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「てっきりユンスの所に行くのかと思いましたよ!」
王宮の隅にある中庭に出るとケロルドが驚きながら言ってきた。
「ユンスはステル殿下に任せる。
時間が勿体ないからね。」
「ステル団長は・・・あ、ステル殿下は魔獣のことをよく知っていますからね。
ステル殿下が第2騎士団に入団していなかったら魔獣の大群が押し寄せた時に戦い切れませんでしたよ。
戦の訓練だけではなく魔獣とも戦う訓練が追加されたのはステル殿下が入団してからなんです。」
「そっか、よかった。
アデルの砦を陥落されてたらもっと被害が拡大してた。」
「ステル殿下の生い立ちは可哀想ですけど、そうとは思えないような強い男ですよね。」
「可哀想な男じゃないからね、ステル殿下は。」
「そうですかね・・・?
“ステル”なんて名前を付けられて棄てられて、俺には可哀想な生い立ちだと思ってしまいますけど。
ステル殿下のことが好きな分、黒髪だからというだけでそんなことをされたかと思うと・・・」
ケロルドが言葉を切った後に苦しそうに言葉を出した。
「ここだけの話、クラスト陛下のことも許せない気持ちになります。」
そんな言葉には小さく笑いながら言った。
「その時に出来る最善が“棄てる”だったんでしょ。
最善を尽くそうとしたクラスト陛下のことを私は理解したい。
それにその選択をしたクラスト陛下はきっと間違えていない。」
そこまで言った時、小さな中庭の隅の方でしゃがみ何かをしている1人の侍女がいた。
その侍女の後ろ姿を何気なく眺めながら続ける。
「ステル殿下には国王の器がきっとある。
組織を作り上げること、組織を指揮すること、そして何よりも民を1番に考えていること。
民がいなければ国王なんて必要ないから。
国王は民によって生かされる。
あとは政治・・・それを学べればステル殿下は良い国王になれる。」
「・・・凄いですね、インソルドは。
そんな言葉まで出てくるなんて、凄い教育をされているんですね。」
「うん、されてる。
今のインソルドにいる全員がこの教育をされてる。
私の実の父親である“チチ”がしたから。」
“チチ”のことを思い浮かべながら、私はその侍女に向かってゆっくりと歩き始める。
「王宮の1番の情報源は侍女。
女は噂話が大好きらしいからね。」
王宮の隅にある中庭に出るとケロルドが驚きながら言ってきた。
「ユンスはステル殿下に任せる。
時間が勿体ないからね。」
「ステル団長は・・・あ、ステル殿下は魔獣のことをよく知っていますからね。
ステル殿下が第2騎士団に入団していなかったら魔獣の大群が押し寄せた時に戦い切れませんでしたよ。
戦の訓練だけではなく魔獣とも戦う訓練が追加されたのはステル殿下が入団してからなんです。」
「そっか、よかった。
アデルの砦を陥落されてたらもっと被害が拡大してた。」
「ステル殿下の生い立ちは可哀想ですけど、そうとは思えないような強い男ですよね。」
「可哀想な男じゃないからね、ステル殿下は。」
「そうですかね・・・?
“ステル”なんて名前を付けられて棄てられて、俺には可哀想な生い立ちだと思ってしまいますけど。
ステル殿下のことが好きな分、黒髪だからというだけでそんなことをされたかと思うと・・・」
ケロルドが言葉を切った後に苦しそうに言葉を出した。
「ここだけの話、クラスト陛下のことも許せない気持ちになります。」
そんな言葉には小さく笑いながら言った。
「その時に出来る最善が“棄てる”だったんでしょ。
最善を尽くそうとしたクラスト陛下のことを私は理解したい。
それにその選択をしたクラスト陛下はきっと間違えていない。」
そこまで言った時、小さな中庭の隅の方でしゃがみ何かをしている1人の侍女がいた。
その侍女の後ろ姿を何気なく眺めながら続ける。
「ステル殿下には国王の器がきっとある。
組織を作り上げること、組織を指揮すること、そして何よりも民を1番に考えていること。
民がいなければ国王なんて必要ないから。
国王は民によって生かされる。
あとは政治・・・それを学べればステル殿下は良い国王になれる。」
「・・・凄いですね、インソルドは。
そんな言葉まで出てくるなんて、凄い教育をされているんですね。」
「うん、されてる。
今のインソルドにいる全員がこの教育をされてる。
私の実の父親である“チチ”がしたから。」
“チチ”のことを思い浮かべながら、私はその侍女に向かってゆっくりと歩き始める。
「王宮の1番の情報源は侍女。
女は噂話が大好きらしいからね。」
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