キモオタ レベル0★世界最弱のオタク高校生の僕だけレベルアップ!美女に囲まれハーレム青春物語

さかいおさむ

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「魔人化は強力な魔力を体中に均等に纏わせることができる人にだけ使える奥義です!」
 倒れる僕にガイドが説明を始める。

「しかし……私も長いこと冒険者をやっているが、こんな技初めてみたぞ?」
 アスカさんが言う。

「はい。きっと魔人化が出来るほどの魔力を持つレベルの人間はほとんどいないんじゃないでしょうか?
 私も魔人化は精霊でしか見たことはありませんね。それもかなりハイレベルな魔法使いです」
「なるほど……人間では木本君のレベルだからできる技か……」

 魔人化、恐ろしい技だった。
 レベルが上がり、通常時でも以前より圧倒的に素早く動けるようになった僕だけど、魔人化は文字通りレベルが違った。
 瞬間移動をしているのかと思うくらいのスピードだった。
 100メーターくらいの距離を一瞬で……オリンピックを金メダルを取った方がいいように思えてきた。

 ガイドは説明を続ける。
「さらにこの魔人化はスピードだけではありませんよ! パンチなんかの攻撃力も魔法の攻撃力も圧倒的に上がります! 身体機能を大幅に上げる魔法ですね」
「なるほど、確かに超人的なスピードを感じたよ。でも……一瞬しか使えなかったな」
「そうなんです……この技の弱点というか、難しいところは魔力の消費が膨大です。どんなすごい魔法使いでも数秒が限界でしょう」
「数秒か……」
「はい……さっきのキモオタ君の魔人化も一瞬でしたしね。でもこれもトレーニングでもう少し長く使えるようになると思います!」
「よし! もっと鍛えよう。これは間違いなく魔王にも効くぞ!」
「その意気です!」
 きっとこの技が魔王との勝敗を分ける技になる、そんな気がしていた。

「すごい技だな……よし、さっそくビリビリいくぞ!」
「はい!」



 それからは魔人化、回復を繰り返す僕。
 数百回の魔人化を経て僕は1分間程の魔人化が出来るようになった。

「す、すごいですよ……キモオタ君! 1分間も魔人化が出来る魔法使いは世界でキモオタ君だけだと思います」
「ふふふ、そうかい?」
 光り輝く体を見ながら得意げな僕。
 今の僕は一瞬で数100メーターを駆け抜ける。

「き、木本君! 絶対に壁に攻撃するのはやめてくれよ!!」
 アスカさんが注意する。
 魔人化した僕の拳はこの頑丈な部屋でも壊してします恐れがある。
 試してみたいが仕方ない、どこか外で試してみよう。


 その頃、部屋の外が騒がしくなる。
「なんだ? 騒がしいな?」
「アスカさん!! 報告です!」
 政府の人が部屋に入ってくる。慌ててどうしたのだろうか?

「何があった?」
「先ほど、太平洋の会場に強力な魔力を観測しました」
「強力な魔力……!? ガイド、それって……」
 アスカさんの顔が青ざめる。
「……はい。魔王が復活したのだと思います」
「いよいよか……」
 魔王が復活……もうじきだとは思っていたが……。

「よし、木本君、ガイド。出発の準備をしてくれ。いつかは来ることだ、木本君の魔人化が間に合ってよかった」
「はい……行きましょう!」

 いよいよ復活した魔王。
 魔王の分身にやられていた頃の僕とは違う!
 最終決戦が始まろうとしていた。
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