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183貴族面倒くさい
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「戻ったら、浩司達はどうするんだ?」
「先ずは魔獣討伐ですかね。ここに来ていたので参加できていませんでしたから。」
「勇者も大変だよな。そんなに働き続けて大丈夫か?」
「十分に休みと安全を取ってもらっていますから。それに俺達が呼び出された時の王都は酷かったんですよ。」
浩司、由美、里香の3人が落ち人として召喚された王都では、皆が不安に押しつぶされそうになっていた。
兵士や冒険者の多くが怪我をし、亡くなる者も少なくなかった。
3人はこんな世界に来た事に対し嘆いていたが、サリナ姫が親身になって対応し気持ちを持ち直した後は
自分達の魔力で少しでも状況を改善させようとヨギ宮廷魔導士に魔法を学び、攻撃魔法で魔獣の討伐を行った。
3人の魔力は強力で、数ヵ月で王都周囲の安全が守られ市民達にも安心が戻って来た。
「しかし、どれだけ倒しても魔獣は現れ均衡状態に入ってしまいました。
今回、拓さんが村を作ると聞いて、絶対に力を貸そうと思っていたんです。」
「まいったな。皆の方が、俺より大人だよね。」
「それはどうだろう。俺達、拓さん達に力を貸しているだけですから。」
「それを言ったら、俺も力を貸しているだけだよ。隊長はポップ男爵、ジャイア男爵、ピスタ男爵。
俺が村の開拓なんて出来るわけ無いだろ。」
拓は笑っているが、拓が居なければ村の開拓はもっと大変な事のなっていたと3人にも分かっていた。
勇者の近接戦サポートも形になり、拓の石柱作りも終わった所で王都に戻ることにした。
話が通れば村人の代表者に確認してもらい、受け入れられれば開拓が始まる。
OZが手伝うのは代表者が確認するまでだ。
国王への報告が行われたのだが、
「ご苦労様でした。ここから先は、我々が受け持ちます。」
「それは、どういう事ですか。」
「言葉通りの意味です。拠点も作って頂いているのであれば問題ありません。」
報告が終わると、バラキエ公爵が引き継ぐと言う。
「どういう事です。開拓が失敗したら別の貴族に引き継ぐと言う話でしたよね。」
「失敗する前に我々が引き継ぐと言っているのだ。
「村を作るのは、家を建てる為の材料や技術、そして物の流通を行わなければならない。
3人は場所探しだけを行い、そんな事すら対応できていない。だから我々が引き継ぐと言っているのだ。」
バラキエ公爵はそのまま話を終わらせようとする。
「貴重なご意見をありがとうございます。技術者も流通も目処が立っていますのでご安心を。」
「材料については私とロダン侯爵の方で対応をしているので心配する必要はない。」
拓の反応とブルネリ公爵のフォローに黙るバラキエ公爵。
バラキエ公爵の動きに対しては、ブルネリ公爵とロダン侯爵から情報を貰っていた。
「この手の話は先に教えて頂けると助かります。
今頃言うなんて、まるで全てを奪うために隠していると思われますよ。」
「こちらこそ、貴重な意見をありがとうございます。そう思われても仕方ないタイミングでした。」
バラキエ公爵は冷静を保っていたが、目が笑っていない。
「私の方も引き続きポップ男爵、ジャイア男爵、ピスタ男爵に協力をさせて頂くと言う事で良いだろうか。」
クロイツ公爵が発言すると、バラキエ公爵が睨んでいる。
涼しげな顔で流しているが、はた目から見ていた拓は『貴族面倒くさい』と思うだけだった。
「先ずは魔獣討伐ですかね。ここに来ていたので参加できていませんでしたから。」
「勇者も大変だよな。そんなに働き続けて大丈夫か?」
「十分に休みと安全を取ってもらっていますから。それに俺達が呼び出された時の王都は酷かったんですよ。」
浩司、由美、里香の3人が落ち人として召喚された王都では、皆が不安に押しつぶされそうになっていた。
兵士や冒険者の多くが怪我をし、亡くなる者も少なくなかった。
3人はこんな世界に来た事に対し嘆いていたが、サリナ姫が親身になって対応し気持ちを持ち直した後は
自分達の魔力で少しでも状況を改善させようとヨギ宮廷魔導士に魔法を学び、攻撃魔法で魔獣の討伐を行った。
3人の魔力は強力で、数ヵ月で王都周囲の安全が守られ市民達にも安心が戻って来た。
「しかし、どれだけ倒しても魔獣は現れ均衡状態に入ってしまいました。
今回、拓さんが村を作ると聞いて、絶対に力を貸そうと思っていたんです。」
「まいったな。皆の方が、俺より大人だよね。」
「それはどうだろう。俺達、拓さん達に力を貸しているだけですから。」
「それを言ったら、俺も力を貸しているだけだよ。隊長はポップ男爵、ジャイア男爵、ピスタ男爵。
俺が村の開拓なんて出来るわけ無いだろ。」
拓は笑っているが、拓が居なければ村の開拓はもっと大変な事のなっていたと3人にも分かっていた。
勇者の近接戦サポートも形になり、拓の石柱作りも終わった所で王都に戻ることにした。
話が通れば村人の代表者に確認してもらい、受け入れられれば開拓が始まる。
OZが手伝うのは代表者が確認するまでだ。
国王への報告が行われたのだが、
「ご苦労様でした。ここから先は、我々が受け持ちます。」
「それは、どういう事ですか。」
「言葉通りの意味です。拠点も作って頂いているのであれば問題ありません。」
報告が終わると、バラキエ公爵が引き継ぐと言う。
「どういう事です。開拓が失敗したら別の貴族に引き継ぐと言う話でしたよね。」
「失敗する前に我々が引き継ぐと言っているのだ。
「村を作るのは、家を建てる為の材料や技術、そして物の流通を行わなければならない。
3人は場所探しだけを行い、そんな事すら対応できていない。だから我々が引き継ぐと言っているのだ。」
バラキエ公爵はそのまま話を終わらせようとする。
「貴重なご意見をありがとうございます。技術者も流通も目処が立っていますのでご安心を。」
「材料については私とロダン侯爵の方で対応をしているので心配する必要はない。」
拓の反応とブルネリ公爵のフォローに黙るバラキエ公爵。
バラキエ公爵の動きに対しては、ブルネリ公爵とロダン侯爵から情報を貰っていた。
「この手の話は先に教えて頂けると助かります。
今頃言うなんて、まるで全てを奪うために隠していると思われますよ。」
「こちらこそ、貴重な意見をありがとうございます。そう思われても仕方ないタイミングでした。」
バラキエ公爵は冷静を保っていたが、目が笑っていない。
「私の方も引き続きポップ男爵、ジャイア男爵、ピスタ男爵に協力をさせて頂くと言う事で良いだろうか。」
クロイツ公爵が発言すると、バラキエ公爵が睨んでいる。
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