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197報告書
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船に乗る前に、皆にガラスでコーティングされたメダルを渡した。
表に無人島の絵と上陸した日付、裏には地図とメンバー全員の名前が書いてある。
「この遺跡に来た記念。勿論、遺跡で見つけた金属で作ってあるよ。」
皆、喜んでくれているが、アルが一番かな。
以前に行った山脈の記念メダルと並べて嬉しそうに眺めている。
「おっ、今回はヤマトの名前も入ってるのか。何か良いな、こういうの。」
この島でヤマトと仲間になった記念に、その名前も刻んでおいた。
船は何の障害も無く港に向かって進んでいく。
俺と浩司は、昨日の召喚魔法で魔力を使い切り、体の怠さが抜けず甲板で寛がせてもらっている。
「拓さん、休まれている所良いですか。」
「ポトリ教授、どうかされましたか。」
「良ければ、私がまとめた報告書に目を通してもらえないかしら。」
そう言って、渡された報告書に目を通して行く。
遺跡の詳細な構造、モニターに映った映像、魔力を吸収する装置について以外に、ヤマトについても記述されていた。
Aランクの魔獣が復活し遺跡の破壊を行った後、攻撃をしてきたが止めを刺す前に我々への興味を失ったとの事。
この辺は、バラン将軍の報告を記述したらしい。
あの遺跡で見た震災の映像…
ポトリ教授はガイアの門が開いた後に訪れた大いなる災いだと見ている。
魔力を吸収する装置は魔獣から身を守る物だったと推測していた。
この島では、力の強い魔獣がいない為、魔力が無い方が身を守り易いと考えての事だった。
俺も、あの映像は大いなる災いだと考えていた。
しかし、俺達は島が大陸と地続きだった事を知っている。
そして、昔は大森林の存在は無く、人間が生活していた事も知っている。
魔力を吸収する装置は大いなる災いから守る為の物と考えた方が納得できる。
遺跡が、魔力を吸収する装置で守られたと言うなら、大いなる災いの原因は魔力を使った破壊兵器なんだろうか。
天地見聞録に書かれているガイアの門は兵器を指しているのかも知れない。
ポトリ教授は信頼できるが、国に所属する人だ。
もしかすると、報告義務が有るかも知れない。
強力な力の存在を知った権力なんて、ロクな事をしないだろう。
俺は、魔力を吸収する装置についてコメントをしただけで、その事について触れるのは止めることにした。
新しく手に入れた魔石の魔法陣は解析出来ていない。
魔力を込めると発動しているみたいだが、何も起きない。
もしかすると、魔石を組み合わせる事で何か起きるのかも知れなと3個の魔石配置を変えて試してみたが何も得られなかった。
数が足らないのかも知れないが、この様な細かい魔法陣を描くのは厳しいだろう。
「あの魔力を吸収する装置一式、欲しかったですね。
特に中央の闇の魔道結晶を見たかったな。
建物が魔力を通す材質なら何とかなるのに残念です。」
「残念ですが、仕方が無いですね。
勇者の遺跡の幾つかは、あの様な材質を使っています。
見た目は他の材質と同じなんですが、何か特別な加工が施されているみたいですね。」
中心に在った、巨大な闇の魔道結晶。どんな魔法陣が書かれていたのか見たかった。
周りの魔石の魔法陣が、こんなに美しいなら、メインはもっと凄かったのだろう。
「拓ちゃんって好奇心旺盛だな。やっぱ、根っからの技術者なんだよ。」
俺を見て、浩司が笑っていた。
表に無人島の絵と上陸した日付、裏には地図とメンバー全員の名前が書いてある。
「この遺跡に来た記念。勿論、遺跡で見つけた金属で作ってあるよ。」
皆、喜んでくれているが、アルが一番かな。
以前に行った山脈の記念メダルと並べて嬉しそうに眺めている。
「おっ、今回はヤマトの名前も入ってるのか。何か良いな、こういうの。」
この島でヤマトと仲間になった記念に、その名前も刻んでおいた。
船は何の障害も無く港に向かって進んでいく。
俺と浩司は、昨日の召喚魔法で魔力を使い切り、体の怠さが抜けず甲板で寛がせてもらっている。
「拓さん、休まれている所良いですか。」
「ポトリ教授、どうかされましたか。」
「良ければ、私がまとめた報告書に目を通してもらえないかしら。」
そう言って、渡された報告書に目を通して行く。
遺跡の詳細な構造、モニターに映った映像、魔力を吸収する装置について以外に、ヤマトについても記述されていた。
Aランクの魔獣が復活し遺跡の破壊を行った後、攻撃をしてきたが止めを刺す前に我々への興味を失ったとの事。
この辺は、バラン将軍の報告を記述したらしい。
あの遺跡で見た震災の映像…
ポトリ教授はガイアの門が開いた後に訪れた大いなる災いだと見ている。
魔力を吸収する装置は魔獣から身を守る物だったと推測していた。
この島では、力の強い魔獣がいない為、魔力が無い方が身を守り易いと考えての事だった。
俺も、あの映像は大いなる災いだと考えていた。
しかし、俺達は島が大陸と地続きだった事を知っている。
そして、昔は大森林の存在は無く、人間が生活していた事も知っている。
魔力を吸収する装置は大いなる災いから守る為の物と考えた方が納得できる。
遺跡が、魔力を吸収する装置で守られたと言うなら、大いなる災いの原因は魔力を使った破壊兵器なんだろうか。
天地見聞録に書かれているガイアの門は兵器を指しているのかも知れない。
ポトリ教授は信頼できるが、国に所属する人だ。
もしかすると、報告義務が有るかも知れない。
強力な力の存在を知った権力なんて、ロクな事をしないだろう。
俺は、魔力を吸収する装置についてコメントをしただけで、その事について触れるのは止めることにした。
新しく手に入れた魔石の魔法陣は解析出来ていない。
魔力を込めると発動しているみたいだが、何も起きない。
もしかすると、魔石を組み合わせる事で何か起きるのかも知れなと3個の魔石配置を変えて試してみたが何も得られなかった。
数が足らないのかも知れないが、この様な細かい魔法陣を描くのは厳しいだろう。
「あの魔力を吸収する装置一式、欲しかったですね。
特に中央の闇の魔道結晶を見たかったな。
建物が魔力を通す材質なら何とかなるのに残念です。」
「残念ですが、仕方が無いですね。
勇者の遺跡の幾つかは、あの様な材質を使っています。
見た目は他の材質と同じなんですが、何か特別な加工が施されているみたいですね。」
中心に在った、巨大な闇の魔道結晶。どんな魔法陣が書かれていたのか見たかった。
周りの魔石の魔法陣が、こんなに美しいなら、メインはもっと凄かったのだろう。
「拓ちゃんって好奇心旺盛だな。やっぱ、根っからの技術者なんだよ。」
俺を見て、浩司が笑っていた。
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