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第二章

ノーザンコート伯爵 探りを入れる

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アイラは心配していた。

王都から帰って以来、旦那様の様子がおかしい。
最近わたくしと、閨を共にしてくださらない。
以前は週に2.3度は一緒に過ごしてくれたのに、、、
王都に好きな女でも出来たのかしら?
イヤよ、そんなのイヤ、
でも、今日は義父様よりわたくしを庇ってくれたし、
いつのと同じだわ。
今日は、共に過ごしてくださるかも、
「ルル、今日は香を炊いて、
旦那様をお迎えしたいの、お願いね!」

————

ルルは感じていた。

旦那様の様子がおかしい。
王都へ行ってからと言うもの、香の匂いを流しても、奥様のベッドへ来ない。
いつもなら匂いに釣られてフラフラ自分の方から来るのに•••••
顔色も良くなって来てるし?
薬が抜けた?
あれはそう簡単に抜けない。
解毒剤か? 気付かれた?
だいぶ儲けさせてもらったが、そろそろ潮時かもしれない、、、
では、手土産に奥様を沈めようかね!
あのバカ女、ハハハ

———————

本日は香を使用する相談をしておりました。

そうかご苦労様であった。

アイラと筆頭侍女だな、

はい

お前は香の匂いを嗅がぬよう、今日は屋根裏に登るな。よいな!

はい旦那様

——————-

夜、嫌がるローガンに無理矢理匂いを嗅がせ
寝室に向かわせた。

その隙に アイラの部屋に忍び込み 従者2人連れて 帳簿を調べる。
六年前まではローガンが付けてセバスチャンがチェックしていたので以前の物はローガンの書斎に残って居る。
それ以降の帳簿が見当たらない。
帳簿自体が、無いのだ?
普通は帳簿があり、そして裏帳簿が存在する。
裏帳簿を隠すのは当たり前だが、一般の帳簿まで隠す必要があるだろうか?
では、誰が管理しているのか?
ルルが?
あいつ以外考えられない。

今、ルルは寝室の隣り部屋に入っている。
ルルの部屋を調べに向かった。

ルルの部屋を探したが、帳簿は見つからなかった。
探し方が、悪いのか?

ベッド、机、カバン、至る所を探す。
ダンスを調べ、ここも空振りか、とダンスの奥に手をつく。
<カタン>と後ろの板が外れた。
マズイ、ダンスを壊したか!とバレるまえに直さなければとよく見ると、
ビッシリと現金が埋まっていた。
壁の中に、いや、ダンスの後ろ部屋と部屋の間に隙があるのだ、
そこに現金が隠してあったのだ。
ここに、帳簿もあるやも、、、、

(コツコツ、コツコツ、コツコツ)

合図が来た。
タンスを元通りに戻して即座に撤退してした。

————-

セバスチャン及び子飼いのもの達と考える。

しかし、あの、現金は、、、
現金が一番足がつかない。
入って来る金を現金に変え着服していたのか?
帳簿は何処だ、何処にあるのだ、

現金の持ち出しは誰が?
ルルは若い出入り業者と、逢引きをしていた。
あれは家具屋だ。
そうだ、あの、箱だ!
セバスチャンは小声で叫んだ

家具入れ変えでよく本館に出入りしていた男、あいつが現金の運搬役だ!

多分、家具屋は嘘、モルゾーラ一味であろう。
着服したカネの流れは
モルゾーラ→コンソール商会→クロスリー子爵なのか?
もっと大物が黒幕か?

もっと、証拠が欲しい、
私がここに居るうちは尻尾を出さないであろう。
私の手の者をクラレンスに送り込もう。

ノーザンコート伯爵は部下に手紙を書いた。

——————--

ノーザンコート伯爵考えていた。

「なぁ、お昼のデザート あれ原料は何だと思う?」
「明日、マリーちゃんに聞けばいいでしょう」
「気になって眠れないんだよ」
「じゃあ、セバスチャンに聞けばよろしいんじゃないの」
「おっ、名案だな、聞きに行ってくるよ」
「はいはい」

しかし、セバスチャンは沈黙を守った。
「明日のお楽しみです。」







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