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124登城

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「土産は大丈夫か?」
「服装は大丈夫だな。」

ガラとレオにチェックを受けて拓はこれから1人、サリナ姫に土産を渡しに城へと向かう。
一応、同郷の勇者達にも土産は用意したので、問題なければ1泊して色々と話して来いと言われて送り出された。

拓は城を見上げ、門に向かうと免責札を取り出しサリナ姫との面会を求めた。

「こっ、これは。拓様ですね。中で少々お待ち願います。」

門番の1人が何処かに連絡を行い、椅子を用意してくれた。
暫くすると、オリバー隊長が現れた。

「オリバーさん、お久しぶりです。わざわざ対応して頂いて申し訳ありません。」
「いえ、お気にせずに。サリナ様との面会と言うことですが、今、教育を受けている最中です。」
「では、改めて来るので面会の予定だけ入れてもらう事は出来ますか。
 サリナ姫に依頼された土産を渡したいと思っていただけですから。」

結局、サリナ姫の教育が終わるまで城で待つことになった。
それまで、図書室で薬と武技について調べたいと伝えると

「薬とはどのような物を?」
「ここだけの話、媚薬についてです。」

オリバー隊長は一瞬怪訝な顔をする。
盗賊退治の際、使った媚薬の効果が異常に高かった事を伝え、調べようと考えている事を伝え瓶を取り出した。
正確にはダイフクの粘液だが、この世界の媚薬は植物や魔獣から抽出するものなので問題ない。

「盗賊が所有している媚薬を適当に使ったと伺っていますが、これが本当の媚薬なのですね。」
「そんな話まで広まっているのですか?」

拓は自分がそこまで監視されているとは思ってもみなかった。

「拓殿という事以外にも、あの様な惨状は聞いたことが無かったため噂になっています。
 良ければ、媚薬については出所を分からない様にして調べさせて頂きます。」

ダイフクの粘液が入った瓶をオリバー隊長に渡し、解析をお願いした。

「ちなみに、何故この様な媚薬をお持ちになっているのですか?」
「偶然この様な物を知って持っていただけです。犯罪に使うような真似はしていませんし、今後も使う事はありません。」

オリバー隊長は「勿論、信じております。」そう言って微笑む。
拓はその顔を見て、絶対に犯罪に使わないと心に誓った。

「武技についてですが騎士団の訓練を見に来ますか。本より実際に見た方が分かりますよ。」

オリバー隊長の勧めで、訓練場に向かうことにした。
騎士団の皆が声を掛けてくれる中、パウロとヨーゼフの姿を探したが魔獣討伐に出ていて今夜か明日には帰ってくるらしい。

「拓殿、よければ訓練に参加しませんか。私や他の者達も武技を使えるので受けて見るのは如何でしょう。」

オリバー隊長に誘われ、拓も着替えて参加する。
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