53 / 78
第53話 バイト代
しおりを挟む
「8月20日でバイトを辞めさせてもらいたいんですけど」とカズミが言ったら、店長が悲しそうな顔をした。
「おれの釣りはどうなる?」
「行きたい日は休店にしてください」
「なぜ辞める?」
「店長、忘れていませんか? あたしは高校生ですよ。夏休みの宿題をやらなくちゃならないし、遊びだってしたい。なにより、9月から新学期が始まるんです。いつまでもバイトはつづけられないです」
店長はがくりと膝を折った。
8月20日、カズミは張り切って働いた。
店長は釣りに行っていて、留守だったが、彼女は平気だった。
もう24日間も働いている。
レジは完璧だし、各商品がどこにあるかは把握しているし、お客さんからの問い合わせにも慣れた。すべてをきちんと答えることはできないが、わからないことは「すみません、あたしバイトなんでわからないです」と正直に答えて対応していた。それで問題はなかった。
バイト最終日もつつがなく仕事を終えた。
店長がバイト代をくれた。
1日につき7200円で24日働いたから、172800円がカズミの手に入った。
172800円!
大金だ。
「お疲れさま。よく働いてくれた。ありがとう」
「お世話になりました。冬休みにまた雇ってください!」
「空きがあったらな」
大金を鞄にしまって、カズミはうきうきと水郷釣具店を出た。
まだ夏休みは11日間も残っている。
彼女は美沙希に電話をかけた。
「はい、川村です」
「あたしだよ~。美沙希、バイト今日で辞めたから、明日遊ばない?」
「遊ぶ! 釣りに行こう!」
「う~ん、釣りでもいいんだけど、もっと夏らしいことをしない?」
「何するの?」
「プールに行こう!」
「プールかあ。私、泳ぐの苦手なんだ……」
「あー、前に落水して溺れかけたもんね……。プールで水泳の練習をしようよ。あたしが教えてあげる!」
「わかった。プールに行く」
「朝10時に迎えに行くね」
明日の予定が決まった。
美沙希とプール!
カズミはるんるんと浮かれながら、自宅に帰った。
「おれの釣りはどうなる?」
「行きたい日は休店にしてください」
「なぜ辞める?」
「店長、忘れていませんか? あたしは高校生ですよ。夏休みの宿題をやらなくちゃならないし、遊びだってしたい。なにより、9月から新学期が始まるんです。いつまでもバイトはつづけられないです」
店長はがくりと膝を折った。
8月20日、カズミは張り切って働いた。
店長は釣りに行っていて、留守だったが、彼女は平気だった。
もう24日間も働いている。
レジは完璧だし、各商品がどこにあるかは把握しているし、お客さんからの問い合わせにも慣れた。すべてをきちんと答えることはできないが、わからないことは「すみません、あたしバイトなんでわからないです」と正直に答えて対応していた。それで問題はなかった。
バイト最終日もつつがなく仕事を終えた。
店長がバイト代をくれた。
1日につき7200円で24日働いたから、172800円がカズミの手に入った。
172800円!
大金だ。
「お疲れさま。よく働いてくれた。ありがとう」
「お世話になりました。冬休みにまた雇ってください!」
「空きがあったらな」
大金を鞄にしまって、カズミはうきうきと水郷釣具店を出た。
まだ夏休みは11日間も残っている。
彼女は美沙希に電話をかけた。
「はい、川村です」
「あたしだよ~。美沙希、バイト今日で辞めたから、明日遊ばない?」
「遊ぶ! 釣りに行こう!」
「う~ん、釣りでもいいんだけど、もっと夏らしいことをしない?」
「何するの?」
「プールに行こう!」
「プールかあ。私、泳ぐの苦手なんだ……」
「あー、前に落水して溺れかけたもんね……。プールで水泳の練習をしようよ。あたしが教えてあげる!」
「わかった。プールに行く」
「朝10時に迎えに行くね」
明日の予定が決まった。
美沙希とプール!
カズミはるんるんと浮かれながら、自宅に帰った。
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
恋愛
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
せんせいとおばさん
悠生ゆう
恋愛
創作百合
樹梨は小学校の教師をしている。今年になりはじめてクラス担任を持つことになった。毎日張り詰めている中、クラスの児童の流里が怪我をした。母親に連絡をしたところ、引き取りに現れたのは流里の叔母のすみ枝だった。樹梨は、飄々としたすみ枝に惹かれていく。
※学校の先生のお仕事の実情は知りませんので、間違っている部分がっあたらすみません。
放課後の約束と秘密 ~温もり重ねる二人の時間~
楠富 つかさ
恋愛
中学二年生の佑奈は、母子家庭で家事をこなしながら日々を過ごしていた。友達はいるが、特別に誰かと深く関わることはなく、学校と家を行き来するだけの平凡な毎日。そんな佑奈に、同じクラスの大波多佳子が積極的に距離を縮めてくる。
佳子は華やかで、成績も良く、家は裕福。けれど両親は海外赴任中で、一人暮らしをしている。人懐っこい笑顔の裏で、彼女が抱えているのは、誰にも言えない「寂しさ」だった。
「ねぇ、明日から私の部屋で勉強しない?」
放課後、二人は図書室ではなく、佳子の部屋で過ごすようになる。最初は勉強のためだったはずが、いつの間にか、それはただ一緒にいる時間になり、互いにとってかけがえのないものになっていく。
――けれど、佑奈は思う。
「私なんかが、佳子ちゃんの隣にいていいの?」
特別になりたい。でも、特別になるのが怖い。
放課後、少しずつ距離を縮める二人の、静かであたたかな日々の物語。
4/6以降、8/31の完結まで毎週日曜日更新です。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる