47 / 166
3
3-15
しおりを挟む
18時
会議室の中、簿記3級の教科書を閉じてからノートも閉じた。
それから大きく伸びをしながら天井を見上げる。
これからやろうとしていることはバカみたいなとんでもないことなのに、何故か緊張の中に高揚も含まれている。
私の命と身体を握ってくれている佐伯さんが高揚しているのかもしれない。
「経理部に顔だけ出しに行くか・・・。」
6月にある簿記3級の試験が終わるまで、私の勤務場所はこの会議室になる。
“まずは簿記3級を取ってからじゃないと話にならない。”
“普通”の佐伯さんからそう言われ、私はこれから約2ヶ月間は勉強だけの為に出勤することになる。
「これでお給料を貰えるとか・・・。」
鞄にノートと筆箱を仕舞い、最後に佐伯さんから渡されている簿記3級の教科書を手に取った。
「たった数ページなのに初めて知ることが沢山書いてあった・・・。
これも知らないで3年間経理部にいたのか・・・。」
既に難しい簿記3級の教科書も鞄の中に仕舞い、会議室の扉を開けて歩き始めた。
足取りは不思議と軽い。
経理部の部屋の中に砂川さんがいることは分かっているのに、それでも足取りはこんなにも軽い。
勢いがついたまま経理部の扉を開ける。
「お疲れ様です!お先に失礼します!」
久しぶりにこんなに大きな声が自然と出てきた。
経理部の部屋の中にいた全社員が私の方を向いてくる。
「園江さん、お疲れ様~。」
「お疲れ、園江さん。」
「園江さん、簿記3級で分からないことがあったら聞いてね。」
みんなが私のことを“純”ではなく“園江さん”と呼んでそう声を掛けてくれる。
昔から何処にいっても“純”と呼ばれてきたので不思議な感覚になる。
“男”でもなく“女”でもなく、私のことを1人の“人”としてちゃんと見て貰えている感覚。
それを気持ち良く感じながら大きく頷いた時・・・
「園江さん、こっちの教科書もよかったら見てみて。」
砂川課長が教科書を1冊手に持って私に近付いてきた。
当たり前だけどここでは何の言葉も掛ける予定がなかったのでこれには少し焦る。
「いえ、結構です。
教科書は佐伯さんに貰いましたので。」
「うん、それで分からない所があればこっちの教科書も見てみるといいよ。」
そう言って私の目の前に立って教科書を差し出してくる。
佐伯さんから貰ったちゃんとした教科書よりも随分と可愛い見た目の教科書を。
「貰える物は貰っておきなよ!」
砂川課長の向こう側に見える佐伯さんが“別人”の笑顔で笑いながらそう言った時・・・
「お先に失礼しま~・・・・あ、それ私が使ってるシリーズ!!」
扉まで歩いてきていた福富さんが砂川課長が手に持っている教科書を見てそう言った。
「分かりやすいですよ、これ。
全然可愛くないネコが出てくるけど。」
結構可愛いネコのイラストのことをそう言ってきて、この可愛い福富さんの見た目とのギャップには笑ってしまいそうになり、慌てて口を閉じて佐伯さんの方を見た。
私の“彼氏”である佐伯さんの前で福富さんと関わらない為に。
「砂川さんがしつこく押し付けてくるので受け取りますね!」
私の言葉に経理部の人達が笑い始めた。
「砂川課長、セクハラ大丈夫ですか?」
「それ、セクハラなんじゃない?」
「あ~・・・それはセクハラだ~。」
それには思わず大きく笑ってしまった。
「砂川さんって増田生命にいる時からセクハラセクハラ心配しまくってましたよ!」
「いや、だって研修が・・・」
「定期的に研修があるんですもんね?」
「何故研修があんなにも定期的に開催されるかこっちに来てよく分かったよ。
こっちはセクハラの無法地帯だった。」
「ここの人達そんなにセクハラされてるんですか?」
「いや、俺がここの人達からセクハラを受け続けている。」
そう言われ・・・
「じゃあ、私もここの一員になりましたのでこれから砂川さんにセクハラしますね。」
何故かこんな言葉がスラスラと出てきた自分に驚いた。
砂川さんも驚いた顔になり、その顔にはまた大きく笑いながら砂川さんの手から教科書を受け取った。
「教科書、ありがとうございます。」
「うん・・・。」
受け取ろうとしている教科書を砂川さんがなかなか離してくれず、砂川さんの顔を見上げると砂川さんは教科書をジッと見下ろしていて・・・。
「凄く元気だね、この後何か予定があるの?」
そう聞かれ、私は大きく頷いた。
「男の人と凄く大切な予定があります。」
「そうか・・・。」
砂川さんは教科書からゆっくりと手を離すと私のことをゆっくりと見た。
「お疲れ様、行ってらっしゃい。」
「行ってきます。」
砂川さんに笑い掛けながらその言葉を口にする。
これから1度帰ってから砂川さんの家に行こうと思っていることは口にしないで。
昨日のことなんて何もなかったかのように普通の顔で私に笑っている砂川さんから視線を移し、佐伯さんのことをまた見る。
佐伯さんは可愛い顔で私に手を振ってくれていて、そんな可愛い“女の子”の佐伯さんに笑いながら手を振り返すと顔を赤らめ両手で頬を覆っていた。
佐伯さんの隣には羽鳥さんが座っているはずだけど羽鳥さんのことは絶対に見なかった。
羽鳥さんのことを今見てしまったら絶対にダメだと私の本能が羽鳥さんを見ることを拒絶した。
そのまま私はまた歩き出し、このまま家に1度帰る。
この前のホワイトデーの夜、私の誕生日の夜でもあったあの日に、田代から貰ったバレンタインのお返しである避妊具を取りに。
私のことを“女”にしてくれるモノを取りに行く為に歩く。
不思議と怖くはない。
むしろこんなにもヤル気満々でそっちの方が怖くはある。
“良い子”でいるのにも疲れていたのかもしれない。
“悪い子”になるのはこんなにも良い気分で。
“悪い女”になることも楽しみでしかなかった。
「“良い子”はもう終わり。」
福富さんが乗った閉まりそうになっているエレベーターに私も飛び乗った。
会議室の中、簿記3級の教科書を閉じてからノートも閉じた。
それから大きく伸びをしながら天井を見上げる。
これからやろうとしていることはバカみたいなとんでもないことなのに、何故か緊張の中に高揚も含まれている。
私の命と身体を握ってくれている佐伯さんが高揚しているのかもしれない。
「経理部に顔だけ出しに行くか・・・。」
6月にある簿記3級の試験が終わるまで、私の勤務場所はこの会議室になる。
“まずは簿記3級を取ってからじゃないと話にならない。”
“普通”の佐伯さんからそう言われ、私はこれから約2ヶ月間は勉強だけの為に出勤することになる。
「これでお給料を貰えるとか・・・。」
鞄にノートと筆箱を仕舞い、最後に佐伯さんから渡されている簿記3級の教科書を手に取った。
「たった数ページなのに初めて知ることが沢山書いてあった・・・。
これも知らないで3年間経理部にいたのか・・・。」
既に難しい簿記3級の教科書も鞄の中に仕舞い、会議室の扉を開けて歩き始めた。
足取りは不思議と軽い。
経理部の部屋の中に砂川さんがいることは分かっているのに、それでも足取りはこんなにも軽い。
勢いがついたまま経理部の扉を開ける。
「お疲れ様です!お先に失礼します!」
久しぶりにこんなに大きな声が自然と出てきた。
経理部の部屋の中にいた全社員が私の方を向いてくる。
「園江さん、お疲れ様~。」
「お疲れ、園江さん。」
「園江さん、簿記3級で分からないことがあったら聞いてね。」
みんなが私のことを“純”ではなく“園江さん”と呼んでそう声を掛けてくれる。
昔から何処にいっても“純”と呼ばれてきたので不思議な感覚になる。
“男”でもなく“女”でもなく、私のことを1人の“人”としてちゃんと見て貰えている感覚。
それを気持ち良く感じながら大きく頷いた時・・・
「園江さん、こっちの教科書もよかったら見てみて。」
砂川課長が教科書を1冊手に持って私に近付いてきた。
当たり前だけどここでは何の言葉も掛ける予定がなかったのでこれには少し焦る。
「いえ、結構です。
教科書は佐伯さんに貰いましたので。」
「うん、それで分からない所があればこっちの教科書も見てみるといいよ。」
そう言って私の目の前に立って教科書を差し出してくる。
佐伯さんから貰ったちゃんとした教科書よりも随分と可愛い見た目の教科書を。
「貰える物は貰っておきなよ!」
砂川課長の向こう側に見える佐伯さんが“別人”の笑顔で笑いながらそう言った時・・・
「お先に失礼しま~・・・・あ、それ私が使ってるシリーズ!!」
扉まで歩いてきていた福富さんが砂川課長が手に持っている教科書を見てそう言った。
「分かりやすいですよ、これ。
全然可愛くないネコが出てくるけど。」
結構可愛いネコのイラストのことをそう言ってきて、この可愛い福富さんの見た目とのギャップには笑ってしまいそうになり、慌てて口を閉じて佐伯さんの方を見た。
私の“彼氏”である佐伯さんの前で福富さんと関わらない為に。
「砂川さんがしつこく押し付けてくるので受け取りますね!」
私の言葉に経理部の人達が笑い始めた。
「砂川課長、セクハラ大丈夫ですか?」
「それ、セクハラなんじゃない?」
「あ~・・・それはセクハラだ~。」
それには思わず大きく笑ってしまった。
「砂川さんって増田生命にいる時からセクハラセクハラ心配しまくってましたよ!」
「いや、だって研修が・・・」
「定期的に研修があるんですもんね?」
「何故研修があんなにも定期的に開催されるかこっちに来てよく分かったよ。
こっちはセクハラの無法地帯だった。」
「ここの人達そんなにセクハラされてるんですか?」
「いや、俺がここの人達からセクハラを受け続けている。」
そう言われ・・・
「じゃあ、私もここの一員になりましたのでこれから砂川さんにセクハラしますね。」
何故かこんな言葉がスラスラと出てきた自分に驚いた。
砂川さんも驚いた顔になり、その顔にはまた大きく笑いながら砂川さんの手から教科書を受け取った。
「教科書、ありがとうございます。」
「うん・・・。」
受け取ろうとしている教科書を砂川さんがなかなか離してくれず、砂川さんの顔を見上げると砂川さんは教科書をジッと見下ろしていて・・・。
「凄く元気だね、この後何か予定があるの?」
そう聞かれ、私は大きく頷いた。
「男の人と凄く大切な予定があります。」
「そうか・・・。」
砂川さんは教科書からゆっくりと手を離すと私のことをゆっくりと見た。
「お疲れ様、行ってらっしゃい。」
「行ってきます。」
砂川さんに笑い掛けながらその言葉を口にする。
これから1度帰ってから砂川さんの家に行こうと思っていることは口にしないで。
昨日のことなんて何もなかったかのように普通の顔で私に笑っている砂川さんから視線を移し、佐伯さんのことをまた見る。
佐伯さんは可愛い顔で私に手を振ってくれていて、そんな可愛い“女の子”の佐伯さんに笑いながら手を振り返すと顔を赤らめ両手で頬を覆っていた。
佐伯さんの隣には羽鳥さんが座っているはずだけど羽鳥さんのことは絶対に見なかった。
羽鳥さんのことを今見てしまったら絶対にダメだと私の本能が羽鳥さんを見ることを拒絶した。
そのまま私はまた歩き出し、このまま家に1度帰る。
この前のホワイトデーの夜、私の誕生日の夜でもあったあの日に、田代から貰ったバレンタインのお返しである避妊具を取りに。
私のことを“女”にしてくれるモノを取りに行く為に歩く。
不思議と怖くはない。
むしろこんなにもヤル気満々でそっちの方が怖くはある。
“良い子”でいるのにも疲れていたのかもしれない。
“悪い子”になるのはこんなにも良い気分で。
“悪い女”になることも楽しみでしかなかった。
「“良い子”はもう終わり。」
福富さんが乗った閉まりそうになっているエレベーターに私も飛び乗った。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
王宮に薬を届けに行ったなら
佐倉ミズキ
恋愛
王宮で薬師をしているラナは、上司の言いつけに従い王子殿下のカザヤに薬を届けに行った。
カザヤは生まれつき体が弱く、臥せっていることが多い。
この日もいつも通り、カザヤに薬を届けに行ったラナだが仕事終わりに届け忘れがあったことに気が付いた。
慌ててカザヤの部屋へ行くと、そこで目にしたものは……。
弱々しく臥せっているカザヤがベッドから起き上がり、元気に動き回っていたのだ。
「俺の秘密を知ったのだから部屋から出すわけにはいかない」
驚くラナに、カザヤは不敵な笑みを浮かべた。
「今日、国王が崩御する。だからお前を部屋から出すわけにはいかない」
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
拝啓、大切なあなたへ
茂栖 もす
恋愛
それはある日のこと、絶望の底にいたトゥラウム宛てに一通の手紙が届いた。
差出人はエリア。突然、別れを告げた恋人だった。
そこには、衝撃的な事実が書かれていて───
手紙を受け取った瞬間から、トゥラウムとエリアの終わってしまったはずの恋が再び動き始めた。
これは、一通の手紙から始まる物語。【再会】をテーマにした短編で、5話で完結です。
※以前、別PNで、小説家になろう様に投稿したものですが、今回、アルファポリス様用に加筆修正して投稿しています。
せっかくですもの、特別な一日を過ごしましょう。いっそ愛を失ってしまえば、女性は誰よりも優しくなれるのですよ。ご存知ありませんでしたか、閣下?
石河 翠
恋愛
夫と折り合いが悪く、嫁ぎ先で冷遇されたあげく離婚することになったイヴ。
彼女はせっかくだからと、屋敷で夫と過ごす最後の日を特別な一日にすることに決める。何かにつけてぶつかりあっていたが、最後くらいは夫の望み通りに振る舞ってみることにしたのだ。
夫の愛人のことを軽蔑していたが、男の操縦方法については学ぶところがあったのだと気がつく彼女。
一方、突然彼女を好ましく感じ始めた夫は、離婚届の提出を取り止めるよう提案するが……。
愛することを止めたがゆえに、夫のわがままにも優しく接することができるようになった妻と、そんな妻の気持ちを最後まで理解できなかった愚かな夫のお話。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID25290252)をお借りしております。
子育てが落ち着いた20年目の結婚記念日……「離縁よ!離縁!」私は屋敷を飛び出しました。
さくしゃ
恋愛
アーリントン王国の片隅にあるバーンズ男爵領では、6人の子育てが落ち着いた領主夫人のエミリアと領主のヴァーンズは20回目の結婚記念日を迎えていた。
忙しい子育てと政務にすれ違いの生活を送っていた二人は、久しぶりに二人だけで食事をすることに。
「はぁ……盛り上がりすぎて7人目なんて言われたらどうしよう……いいえ!いっそのことあと5人くらい!」
気合いを入れるエミリアは侍女の案内でヴァーンズが待つ食堂へ。しかし、
「信じられない!離縁よ!離縁!」
深夜2時、エミリアは怒りを露わに屋敷を飛び出していった。自室に「実家へ帰らせていただきます!」という書き置きを残して。
結婚20年目にして離婚の危機……果たしてその結末は!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる