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409ヨハン王子

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******(サリナ姫)

「は~っ」
「何度目の溜息ですか。お気持ちは分かりますが、そろそろ舞踏会の準備をしませんと。」

本当に何度目の溜息だろう。侍女のクリスティーヌの言う通り、舞踏会の準備をしないと間に合わなくなる。
今日は、いつもの舞踏会とは違う。私とヨハン王子の婚約お披露目会。
合わせて、ヨハン王子との初対面。
王女として生まれたからには、この日が来るとは思っていたけど・・・
クリスティーヌに急かされて準備が終わりしばらく経つと

「サリナ様、準備はよろしいでしょうか。」

と、バラン将軍がやって来た。そして、後ろに居るのは、

「何で、ハンさんとガゼルスさんが居るのよ。」
「サリナ様、グランザム王国、第3王子ヨハンです。今まで名前を偽って来た事、申し訳ありませんでした。」
「ハンさんがヨハン王子って・・・何故、そんな嘘を。」

困った様なヨハン王子は

「余りにも、私の評価が低かったので、噂ではなく私自身を見て頂くためです。
 ブルネリ公爵には、直ぐに話をさせて頂きましたが初めから気付いていたみたいです。」

そいえば、「チャラチャラして、外で遊び呆けている道楽息子」とか言った気がする。
あれが初対面なんてやり直したい。

「初めて町で私達に話しかけて来たのは、私に接触する為の演技でしたか。」

私の言葉に、慌てたようにヨハン王子が否定する。

「あれは本当に偶然でした。私がサリナ様を姫と知ったのはパレードの時です。
 失礼ながら、送られて来たサリナ様の自画像も見ていませんでした。」

私の所にもヨハン王子の自画像が送られてきていたけど、未だに封も開けていない。

「そうですか。それでは、仕方が無いですね。」

バラン将軍の視線が痛い。多分、私も見ていない事に気付いているみたいね。
断る事も出来ないなら、見た所で仕方がないじゃない。

「分かりましたので、いつもの通りに話して頂けないでしょうか。」

ここには、私の素の状態を知っている人しか居ない。
話しを伺うと、ガゼルスさんは、グランザム王国の将軍だった。
今は一線を退いて、ヨハン王子のお目付け役をしている。

「流石の拓ちゃんも、自分が戦った相手が将軍だと知ったら驚くわね。
 どんな顔をするのか楽しみだわ。」

拓ちゃんを驚かせられると思い、喜んでいると

「サリナ様。失礼ながら、拓殿と浩司殿は私達の事は存じています。
 初めてお会いした時、サリナ様がご本人か確認する為、後を付けていた所を2人に見つかり全てを話しています。」

ガゼルス将軍の言葉に驚かされたのは私の方だった。
ヨハン王子の反応を見ると、彼も知らなかった様だ。

「あの2人、知っていて黙っていたのね。拓ちゃんだけなら分かるけど、浩司さんもか。」
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