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545盾の試作品
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物事というのは、有るレベル以上になると簡単には上手くいかない。
トムさんの防具は新しく作り直したのだが、盾の強化が出来ない。
「浩司、トムさん、もう1度頼む。」
トムさんとアークのダニエルさんが大盾を使っているので、2人に盾の実験に付き合ってもらっている。
2人には浩司の魔法攻撃を新しい盾で防いでいるが、ミスリル盾を厚くした位では浩司の火魔法、朱雀を防ぎきれていない。
力を加減した状態で既に限界になっている。
表面を湾曲させたりして力を流す様にしたりして、既に11個の盾を用意してみたが、どれも微妙だ。
「拓君、これ以上は難しいかもしれないね。
盾の性能と言うより僕等の使い勝手の差だと思うよ。」
トムさんの言う通りなんだよな。
「そうだな。色々と用意してもらったが、俺達の間でも良い盾が違うしな。」
ダニエルさんの言うとおり、2人がそれぞれ良いと思う盾ですら異なっている。
強度の確認は攻撃を正面から受けてもらったが、実際に使う場合は盾に角度を付けて受け流す様にしていた。
盾に曲面を付けたりしてみたが、2人のスタイルに合わせた形状が一番の様だ。
「そうですね。ミスリルの盾ではこれが限界みたいですね。
では、一番使い勝手の良い盾に絵を彫り込んで飾りを付けましょうか。」
しかし、浩司が本気で朱雀を放ったら、こんな盾では防ぎきれない。
朱雀はオリジナル・グリムが放ったエクスプロードの形状を変形しただけの同じ魔法。
浩司の攻撃が防げなければ、結果は同じだ。
先ずは、新しい方法を考える必要がある。
実験も終わり、使用しない盾については潰して素材に戻そうとすると
「待ってくれ拓殿。残りを潰してしまうのであれば、売ってくれないか。」
とブルネリ公爵が購入したいと言ってくる。
「別に良いですが、ミスリルで出来ただけの普通の盾ですよ。」
「いや、それは拓殿にとっての話だ。」
加工が難しいミスリルと言えども、盾なら剣や鎧と違い作成しやすいと思うが、それなりに面倒なのだろうか。
売る代わりに盾で使用したより多くミスリルの塊を貰えるようにお願いした。
俺にとってはミスリルは軽量で硬度が有り使い勝手の良い素材だ。
なかなか市場に出て来ないので、ミスリルの量が増えるのであれば本当に助かる。
試作品で飾りが全く無いのも面白くないので、絵の上手い兵士の方に頼んで下絵を書いてもらい鷲や虎、狼などの絵を描かせてもらった。
細かい所まで指示してもらい修正を行ったので、なかなか迫力の有る仕上がりに出来たと思う。
ちなみに、トムさんとダニエルさんのはドラゴンだ。
ここでやるべき事は終わり、OZは一足先にラグテルの町に帰ることにした。
帰る前にブルネリ公爵より支払いが行われた。
警備代/イルミネーションのガラスの馬車と魔道具一式/サリナ姫、ヨハン王子の護衛/ポーション/寒天
サリナ姫とヨハン王子の護衛代として結構な金額が支払われたが、誘拐犯からの救出だ。
ハン王子側のグランザム王国からも出ているらしいが、口止め料を含んだ金額なのだろう。
ポーションについては、ブルネリ公爵に頼まれていた。
ブルネリ公爵側としても準備を行っていたが、周囲が危険な動きをしている為 至急用意しておきたかったそうだ。
寒天も安定して売れているみたいだ。
この他にもバラン将軍の部下の方々からは、お菓子の詰め合わせをもらっている。
別にミスリルの盾の代金としてミスリルの塊を用意してもらっているが未だ入手できていないらしく後日渡してもらえる。
トムさんの防具は新しく作り直したのだが、盾の強化が出来ない。
「浩司、トムさん、もう1度頼む。」
トムさんとアークのダニエルさんが大盾を使っているので、2人に盾の実験に付き合ってもらっている。
2人には浩司の魔法攻撃を新しい盾で防いでいるが、ミスリル盾を厚くした位では浩司の火魔法、朱雀を防ぎきれていない。
力を加減した状態で既に限界になっている。
表面を湾曲させたりして力を流す様にしたりして、既に11個の盾を用意してみたが、どれも微妙だ。
「拓君、これ以上は難しいかもしれないね。
盾の性能と言うより僕等の使い勝手の差だと思うよ。」
トムさんの言う通りなんだよな。
「そうだな。色々と用意してもらったが、俺達の間でも良い盾が違うしな。」
ダニエルさんの言うとおり、2人がそれぞれ良いと思う盾ですら異なっている。
強度の確認は攻撃を正面から受けてもらったが、実際に使う場合は盾に角度を付けて受け流す様にしていた。
盾に曲面を付けたりしてみたが、2人のスタイルに合わせた形状が一番の様だ。
「そうですね。ミスリルの盾ではこれが限界みたいですね。
では、一番使い勝手の良い盾に絵を彫り込んで飾りを付けましょうか。」
しかし、浩司が本気で朱雀を放ったら、こんな盾では防ぎきれない。
朱雀はオリジナル・グリムが放ったエクスプロードの形状を変形しただけの同じ魔法。
浩司の攻撃が防げなければ、結果は同じだ。
先ずは、新しい方法を考える必要がある。
実験も終わり、使用しない盾については潰して素材に戻そうとすると
「待ってくれ拓殿。残りを潰してしまうのであれば、売ってくれないか。」
とブルネリ公爵が購入したいと言ってくる。
「別に良いですが、ミスリルで出来ただけの普通の盾ですよ。」
「いや、それは拓殿にとっての話だ。」
加工が難しいミスリルと言えども、盾なら剣や鎧と違い作成しやすいと思うが、それなりに面倒なのだろうか。
売る代わりに盾で使用したより多くミスリルの塊を貰えるようにお願いした。
俺にとってはミスリルは軽量で硬度が有り使い勝手の良い素材だ。
なかなか市場に出て来ないので、ミスリルの量が増えるのであれば本当に助かる。
試作品で飾りが全く無いのも面白くないので、絵の上手い兵士の方に頼んで下絵を書いてもらい鷲や虎、狼などの絵を描かせてもらった。
細かい所まで指示してもらい修正を行ったので、なかなか迫力の有る仕上がりに出来たと思う。
ちなみに、トムさんとダニエルさんのはドラゴンだ。
ここでやるべき事は終わり、OZは一足先にラグテルの町に帰ることにした。
帰る前にブルネリ公爵より支払いが行われた。
警備代/イルミネーションのガラスの馬車と魔道具一式/サリナ姫、ヨハン王子の護衛/ポーション/寒天
サリナ姫とヨハン王子の護衛代として結構な金額が支払われたが、誘拐犯からの救出だ。
ハン王子側のグランザム王国からも出ているらしいが、口止め料を含んだ金額なのだろう。
ポーションについては、ブルネリ公爵に頼まれていた。
ブルネリ公爵側としても準備を行っていたが、周囲が危険な動きをしている為 至急用意しておきたかったそうだ。
寒天も安定して売れているみたいだ。
この他にもバラン将軍の部下の方々からは、お菓子の詰め合わせをもらっている。
別にミスリルの盾の代金としてミスリルの塊を用意してもらっているが未だ入手できていないらしく後日渡してもらえる。
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