異世界遺跡巡り ~ロマンを求めて異世界冒険~

小狸日

文字の大きさ
上 下
545 / 761

545盾の試作品

しおりを挟む
物事というのは、有るレベル以上になると簡単には上手くいかない。
トムさんの防具は新しく作り直したのだが、盾の強化が出来ない。

「浩司、トムさん、もう1度頼む。」

トムさんとアークのダニエルさんが大盾を使っているので、2人に盾の実験に付き合ってもらっている。
2人には浩司の魔法攻撃を新しい盾で防いでいるが、ミスリル盾を厚くした位では浩司の火魔法、朱雀を防ぎきれていない。
力を加減した状態で既に限界になっている。
表面を湾曲させたりして力を流す様にしたりして、既に11個の盾を用意してみたが、どれも微妙だ。

「拓君、これ以上は難しいかもしれないね。
 盾の性能と言うより僕等の使い勝手の差だと思うよ。」

トムさんの言う通りなんだよな。

「そうだな。色々と用意してもらったが、俺達の間でも良い盾が違うしな。」

ダニエルさんの言うとおり、2人がそれぞれ良いと思う盾ですら異なっている。
強度の確認は攻撃を正面から受けてもらったが、実際に使う場合は盾に角度を付けて受け流す様にしていた。
盾に曲面を付けたりしてみたが、2人のスタイルに合わせた形状が一番の様だ。

「そうですね。ミスリルの盾ではこれが限界みたいですね。
 では、一番使い勝手の良い盾に絵を彫り込んで飾りを付けましょうか。」

しかし、浩司が本気で朱雀を放ったら、こんな盾では防ぎきれない。
朱雀はオリジナル・グリムが放ったエクスプロードの形状を変形しただけの同じ魔法。
浩司の攻撃が防げなければ、結果は同じだ。
先ずは、新しい方法を考える必要がある。

実験も終わり、使用しない盾については潰して素材に戻そうとすると

「待ってくれ拓殿。残りを潰してしまうのであれば、売ってくれないか。」

とブルネリ公爵が購入したいと言ってくる。

「別に良いですが、ミスリルで出来ただけの普通の盾ですよ。」

「いや、それは拓殿にとっての話だ。」

加工が難しいミスリルと言えども、盾なら剣や鎧と違い作成しやすいと思うが、それなりに面倒なのだろうか。
売る代わりに盾で使用したより多くミスリルの塊を貰えるようにお願いした。
俺にとってはミスリルは軽量で硬度が有り使い勝手の良い素材だ。
なかなか市場に出て来ないので、ミスリルの量が増えるのであれば本当に助かる。

試作品で飾りが全く無いのも面白くないので、絵の上手い兵士の方に頼んで下絵を書いてもらい鷲や虎、狼などの絵を描かせてもらった。
細かい所まで指示してもらい修正を行ったので、なかなか迫力の有る仕上がりに出来たと思う。
ちなみに、トムさんとダニエルさんのはドラゴンだ。

ここでやるべき事は終わり、OZは一足先にラグテルの町に帰ることにした。
帰る前にブルネリ公爵より支払いが行われた。

警備代/イルミネーションのガラスの馬車と魔道具一式/サリナ姫、ヨハン王子の護衛/ポーション/寒天

サリナ姫とヨハン王子の護衛代として結構な金額が支払われたが、誘拐犯からの救出だ。
ハン王子側のグランザム王国からも出ているらしいが、口止め料を含んだ金額なのだろう。
ポーションについては、ブルネリ公爵に頼まれていた。
ブルネリ公爵側としても準備を行っていたが、周囲が危険な動きをしている為 至急用意しておきたかったそうだ。
寒天も安定して売れているみたいだ。
この他にもバラン将軍の部下の方々からは、お菓子の詰め合わせをもらっている。
別にミスリルの盾の代金としてミスリルの塊を用意してもらっているが未だ入手できていないらしく後日渡してもらえる。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

異世界に転生したら?(改)

まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。 そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。 物語はまさに、その時に起きる! 横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。 そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。 ◇ 5年前の作品の改稿板になります。 少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。 生暖かい目で見て下されば幸いです。

レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)

荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」 俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」 ハーデス 「では……」 俺 「だが断る!」 ハーデス 「むっ、今何と?」 俺 「断ると言ったんだ」 ハーデス 「なぜだ?」 俺 「……俺のレベルだ」 ハーデス 「……は?」 俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」 ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」 俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」 ハーデス 「……正気……なのか?」 俺 「もちろん」 異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。 たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!

異世界転生したので森の中で静かに暮らしたい

ボナペティ鈴木
ファンタジー
異世界に転生することになったが勇者や賢者、チート能力なんて必要ない。 強靭な肉体さえあれば生きていくことができるはず。 ただただ森の中で静かに暮らしていきたい。

称号チートで異世界ハッピーライフ!~お願いしたスキルよりも女神様からもらった称号がチートすぎて無双状態です~

しらかめこう
ファンタジー
「これ、スキルよりも称号の方がチートじゃね?」 病により急死した主人公、突然現れた女神によって異世界へと転生することに?! 女神から様々なスキルを授かったが、それよりも想像以上の効果があったチート称号によって超ハイスピードで強くなっていく。 そして気づいた時にはすでに世界最強になっていた!? そんな主人公の新しい人生が平穏であるはずもなく、行く先々で様々な面倒ごとに巻き込まれてしまう...?! しかし、この世界で出会った友や愛するヒロインたちとの幸せで平穏な生活を手に入れるためにどんな無理難題がやってこようと最強の力で無双する!主人公たちが平穏なハッピーエンドに辿り着くまでの壮大な物語。 異世界転生の王道を行く最強無双劇!!! ときにのんびり!そしてシリアス。楽しい異世界ライフのスタートだ!! 小説家になろう、カクヨム等、各種投稿サイトにて連載中。毎週金・土・日の18時ごろに最新話を投稿予定!!

【幸せスキル】は蜜の味 ハイハイしてたらレベルアップ

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアーリー 不慮な事故で死んでしまった僕は転生することになりました 今度は幸せになってほしいという事でチートな能力を神様から授った まさかの転生という事でチートを駆使して暮らしていきたいと思います ーーーー 間違い召喚3巻発売記念として投稿いたします アーリーは間違い召喚と同じ時期に生まれた作品です 読んでいただけると嬉しいです 23話で一時終了となります

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

【一時完結】スキル調味料は最強⁉︎ 外れスキルと笑われた少年は、スキル調味料で無双します‼︎

アノマロカリス
ファンタジー
調味料…それは、料理の味付けに使う為のスパイスである。 この世界では、10歳の子供達には神殿に行き…神託の儀を受ける義務がある。 ただし、特別な理由があれば、断る事も出来る。 少年テッドが神託の儀を受けると、神から与えられたスキルは【調味料】だった。 更にどんなに料理の練習をしても上達しないという追加の神託も授かったのだ。 そんな話を聞いた周りの子供達からは大爆笑され…一緒に付き添っていた大人達も一緒に笑っていた。 少年テッドには、両親を亡くしていて妹達の面倒を見なければならない。 どんな仕事に着きたくて、頭を下げて頼んでいるのに「調味料には必要ない!」と言って断られる始末。 少年テッドの最後に取った行動は、冒険者になる事だった。 冒険者になってから、薬草採取の仕事をこなしていってったある時、魔物に襲われて咄嗟に調味料を魔物に放った。 すると、意外な効果があり…その後テッドはスキル調味料の可能性に気付く… 果たして、その可能性とは⁉ HOTランキングは、最高は2位でした。 皆様、ありがとうございます.°(ಗдಗ。)°. でも、欲を言えば、1位になりたかった(⌒-⌒; )

処理中です...