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287オープン
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オープン前日の夜、ブルネリ公爵が戻ってきた。
エチゴ屋には朝一で皆で行く事になり、ブルネリ公爵は一般客として紛れ込むらしい。
「自分の領地とはいえ、護衛が居なくて大丈夫ですか。」
「OZと一緒なら大丈夫だろう。充分な護衛だ。」
オープン初日、OZの残りの4人とブルネリ公爵、トリス練成術師、セバスチャン、ルドルフ料理長のメンバーで朝から店に向かう。
店の前には冒険者の長蛇の列
「おい、拓ちゃん。何でこんなに人が集まっているんだ。」
浩司が聞いて来るが、俺だって知らない。列の最後にアルが看板を持って立っていた。
看板には『50名限定、ポーション1本 半額販売!』との文字。
裏には、『本日、午後5時から2度目のポーション半額販売を行います』と書かれている。
客を呼び込む為に、こんな事をやっていたのか。俺達に気が付いたアルが近付いてきた。
「皆来てくれたんだな。店を是非見て行ってくれ。
ブルネリ公爵まで来て頂けるとは、ありがとうございます。」
店が開いてポーションを買いに来た冒険者は1階の道具を買う位で、2階へは誰も上がらない。
孤児院出身の獣人の男の子達も一生懸命働いている。
緊張しているみたいだが、この慌ただしい中で計算も商品の受け渡しも問題なく出来ている。
エチゴさんも後ろに控え、獣人の男の子の働きに満足しているみたいだ。
安心できた所で、俺達は2階へと移動する。
「これは凄い。浩司殿の話は聞いていたが、実際に見ると違うな。」
少し暗い売り場で中央に置かれた机の上に並ぶガラスの食器が天井からの灯りに照らされて光っている。
周囲の棚にはガラスの食器がライトアップされている。
ブルネリ公爵は売り場を眺めた後、棚のグラスを実際に手に取ってみている。
トリス練成術師、セバスチャン、ルドルフ料理長もグラスや食器を手に取り、気に入った物を自分用に購入してくれた。
ブルネリ公爵が事前に購入予約してくれたのを別とすると、初めてのお客様だ。
「ご購入、ありがとうございます。」
3人にお礼を言う。
その内、1階で買い物を終えた女性冒険者が2階に上って来た。
「凄い、何この売り場。ちょっと、皆も来なさいよ。」
女性に言われて、やって来た仲間も売り場を見て驚いるみたいだ。
そして売り場にいるブルネリ公爵に気が付いたが、ブルネリ公爵が口に指を当てると黙ったまま首を何度も縦に頷いている。
他の冒険者も2階に上がってきたので、騒ぎになる前にブルネリ公爵と店を後にした。
「拓、出だしは順調じゃないか。」
「皆、拓ちゃんの食器を欲しがりそうだな。」
ガラとレオが、先程の冒険者の反応をみて喜んでいた。
「掴みは良いけど、値段が高いからな。気楽に買えないよ。」
すると、ルドルフ料理長が
「大丈夫だ。売れない心配より、在庫が足らなくなる心配をした方が良い。」
と断言する。隣でセバスチャンも頷いているが、何を根拠にその言葉が出てくるのか不思議だ。
正直、もう少し価格を下げた方が良い気がする。
まぁ、そこはエチゴさんが適当に対応してくれるだろう。
エチゴ屋には朝一で皆で行く事になり、ブルネリ公爵は一般客として紛れ込むらしい。
「自分の領地とはいえ、護衛が居なくて大丈夫ですか。」
「OZと一緒なら大丈夫だろう。充分な護衛だ。」
オープン初日、OZの残りの4人とブルネリ公爵、トリス練成術師、セバスチャン、ルドルフ料理長のメンバーで朝から店に向かう。
店の前には冒険者の長蛇の列
「おい、拓ちゃん。何でこんなに人が集まっているんだ。」
浩司が聞いて来るが、俺だって知らない。列の最後にアルが看板を持って立っていた。
看板には『50名限定、ポーション1本 半額販売!』との文字。
裏には、『本日、午後5時から2度目のポーション半額販売を行います』と書かれている。
客を呼び込む為に、こんな事をやっていたのか。俺達に気が付いたアルが近付いてきた。
「皆来てくれたんだな。店を是非見て行ってくれ。
ブルネリ公爵まで来て頂けるとは、ありがとうございます。」
店が開いてポーションを買いに来た冒険者は1階の道具を買う位で、2階へは誰も上がらない。
孤児院出身の獣人の男の子達も一生懸命働いている。
緊張しているみたいだが、この慌ただしい中で計算も商品の受け渡しも問題なく出来ている。
エチゴさんも後ろに控え、獣人の男の子の働きに満足しているみたいだ。
安心できた所で、俺達は2階へと移動する。
「これは凄い。浩司殿の話は聞いていたが、実際に見ると違うな。」
少し暗い売り場で中央に置かれた机の上に並ぶガラスの食器が天井からの灯りに照らされて光っている。
周囲の棚にはガラスの食器がライトアップされている。
ブルネリ公爵は売り場を眺めた後、棚のグラスを実際に手に取ってみている。
トリス練成術師、セバスチャン、ルドルフ料理長もグラスや食器を手に取り、気に入った物を自分用に購入してくれた。
ブルネリ公爵が事前に購入予約してくれたのを別とすると、初めてのお客様だ。
「ご購入、ありがとうございます。」
3人にお礼を言う。
その内、1階で買い物を終えた女性冒険者が2階に上って来た。
「凄い、何この売り場。ちょっと、皆も来なさいよ。」
女性に言われて、やって来た仲間も売り場を見て驚いるみたいだ。
そして売り場にいるブルネリ公爵に気が付いたが、ブルネリ公爵が口に指を当てると黙ったまま首を何度も縦に頷いている。
他の冒険者も2階に上がってきたので、騒ぎになる前にブルネリ公爵と店を後にした。
「拓、出だしは順調じゃないか。」
「皆、拓ちゃんの食器を欲しがりそうだな。」
ガラとレオが、先程の冒険者の反応をみて喜んでいた。
「掴みは良いけど、値段が高いからな。気楽に買えないよ。」
すると、ルドルフ料理長が
「大丈夫だ。売れない心配より、在庫が足らなくなる心配をした方が良い。」
と断言する。隣でセバスチャンも頷いているが、何を根拠にその言葉が出てくるのか不思議だ。
正直、もう少し価格を下げた方が良い気がする。
まぁ、そこはエチゴさんが適当に対応してくれるだろう。
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