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112謎の探検家

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その後は、サリナ姫のお土産や、デザートを購入しながら市場や観光地巡り。
拓が一緒ならばと、クリームが自分の好物を買ってはアイテムボックスに保管してもらっていた。

「こんなに好き放題、食べ物を購入したのは初めてですよ。」
「移動時に好きな物が食べれると思うと、嬉しくなるな。拓には感謝しきれないぜ。」

クリームのメンバーに触発されエチゴとガラも食料を大量に購入。
移動時に全員で食べる分も買っているので、拓も喜んでアイテムボックスに入れていたのだが、

「アル、それは個人の分だけ買った方が良いよ。独特過ぎるかな。」

アルが見るからに怪しげな料理まで購入しようとするので、拓だけでなく皆から止められる事も有った。
拓は皆の写真を撮りまくり、十分に遊び尽くし、次の日の朝早く次の町へと出発した。



「アンディ・ジョーンズという冒険者は居ないだと。」

遺跡探索を行っていた冒険者達はアンディ・ジョーンズを探したがその様な冒険者は居なかった。

「アンディ・ジョーンズさんは探検家と言っていました。冒険者ではないのかも知れません。」
「確かに、あのぽっちゃりとした体形で冒険者だとすると違和感が有るな。」

アイアンソードのゼルが話すと、冒険者ではないと皆が納得していた。
他にもアンディ・ジョーンズが探検家と名乗っていたのを聞いた者が居て
それに、あれだけの探索魔法を使える冒険者なら名を知られていないとは考えられないからだ。
しかし冒険者ギルドでは、遺跡に入ったリストにアンディ・ジョーンズの名前が載っていないのを不思議に感じていた。
あの騒動で、救出時にアンディ・ジョーンズではなく拓として確認されたことに気付く者は居なかった。


領主の元にも今回の活性化に対する報告が上がり、アンディ・ジョーンズという探検家の活躍が報告された。
しかし、その様な名前の冒険者はおらず、町中を探して見たがその様な人物の名前すら出てこなかった。
助けられた冒険者達から話を聞くと、高位の探索魔法を使っているのが分かる。
探索魔法を極める魔導士の存在は特殊にも拘わらず、全く情報が得られない。

領主はOZについても独自に調べ、ガラとレオについてはある程度の事は理解した。
しかし、拓については最近の情報しか得られない。
冒険者になったのも最近でDランクでしかないとは・・・
どんな形であろうと盗賊を全員捕獲し、攫われた女性を無傷で助け出したのであれば
如何にガラとレオと行動を共にしていたとしても、かなりの腕前であるはず。
しかし、全てが謎に包まれていた。


王都にもダンジョンの活性化の話と謎の探検家アンディ・ジョーンズの名前が伝わって来た。

「今度は、高位の探索魔法を使える魔導士アンディ・ジョーンズか。
 ホワイトジャックについて何も情報が得られないと言うのに、新しい魔導士が現れるとは。」

アンディ・ジョーンズについては、ダンジョンに閉じ込められた冒険者を救った探索魔法が注目されていた。
この世界の常識では、複数の高位の魔法を習得することは不可能とされているため
アンディ・ジョーンズがホワイトジャックと同一人物と考える貴族も居なかった。


サリナ姫は勇者達とその話題について話していたが

「探検家アンディ・ジョーンズって絶対にあの映画の主人公よね。」
「他に無いっしょ。鞭とか持って探検したりして。」
「治癒魔導士の次は探検家、拓さんって何を目指しているんだろうな?」
「ただ、楽しんでいるだけだったりして。謎っぽくてちょっと面白いわよね。」
「拓さんって、そういう事をやりそうな感じ。次は何が出て来るかな?」

3人はアニメや映画で出て来る名前を上げて盛り上がっていた。
その中、サリナ姫は拓がこの3人にだけ分かるような名前を付けて自分の所在を知らせる意図が有るのではないかと考えていた。
何かあった時の為にと・・・
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