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7、俺のコト、好き?

「鶏の照り焼き インゲンの煮びたし添え」

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 その晩は、瞬のプランで瞬の選ぶものをふたりで買った。

 訳分からん組み合わせの食材でひねり出す限界料理ではなく、瞬の得意な手料理を作る。

 今日は鶏の照り焼き。夏らしくインゲンを煮びたしにして合わせた。それと、ナスのみそ汁。昨日漬けておいたカブも出した。葉の色が少しあせた分、味がなれている。

 小さなテーブルに夕食の献立が並ぶ。

 伸幸は叫んだ。

「うまぁいっ!」

「だろぉ」

 伸幸が手放しでほめるので、瞬は得意になって胸を張った。

「もう、食材の選択から俺にやらせてくれればさあ、いっつもこのくらいのもの食えるんだぜ」

 伸幸はもふもふと白飯をほおばる。うまいおかずがあるとメシが進むタイプの男だ。

「あ、でも、ホントにうまいわ。照り焼きなんて、久しぶりに作った」

 寿司屋では出さないし、火を入れてる間目を離すと焦げるので、従業員のまかないにもあまりしなかった。

 伸幸はうまそうにインゲンを頬ばりながら、瞬の手許の皿を見て言った。

「瞬も、前より少し食べられるようになったな」

 うんうんと嬉しそうにうなずく伸幸。

「ああ、まあね。前よりはね」

 作った料理は、伸幸と自分とで、二対一くらいに分けて盛りつける。しかも最近は米も食べたりする。何となくのどを通りそうと思ったときに、ムリしない範囲で。

 職場でおばちゃんたちに見抜かれた通り、体格も少し回復してきたようだ。

 服やベルトのゆるさの感じと。

 それから。

 瞬の頬が熱くなった。

「前は乗っかるのが怖いくらいだったもんなあ、折れそうで」

「の、伸幸さんっ」

 組みしかれたとき、ふとんに骨がゴツゴツ当たっていたのが、最近そうでもなくなっていた。ちょうど瞬もその感触を思いだしていた。

「メシ食ってるときに、そういう話題は……」

 瞬はもごもごとつぶやいた。

「えー? そんなに照れる?」

 伸幸は笑った。

「可愛いなあ、瞬は」
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