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第一章
目覚め Le/S→B/S
しおりを挟む「──────・・・」
「・・・・・・です・・・」
僕は・・・生きてるのかな?
生きてしまったのかな?
「・・・ライト様は・・・」
「・・・・・・す!」
僕の事を呼んでいるの?
・・・身体に力が入らない。なんか動かないし、なんの感覚も感じない。おかしいな、何でだろう?
僕、死んじゃうのかな?
自分勝手だけど僕、皆に、会いたいよ・・・
──────パチパチと瞬きをする
誰だろう・・・?視界がボヤけて良く見えない。
「・・・?あ、あ!ライト様!ライト様!」
パチっと、もう一度瞬きをする。
声が出ない、そもそも口が開かない。
この声はベンかな。聞こえてるって事は僕、やっぱり死んでなかったみたい。何より身体が重すぎるのが一番の証拠だと思う。
ベンが沢山名前を呼んでくれる。心配掛けてごめんなさい、そんな言葉は出てこない。だって・・・
もう、目蓋が重いんだ──────
「ライト様ぁ・・・うぅ・・・」
襲撃事件からもう、十日が経っていた。
イリナードに諭された後、俺は気を失ってしまったらしい。
起きた時は、本当に凄かった。
―――
ぱっちりと目が覚め、何処に居るか分からくて辺りを見渡すと自分の部屋だった。
自分がどうしてココに居るのかと考える前に思い浮かんだのはライト様の事。どうなってしまったのか聞くため、フラフラと壁を伝いながら廊下を歩いて行くとイリナードに会った。
「ベイン様・・・今そちらへ向かおうとしていた所で・・・」
「イリナード、ライト様は・・・?」
「・・・。大神官様のお手によって治療中です。」
「死なないよね?」
どうして何も言ってくれないのか分からなくて・・・、信じたくないとばかりに口が動いて行った。
言ってくれないと信じられない、そんな事無いと言ってくれ。自分の思いは止まらない。
「死なないよね?なんで、何も言ってくれないの?ライト様は無事なんだよね?大丈夫なんだよね?」
「・・・・・・」
「ねぇ・・・なんで、なんで何も言ってくれないの?ねぇ、どうして!どうしてなの!ヤダヤダヤダヤダ!なんで!どうしてこんな事になったの!ライト様に何があ・・・ゲッホゲホ!うぇ・・・カハッ・・・」
咳が止まらなくなって、動けなくなったので抱っこされて部屋に戻された。とてつもなく喉が痛くて辛かった。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!
声を出したいのに咳しか出ないので、不安は俺の心の中をグルグルと周り続けて止まらなかった。
止まらなくて怖くて何も出来なくて・・・。ちゃんと意識を保てる様に落ち着いたのは、それから三日が経った頃。
完全回復までとは行く訳なく、イリナード達にお世話されながら過ごしていた。
それからはライト様を見に行って泣いて、見に行って泣いてを繰り返して居たのに、・・・ライト様はこれから起きる事が無いかもしれないと言われた。
今日だってライト様は生きてるって騒いで叫んで、ライト様に会いに行った。そしたら丁度良いのか悪いのか、大神官様がいらしゃって・・・。
俺に告げられたのは
『会いに来ると、希望を捨てられず辛くなるから止めた方が良いです。襲撃事件から・・・既に十日が経ちました。時には諦めが肝心なのです、貴方はココに来るべきではありません。覚悟を決める事は悪い事ではないのです。』
そんな、悲しい言葉だった。
俺に諦めろと言って、でも俺は諦めたく無くて・・・。そしたらライト様の目が開かれて。
ほんの少しの時間だったけれど、それは紛れも無い事実だった。一部の人から虚言だと言われたりしたが、大神官様もいらっしゃったので証人になって下さった。
だけど後遺症が残り、以前の様に動けない可能性があると言われてしまった。でも大丈夫。
ライト様が生きてくれているだけで嬉しいから。ライト様が居てくれたから俺は変われた、つまりライト様が居なかったら俺は変われなかった。
今の俺が在るのはライト様のお陰だから・・・
自分がやるべき事をしなければならない──────
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