267 / 585
18
18-12
しおりを挟む
「「小関支社長、お疲れ様で~す!」」
増田ホールディングスの忘年会ではあるけれど、同じビルに入っている子会社に所属しているお父さんもこの忘年会に参加している。
福富さんと佐伯さんが可愛らしくお父さんに声を掛けてくれているのに、お父さんは小さく会釈をしただけで私のことを真っ直ぐと見たまま・・・
「生活が苦しいのか?
そのワンピース、一平と貴子さんがうちに挨拶に来た時だけじゃなく、両家の顔合わせでも着てただろ。」
そんなことを大真面目な顔で言ってきた。
「母さんに聞いても総務部の一平に聞いても一美が住んでるマンションの住所は教えてくれないけどな、一平から聞いた話ではオフィス街にあるマンションだとは聞いた。」
「うん、オフィス街にあるマンションに住んでるんだよね。」
「何で誰も俺に住所を教えてくれないんだ?
親なら把握しておく必要があるだろ。
これについては加藤まで絶対に口を割らない。」
「うん、加藤さんにも言わないようにお願いしてあるから。」
「何で皆して俺に言わないんだ?」
「だって、言ったら絶対に来るでしょ?」
「それはそうだろ、娘が住んでる場所を把握しておくのも親の務めだろ。」
「私、もう31歳だよ?」
「何歳になっても娘だろ。
新しいドレスもワンピースも買えないくらいのマンションに住んでるなら、それを正すのも親の務めだからな。」
「小関支社長、それは誤解で~!」
佐伯さんが少し高い声で間に入ってきた。
佐伯さんにやっと視線を移したお父さんが佐伯さんのことを把握したことが分かった。
佐伯さんは増田社長繋がりで入社をしている女の子でもあるから。
「私、今年もドレスを着たくなくて。
でも結構みんなドレスを着てるし、経理部に迷惑を掛けることにもなるのかなと悩んで・・・。
それを羽鳥さんにご相談したら、自分もドレスを着ないことにするから大丈夫って言ってくださって。」
佐伯さんが名演技でそんな嘘を言い始め、それには苦笑いを我慢して“普通”の顔になるよう顔面を固定する。
「私も私も!!
私もドレス着たくないんですけど!!
小関支社長から増田社長に言ってくださいよ~!!
何で忘年会にドレスなんですか!?」
福富さんが可愛く頬を膨らまし私のお父さんに詰め寄ると、お父さんは少し焦りながら一歩後退った。
「社長は特にドレスの指定をしているわけではないが・・・。」
「え!?そうなんですか!?
じゃあ何でみんなドレス着てるんですか!?」
「それは・・・古くからうちの忘年会ではそうなっていて・・・。
昔は女性達も喜んで着飾る人ばかりだとは聞いていたが。」
「昔はこの場が出会いの場でもあったみたいだからね。」
戸惑っているお父さんに代わり私が声を出した。
「社内で出会って結婚する人達も多くいたから、女の人皆が結構気合いを入れていた時代もあったみたい。」
「え~・・・私、社内恋愛とか不可能なんですけど。
佐伯さんは?
大人気なんだから社内恋愛すればいいじゃん。」
「私は社内恋愛どころか恋愛に興味がないから。」
佐伯さんが可愛く笑った後にお父さんのことを見上げた。
「時代も変わりましたからね。
増田財閥もここ数年で大きく変わったそうですし、財閥の分家や親の務めが変わったとしても不思議ではないですよね。」
増田ホールディングスの忘年会ではあるけれど、同じビルに入っている子会社に所属しているお父さんもこの忘年会に参加している。
福富さんと佐伯さんが可愛らしくお父さんに声を掛けてくれているのに、お父さんは小さく会釈をしただけで私のことを真っ直ぐと見たまま・・・
「生活が苦しいのか?
そのワンピース、一平と貴子さんがうちに挨拶に来た時だけじゃなく、両家の顔合わせでも着てただろ。」
そんなことを大真面目な顔で言ってきた。
「母さんに聞いても総務部の一平に聞いても一美が住んでるマンションの住所は教えてくれないけどな、一平から聞いた話ではオフィス街にあるマンションだとは聞いた。」
「うん、オフィス街にあるマンションに住んでるんだよね。」
「何で誰も俺に住所を教えてくれないんだ?
親なら把握しておく必要があるだろ。
これについては加藤まで絶対に口を割らない。」
「うん、加藤さんにも言わないようにお願いしてあるから。」
「何で皆して俺に言わないんだ?」
「だって、言ったら絶対に来るでしょ?」
「それはそうだろ、娘が住んでる場所を把握しておくのも親の務めだろ。」
「私、もう31歳だよ?」
「何歳になっても娘だろ。
新しいドレスもワンピースも買えないくらいのマンションに住んでるなら、それを正すのも親の務めだからな。」
「小関支社長、それは誤解で~!」
佐伯さんが少し高い声で間に入ってきた。
佐伯さんにやっと視線を移したお父さんが佐伯さんのことを把握したことが分かった。
佐伯さんは増田社長繋がりで入社をしている女の子でもあるから。
「私、今年もドレスを着たくなくて。
でも結構みんなドレスを着てるし、経理部に迷惑を掛けることにもなるのかなと悩んで・・・。
それを羽鳥さんにご相談したら、自分もドレスを着ないことにするから大丈夫って言ってくださって。」
佐伯さんが名演技でそんな嘘を言い始め、それには苦笑いを我慢して“普通”の顔になるよう顔面を固定する。
「私も私も!!
私もドレス着たくないんですけど!!
小関支社長から増田社長に言ってくださいよ~!!
何で忘年会にドレスなんですか!?」
福富さんが可愛く頬を膨らまし私のお父さんに詰め寄ると、お父さんは少し焦りながら一歩後退った。
「社長は特にドレスの指定をしているわけではないが・・・。」
「え!?そうなんですか!?
じゃあ何でみんなドレス着てるんですか!?」
「それは・・・古くからうちの忘年会ではそうなっていて・・・。
昔は女性達も喜んで着飾る人ばかりだとは聞いていたが。」
「昔はこの場が出会いの場でもあったみたいだからね。」
戸惑っているお父さんに代わり私が声を出した。
「社内で出会って結婚する人達も多くいたから、女の人皆が結構気合いを入れていた時代もあったみたい。」
「え~・・・私、社内恋愛とか不可能なんですけど。
佐伯さんは?
大人気なんだから社内恋愛すればいいじゃん。」
「私は社内恋愛どころか恋愛に興味がないから。」
佐伯さんが可愛く笑った後にお父さんのことを見上げた。
「時代も変わりましたからね。
増田財閥もここ数年で大きく変わったそうですし、財閥の分家や親の務めが変わったとしても不思議ではないですよね。」
0
あなたにおすすめの小説
俺様上司に今宵も激しく求められる。
美凪ましろ
恋愛
鉄面皮。無表情。一ミリも笑わない男。
蒔田一臣、あたしのひとつうえの上司。
ことあるごとに厳しくあたしを指導する、目の上のたんこぶみたいな男――だったはずが。
「おまえの顔、えっろい」
神様仏様どうしてあたしはこの男に今宵も激しく愛しこまれているのでしょう。
――2000年代初頭、IT系企業で懸命に働く新卒女子×厳しめの俺様男子との恋物語。
ちょっと大人な物語はこちらです
神崎 未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な短編物語集です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
あるフィギュアスケーターの性事情
蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。
しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。
何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。
この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。
そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。
この物語はフィクションです。
実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる