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418差別

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大人には盗賊達から奪った服を着せ、子供達は毛布に包まってソリに乗っている。
寒さ対策も、食料も何とかなり無事に町に着く事が出来た。
盗賊の報告をする為に俺達も町のギルドに寄ろうとしたのだが

「この町に獣人なんかを入れる訳にはいかない。
 獣人の難民を助けて何の意味があるんだ。ほら、汚れるから向こうへ行け。」

門番に追い出されてしまった。町全体で獣人差別か。
獣人の皆はそのまま町を離れ、俺と浩司だけで中に入った。
ギルドで獣人の村が盗賊に襲われた話を伝えたが、

「襲われたのは獣人だけか。ならば冒険者に勧告だけで良いな。盗賊については、始末しておこう。」

冒険者カードの確認もせず、俺達が退治したことも聞く事も無く話を打ち切られて追い出される様にギルド会館を出ることになった。

「何だよ、あの態度は。腹立つな。」

浩司も怒りを露わにしていた。
その後、食料を調達したかったが、町中に獣人と行動しているのが広まり、ふざけた価格を吹っかけられた。
周りには町の奴等が集まり、無言の圧力を掛けてくる。大人だけでなく子供まで。

「お前等。ふざけんな。」

浩司の魔力が上がるのを感じたので、無理やり連れて町を離れた。

「何で止めるんだよ。あいつ等、おかしいだろうが。」

町を出ても浩司が怒っている。

『浩司、落ち着くんじゃ。』

「俺達が騒ぎを起こしたら後で大変だろ。少し頭を冷やせよ。町に入る目的は達したから問題ない。
 だけど、憂さ晴らしに少し悪戯をしてから皆の所に戻ろうか。」

暗くなるのを待って、気配を消してエアウォークで町に侵入した。
全ての井戸や水源に緑色の塊を放り込み、下水道を修復できない様に徹底的に破壊する。
破壊行為中に住民が起き出してきたが、気配を消した俺達を見つける事は出来なかった。
更に食料貯蔵庫に忍び込み液体を振りかける。

町の外に出ると、

「拓ちゃん、放り込んでいた緑の塊と食料に掛けていた液体は何だ。」
「緑の塊は下痢と嘔吐を引き起こす毒。1週間くらい大変だと思うけど、別に死にはしない。
 春が来るころには毒性は消える。それまでは水は雪を溶かして使えば良いだけだ。
 液体は凄く臭いだけで、毒性は無いよ。」
「下水道を完全に破壊したから、春には汚物の町が出来上がるな。」

『見殺しにしようとしたんじゃ、この程度で済ませた事を感謝してもらっても良いじゃろう。
 儂なら、町を潰しておるわ。』

「そこまでやる気は無いよ。でも、獣人と言うだけで魔獣の恐怖に晒しても良いと言うのなら、自分達が晒されても文句は無いよね。」

最後に町を囲む塀を破壊していく。特に門は徹底的に破壊。がれきの山を築いておく。
思うがままに破壊し気分がすっきりした所で、アイテムボックスに入っている食料を出来る限りソリに乗せて獣人達の後を追った。
町で購入した事にすれば問題ない。
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