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─────
「羽鳥さんは今年もドレスアップをしてくると思ってましたけどね。
今年はどうしたんですか?」
そう聞かれ・・・
昨日の幸治君とのやり取りを思い返した。
そして身体がブワッ─────...と一気に熱くなってきて、顔に汗が少し滲んできた。
甘いお酒が入ったグラスを片手で持ちながら、空いている手で自分の顔を仰ぐ。
そして私の左右に立つ2人の後輩に吐き出した。
「実は・・・その・・・胸元にキスマークがあって、着られるドレスがなくて・・・。」
「「え・・・!!!!??」」
歓談をしている近くの社員達が福富さんと佐伯さんの大きな声にパッと私達の方を見てきた。
会場の隅、壁のギリギリの所に立つ私達の方を。
毎年此処が私の定位置で、忘年会に何の興味もない福富さんと佐伯さんの定位置も此処になっていた。
「大きな声を出してすみませ~ん!」
佐伯さんがそれはもう可愛い笑顔と声を振り撒くと、男の人も女の人もデレッとした顔で私達に頷きまた歓談に戻った。
「出た出た、佐伯さんの外面。
本当はこんなに性格が悪いのに皆騙されてる。」
「煩い、今はそれよりも羽鳥さんの話。」
「それはそうだった。」
豪華な会場も豪華な食事も何の興味もない2人が興味津々な顔で私の方を見てくる。
それには苦笑いをしながら口を開く。
「もう何もないよ?
その、彼氏?・・・に昨日ドレス姿を見られて、胸元にキスマークをつけられちゃって。
それでお仕舞いの話だよ?」
「全然お仕舞いに出来ないんですけど!!
羽鳥さんにキスマークをつけられる人とかいるんですね!!」
「あの彼氏さんですよね?
なんか意外です、あんまりそういうことをしなさそうな感じで・・・。
あ、でも結構若い男の人ですよね、あの人。」
「福富さんと佐伯さんと同じ歳かな・・・。」
「「え・・・!!!??」」
福富さんと佐伯さんがまた大きな声でリアクションをし、それに今度は福富さんと佐伯さんの2人で周りの人達に可愛く謝っていた。
「私達と同じ歳なんですか!?」
「私よりも少し年上かなって思ってました!
私と同じ歳って考えると大人っぽい感じもしますね。
だって、この子と同じ歳ってことですよね?」
「ねぇ、私の悪口挟んでこないでよ。
本当に性格悪い。」
「性格が悪くても私にはこの顔もこの胸もこのお尻もあるから。」
「そんなに自慢したいならドレス着てくればよかったじゃん。
この会社では私の存在なんて消滅してるんだから今更佐伯さんがドレス着ようが状況は変わらないし。」
何も消滅していない存在の福富さんが無表情でそう言って、私のことを見てきた。
「羽鳥さんって本物のお嬢様なので、エッチなことをするなんて畏れ多くて普通なら出来なさそうですけどね。
どうやってエッチな流れになったんですか?」
「えっと・・・恥ずかしい話なんだけど、私から必死にお願いをして・・・。
若い男の子だからそれに応えてくれた感じでもあるのかなとは思ってる。
あの子が私と同じくらいの歳だったら、逆にもっと色々と考えたり身体もストップをかけることが出来たりして、私のお願いは聞いてくれなかったかも。」
「「若い男の子か~・・・。」」
福富さんと佐伯さんがなんでかその言葉に食い付いた時、向こうから歩いてくる1人の男の人に気付いた。
「2人とも、私の彼氏の話は秘密ね?」
近付いてくる私のお父さんの姿を2人も確認したのか、静かに返事をしてくれた。
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「羽鳥さんは今年もドレスアップをしてくると思ってましたけどね。
今年はどうしたんですか?」
そう聞かれ・・・
昨日の幸治君とのやり取りを思い返した。
そして身体がブワッ─────...と一気に熱くなってきて、顔に汗が少し滲んできた。
甘いお酒が入ったグラスを片手で持ちながら、空いている手で自分の顔を仰ぐ。
そして私の左右に立つ2人の後輩に吐き出した。
「実は・・・その・・・胸元にキスマークがあって、着られるドレスがなくて・・・。」
「「え・・・!!!!??」」
歓談をしている近くの社員達が福富さんと佐伯さんの大きな声にパッと私達の方を見てきた。
会場の隅、壁のギリギリの所に立つ私達の方を。
毎年此処が私の定位置で、忘年会に何の興味もない福富さんと佐伯さんの定位置も此処になっていた。
「大きな声を出してすみませ~ん!」
佐伯さんがそれはもう可愛い笑顔と声を振り撒くと、男の人も女の人もデレッとした顔で私達に頷きまた歓談に戻った。
「出た出た、佐伯さんの外面。
本当はこんなに性格が悪いのに皆騙されてる。」
「煩い、今はそれよりも羽鳥さんの話。」
「それはそうだった。」
豪華な会場も豪華な食事も何の興味もない2人が興味津々な顔で私の方を見てくる。
それには苦笑いをしながら口を開く。
「もう何もないよ?
その、彼氏?・・・に昨日ドレス姿を見られて、胸元にキスマークをつけられちゃって。
それでお仕舞いの話だよ?」
「全然お仕舞いに出来ないんですけど!!
羽鳥さんにキスマークをつけられる人とかいるんですね!!」
「あの彼氏さんですよね?
なんか意外です、あんまりそういうことをしなさそうな感じで・・・。
あ、でも結構若い男の人ですよね、あの人。」
「福富さんと佐伯さんと同じ歳かな・・・。」
「「え・・・!!!??」」
福富さんと佐伯さんがまた大きな声でリアクションをし、それに今度は福富さんと佐伯さんの2人で周りの人達に可愛く謝っていた。
「私達と同じ歳なんですか!?」
「私よりも少し年上かなって思ってました!
私と同じ歳って考えると大人っぽい感じもしますね。
だって、この子と同じ歳ってことですよね?」
「ねぇ、私の悪口挟んでこないでよ。
本当に性格悪い。」
「性格が悪くても私にはこの顔もこの胸もこのお尻もあるから。」
「そんなに自慢したいならドレス着てくればよかったじゃん。
この会社では私の存在なんて消滅してるんだから今更佐伯さんがドレス着ようが状況は変わらないし。」
何も消滅していない存在の福富さんが無表情でそう言って、私のことを見てきた。
「羽鳥さんって本物のお嬢様なので、エッチなことをするなんて畏れ多くて普通なら出来なさそうですけどね。
どうやってエッチな流れになったんですか?」
「えっと・・・恥ずかしい話なんだけど、私から必死にお願いをして・・・。
若い男の子だからそれに応えてくれた感じでもあるのかなとは思ってる。
あの子が私と同じくらいの歳だったら、逆にもっと色々と考えたり身体もストップをかけることが出来たりして、私のお願いは聞いてくれなかったかも。」
「「若い男の子か~・・・。」」
福富さんと佐伯さんがなんでかその言葉に食い付いた時、向こうから歩いてくる1人の男の人に気付いた。
「2人とも、私の彼氏の話は秘密ね?」
近付いてくる私のお父さんの姿を2人も確認したのか、静かに返事をしてくれた。
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