欲にまみれた楽しい冒険者生活

小狸日

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365治療勉強

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拓のやりたい事は全て終え、後は護衛の人達と領地の話を伺いながら過ごそうと思っていたが
何故かヨギ魔導士とドク医局長が部屋に現われた。

「前回同様、拓殿は色々とやっているみたいじゃな、
 これが、新しい瘴気の吹き溜まりの地図か・・・危険な動きをしているみたいじゃな。」

地図を見て少し考え込むヨギ魔導士。

「良ければ、自分達の町の周辺の魔獣に何か変化が有ったら教えてくれないか。」

大きな変化としては、この間魔獣の大移動が行われた大森林の周辺で魔獣の数が増えたと言う事だった。
大移動と言うまでは行かないが、他の所にも魔獣が押し出される様に出現している。
他の地域では魔獣の変化は殆ど無く、やはり王都から離れるほど瘴気の吹き溜まりは少なくなり影響を受けていない。

「しかし、このパーティは会場とこの部屋、どちらが重要か分からなくなっておるな。
 治療行為について雑談でもしたいと思って来たんじゃ。ハック殿、ルーカス殿も居るのなら丁度良い。
 ルーカス殿も教会で医学の勉強をしているそうだが、どう思った?」
「はい、どの様な治療を行うのかを理解すると、適切な応急処置の方法が分かってきました。」
「なかなか優秀じゃな。護衛でも有効な知識になる。
 更に拓殿のお陰で探索魔法を組み合わせた画期的な治療行為が開発された。
 応急処置についても適切な話が出来ると思うがどうじゃ。」

「「「お~」」」護衛の人達が拓の方を見る。
拓自身気付かずにやっていた事だったが、皆が見るのでとりあえず頷いておく。

やりがちな間違った応急処置の対応の話から始まり、後遺症を残さない様に対応する方法の説明を行い始めた。
そして探索魔法を使った治癒魔法について説明になると、治癒魔導士の方が前にのめり出す様にして話を聞いている。
ドク医局長は、同時に護衛の人達から現場の応急処置方法や状況を細かく聞いて、生存率を上げる方法を説明する。
他にも地方独自の習わし等があり、実用性を確かめる事にしていた。
時々、拓に話を振って来るので、拓も可能な限り説明をし理解してもらえる様に尽くしていた。

「ドク医局長。アンディ・ジョーンズに依頼を行なえば、もっと細かく分かるのではないでしょうか?」

護衛の1人が意見を述べると、部屋の中がざわついた。

「同じことを教会が考え探していたが、残念ながらアンディ・ジョーンズからの応答は無かった。
 但し、中級魔法でも魔力操作に優れていれば十分に細かい状況は分かるので、今回の様な説明が出来る様になってきた。
 私としては、新しい発見が有れば情報を共有できればと考えている。」

最後にドク医局長が話を締めくくり、拍手で勉強会が終わった。

「そろそろ、我々は会場に戻った方が良いだろう。」

ブルネリ公爵に言われ、拓は護衛の人達に色々と教えてもらった礼を言ってパーティ会場へ戻って行った。
前回同様、護衛の人達は今回得られた情報で話が盛り上がり、バラキエ公爵の派閥に属している者はどうすれば拓と派閥の関係を改善できるか話し始めた。
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