う魔道具、エチゴ屋で売る食器類・・・
思ったより、やる事が多い。
しかし、もう少しすれば俺のやる事は終わる。
そして4本指の件を片付けたら、目指せ早期リタイヤ、優雅な老後生活だ!
見た目は子供だが、中身は親父なので問題無いだろう。
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