キモオタ レベル0★世界最弱のオタク高校生の僕だけレベルアップ!美女に囲まれハーレム青春物語

さかいおさむ

文字の大きさ
上 下
70 / 76

70

しおりを挟む
 僕らは施設を出てさっそく出発の準備に移る。
「ちょっとお姉ちゃん! どうして私は連れて行ってくれないの!?」
 サクラさんに魔王討伐メンバーに選ばれなかったサクラちゃんは憤っている。サクラちゃんの性格を考えれば当然か……

「サクラ、残念だが今のサクラの力では魔王とは戦えない」
「そんな! 私だって……! お姉ちゃんにも剣では負けてないわ!」
「……もちろんそれは分かってる。正直私だって魔王との戦いでは役には立たないだろう……私の役目は木本君が攻撃できるように魔王にスキを作るくらいだ」
「お姉ちゃん……」
「サクラはここで待っててくれ」
「……」
 悔しがるサクラちゃん、お姉ちゃんごころなのだろう。

 外にでると遠くの空がどす黒く曇っている。
 あの雲の下に魔王がいるのだろうか?


 さっそくヘリに乗り込む僕ら。
 ヘリは太平洋の魔王の元に向かう。

「いよいよですね……」
 恐怖と緊張で震える僕。

「ああ……今の木本君なら魔王とも渡り合えると信じているぞ」
「はい! キモオタ君は今レベル55、魔力も上がってなにより魔人化が使えます。精霊界含めても世界最強の戦士です!」
「僕の成長を全部見てきたガイドがそう言ってくれるなら自信が出てくるよ。世界最強か……」
 レベル0だった僕が今では世界最強の戦士になった。魔王にも通用するはずだ。

「でも、あれだけやってもレベル55かぁ」
「人間界ではこのあたりが限界かもしれませんね。いつか私のいた精霊界では強力なモンスターも多いので、来てくれたらレベルアップお付き合いしますよ!」
「異世界転移か……レベル55で世界最強っていうならレベル100なんてどうなるんだろうね?」
「うーん……単純な強さも上がりますけど……前にも言いましたけど、キモオタ君なら光魔法を極めると死者蘇生が出来るようになるはずですよ。
 まあ精霊界でも死者蘇生を使えた魔法使いがいたのは大昔の話みたいですけどね。それこそおとぎ話みたいな」
「なるほど。レベル100は甘くないね。まあでも死者蘇生もすごいけど、まずは魔王を倒さなければ僕たちに未来はないからね……」
「そうですね……」
 空気が重くなる。余計なことを言ってしまったようだ。

「う、運転手さん! どれくらいでつくんですかね?」
 空気を変えようと僕は運転手に話しかける。

「そうですね……あと20分ってとこですかね? 思ったよりヘリコプターがスピードでなくて……」
「ほう、僕が筋肉つけ過ぎて重くなっちゃったんですかね?」
「ははは……どうですかね……?」
 運転手も緊張しているのか話が弾まない。

「大丈夫だ。私もサポートする。必ず魔王を倒すんだ!」
「……はい! サクラちゃんも待ってますからね」
 置いていかれ悔しそうなサクラちゃんの顔を思い出す。

「ああ……思ったよりおとなしく言うことを聞いてくれて助かったよ」
「そうですね。悔し涙を流すサクラちゃんも可愛いかったですね」

「相変わらずキモいわね!」
 ヘリコプターの後部から聞きなれた声が聞こえる。
「ははは、キモいって……えっ!?」
「サ、サクラ!?」
「ふふふ、甘いわね! 私がおとなしく待ってるわけないでしょ!」
 後ろからひょっこりと顔をのぞかせるサクラちゃん。

「ど、どうして……?」
 アスカさんも妹のいきなりの登場に驚く。

「世界の危機を救う瞬間に私がいないなんてありえないわ!」
「……さすがだね」
 なるほど、ヘリコプターのスピードが出ない理由が分かったところでどす黒い雲の下に到着した。
 海に浮かぶダンジョン、あそこに魔王がいる。

 僕、アスカさん、ガイド、サクラちゃん、世界を救うことになったこの4人でダンジョンに降り立つ。
 禍々しいオーラが漂っている。
 僕らの最終決戦が始まる。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

男女比の狂った世界で愛を振りまく

キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。 その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。 直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。 生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。 デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。 本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。 ※カクヨムにも掲載中の作品です。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話

ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。 異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。 「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」 異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…

ダンジョン美食倶楽部

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
長年レストランの下働きとして働いてきた本宝治洋一(30)は突如として現れた新オーナーの物言いにより、職を失った。 身寄りのない洋一は、飲み仲間の藤本要から「一緒にダンチューバーとして組まないか?」と誘われ、配信チャンネル【ダンジョン美食倶楽部】の料理担当兼荷物持ちを任される。 配信で明るみになる、洋一の隠された技能。 素材こそ低級モンスター、調味料も安物なのにその卓越した技術は見る者を虜にし、出来上がった料理はなんとも空腹感を促した。偶然居合わせた探索者に振る舞ったりしていくうちに【ダンジョン美食倶楽部】の名前は徐々に売れていく。 一方で洋一を追放したレストランは、SSSSランク探索者の轟美玲から「味が落ちた」と一蹴され、徐々に落ちぶれていった。 ※カクヨム様で先行公開中! ※2024年3月21で第一部完!

貞操逆転世界の男教師

やまいし
ファンタジー
貞操逆転世界に転生した男が世界初の男性教師として働く話。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

勇者PTを追放されたので獣娘たちに乗り換えて楽しく生きる

まったりー
ファンタジー
勇者を支援する為に召喚され、5年の間ユニークスキル【カードダス】で支援して来た主人公は、突然の冤罪を受け勇者PTを追放されてしまいました。 そんな主人公は、ギルドで出会った獣人のPTと仲良くなり、彼女たちの為にスキルを使う事を決め、獣人たちが暮らしやすい場所を作る為に奮闘する物語です。

Link's

黒砂糖デニーロ
ファンタジー
この世界には二つの存在がいる。 人類に仇なす不死の生物、"魔属” そして魔属を殺せる唯一の異能者、"勇者” 人類と魔族の戦いはすでに千年もの間、続いている―― アオイ・イリスは人類の脅威と戦う勇者である。幼馴染のレン・シュミットはそんな彼女を聖剣鍛冶師として支える。 ある日、勇者連続失踪の調査を依頼されたアオイたち。ただの調査のはずが、都市存亡の戦いと、その影に蠢く陰謀に巻き込まれることに。 やがてそれは、世界の命運を分かつ事態に―― 猪突猛進型少女の勇者と、気苦労耐えない幼馴染が繰り広げる怒涛のバトルアクション!

処理中です...