51 / 163
第二章
お祖父様とあずき 1
しおりを挟むお祖父様御一行がいらした。
お昼を本館で取ってからこちらにいらっしゃるそうだ。
アーモンドのキャラメル掛けを用意してお待ちする。
そして、冷やしたあずきゼリー!
うふふ、うふふ、
お祖父様のお眼鏡に叶ったあかつきには••••
うふふ、うふふ
[甘味や]を作るのよ!
クラレンス領町おこし、
すでに、リリアンが店長に立候補してるし、、、
まずは商標登録ね!
うふふ、うふふ
スキップしながら出迎えた。
「お祖父さまぁ~、お婆さまぁ~お待ちしておりました。」
下心一杯で猫撫で声を出す。
お土産に黒のバロック真珠が付いたネックレスをもらった。
定番のピーコックカラーではなく、赤~青の照り反射が大変強いかなり珍しい色味だ。
一粒でも存在感がある。
さらにチェーンの間ゝを幾つものラピスラズリで繋いである。
ラピスラズリは黒に見える程の濃い青で金が入っている。
「黒真珠は邪気を払うと言う。
そして、ラピスラズリは神に繋がる石。
この色だと、お前の髪色と肌の色に合うし地味になりすぎないだろう。
それに、皆とお揃いのネックレスと重ねてつけても合うと思うてな!」
わざわざキングスバリー公に頼んで探してもらったのよ!、とお婆様がバラした。
とても仲の良い夫婦で羨ましく思った。
私に、空と海の加護をと、、、
祖父母の強い愛情を感じ目頭が熱くなった。
「さぁ、お客様にデザートをお出しして!」
私は元気に合図した。
「これがエリザベス様を虜にしたキャラメルというものか、」
「バターの味と、アクセントに少しの苦味
ミルキーでとても美味しいわ!」
緩く作れば、ソースになりますのでアイスに掛けたり出来ますし、パンに塗っても美味しいです。後で、で実演しますね。
その前に、メインデザートのお披露目です。
ジャジャーン、さぁ ご賞味あれ!
あれ、反応が薄い。
「これ、なんだね。」
「ゼリーです、」
「中にある、この、なんといってよいのか?不思議な色のモノはなんだ?」
お祖父様、初めての色の食べ物に躊躇している。
お婆様が気を遣って手を付けてくれた。
口に運び、、、
「あら、まあまあ、柔らかいお味だわ、
うふふ、
ほら、貴方食べてご覧なさい。」
お祖父様意を決して、口に入れる
「おや、これは、、、、」
「ねっ!良いでしょう~、」
お婆様、完食である。
お祖父様、不思議な顔をしている。
「ミルクでも無く、果物でもない、上の紫っぽいペーストは???
粉っぽいがサラッと口の中で溶けて、
下には豆のようなものが?なんの豆なのか?」
••••••思考している。
「ね、マリーちゃん とても美味しいわ!
クドくなくて、サッパリとした甘さで、
もう一ついただけるかしら?」
おっ、さっそくのおかわり
そして[マリーちゃん]呼び!
どーぞ、どーぞ、たくさん あります。
実は昨日、リリアンが、自分用にとコッソリあずきを水に漬けていたのを発見
ただ今、煮ている最中であります。
お祖父様もセバスチャンにコッソリとお代わりしてる。
気に入ってもらえたようだわ。
では、この正体を明かしましょうか、
と言うところで、敵機来襲、敵機来襲!
アナベル様&アイラ様御一行が乱入して来た
「なんです、この様な酷い物を食べさせるなんて、
義父様 申し訳ございません。
わたくしの躾が至らないばかりに•••
マリアベル、謝りなさい、
子供のままごとのような物を食べさせるなんて」
<<パシン>>
アイラは扇子で、私の手の甲を打ち据えた、
これは、謝らないと終わらないなぁ、と思い
即座に詫びる姿勢を取ろうとした。
お婆様が私の前に立った。
「アイラさん、扇子で叩く事が躾なのですか?
貴方は再婚に当たり、マリアベルを実子として慈しみ育てると約束したではありませんか。」
「優しくすると、この子はつけ上がるんです。節操がありません。
だから、心を鬼にして、躾ているんです。」
面倒なので、とりあえず謝ってこの場合を納めようと思い頭を下げた。
屈んだ時、胸からソフィア様達とのお揃いのネックレスが前にスルリ出た、
すかさずアナベルが
「酷いわ、お祖父様ったら私には安物のパール、マリアベルにはこんな素敵なネックレス、
酷いわ、酷いわ、」
「義父様、酷いですわ、アナベルは血を分けた たった1人の孫なのに •••」
アイラは目に涙を浮かべフルフルと震える。
私はネックレスは友人にプレゼントされた物だと説明するが、、、
「また、盗んだのね、泥棒猫、
どうして、お前はそう卑しいの
義父様、この子はこういう子なんです。
こんな子をクラレンスに入れてはローガン様の恥になります。
どうか追い出して下さい、お願いです」
膝を付き、お祖父様の手を掴み、涙を溜め上目遣いで懇願する。
そこで、父ローガン参上
真打は最高に登場すると決まっている
大声を上げ、
「父上、これ以上 私の妻を困らせないで下さい。」
怒鳴りながら
「アナベルにはもっと良いものを買えばよい。」
「さあ、本館へ帰るぞ、」
3人は引き上げていった。
父は、振り向き様に
お祖父様にペコリと会釈して行った。
まるで下手な喜劇をみせられたようで、私はクスっと笑ってしまった
お祖父様とお婆様が頭を下げた。
「マリアベル、止める事が出来なくてすまなんだ。
訳あって、ローガンの病気が治った事は伏せてある。
先ほどのローガンとて本気では無いのだ
信じてくれ」
「お祖父様の本意で無いのは理解出来ておりますわ、
だって、お父様のセリフ '棒読み 'でしたもの」
私はクスクス笑った。
全くアヤツはダメな男だのう、、、
お祖父様は呆れ顔をした。
「マリーちゃん、手の甲赤くなっているわ、
誰か、お薬をお願い」
「お婆様、大丈夫なんですよ、」
私は手の甲を片側の手で包み心の中で唱えた
(痛いの飛んでけー)
一瞬キラキラしてすぐ治った。
お婆様が感心して尋ねた。
「まあ、これがマリーちゃんの"おまじない"なのね。
とても素敵だわ、後で私にもかけてね!」
その後、お祖父様達は本館へ帰って行った。
1
お気に入りに追加
182
あなたにおすすめの小説

[完結]前世引きこもりの私が異世界転生して異世界で新しく人生やり直します
mikadozero
ファンタジー
私は、鈴木凛21歳。自分で言うのはなんだが可愛い名前をしている。だがこんなに可愛い名前をしていても現実は甘くなかった。
中高と私はクラスの隅で一人ぼっちで生きてきた。だから、コミュニケーション家族以外とは話せない。
私は社会では生きていけないほどダメ人間になっていた。
そんな私はもう人生が嫌だと思い…私は命を絶った。
自分はこんな世界で良かったのだろうかと少し後悔したが遅かった。次に目が覚めた時は暗闇の世界だった。私は死後の世界かと思ったが違かった。
目の前に女神が現れて言う。
「あなたは命を絶ってしまった。まだ若いもう一度チャンスを与えましょう」
そう言われて私は首を傾げる。
「神様…私もう一回人生やり直してもまた同じですよ?」
そう言うが神は聞く耳を持たない。私は神に対して呆れた。
神は書類を提示させてきて言う。
「これに書いてくれ」と言われて私は書く。
「鈴木凛」と署名する。そして、神は書いた紙を見て言う。
「鈴木凛…次の名前はソフィとかどう?」
私は頷くと神は笑顔で言う。
「次の人生頑張ってください」とそう言われて私の視界は白い世界に包まれた。
ーーーーーーーーー
毎話1500文字程度目安に書きます。
たまに2000文字が出るかもです。
残念ながら主人公はゲスでした。~異世界転移したら空気を操る魔法を得て世界最強に。好き放題に無双する俺を誰も止められない!~
日和崎よしな
ファンタジー
―あらすじ―
異世界に転移したゲス・エストは精霊と契約して空気操作の魔法を獲得する。
強力な魔法を得たが、彼の真の強さは的確な洞察力や魔法の応用力といった優れた頭脳にあった。
ゲス・エストは最強の存在を目指し、しがらみのない異世界で容赦なく暴れまくる!
―作品について―
完結しました。
全302話(プロローグ、エピローグ含む),約100万字。

最底辺の転生者──2匹の捨て子を育む赤ん坊!?の異世界修行の旅
散歩道 猫ノ子
ファンタジー
捨てられてしまった2匹の神獣と育む異世界育成ファンタジー
2匹のねこのこを育む、ほのぼの育成異世界生活です。
人間の汚さを知る主人公が、動物のように純粋で無垢な女の子2人に振り回されつつ、振り回すそんな物語です。
主人公は最強ですが、基本的に最強しませんのでご了承くださいm(*_ _)m

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す
紅月シン
ファンタジー
七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。
才能限界0。
それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。
レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。
つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。
だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。
その結果として実家の公爵家を追放されたことも。
同日に前世の記憶を思い出したことも。
一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。
その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。
スキル。
そして、自らのスキルである限界突破。
やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。
※小説家になろう様にも投稿しています

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡
サクラ近衛将監
ファンタジー
女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。
シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。
シルヴィの将来や如何に?
毎週木曜日午後10時に投稿予定です。

異世界の片隅で引き篭りたい少女。
月芝
ファンタジー
玄関開けたら一分で異世界!
見知らぬオッサンに雑に扱われただけでも腹立たしいのに
初っ端から詰んでいる状況下に放り出されて、
さすがにこれは無理じゃないかな? という出オチ感漂う能力で過ごす新生活。
生態系の最下層から成り上がらずに、こっそりと世界の片隅で心穏やかに過ごしたい。
世界が私を見捨てるのならば、私も世界を見捨ててやろうと森の奥に引き篭った少女。
なのに世界が私を放っておいてくれない。
自分にかまうな、近寄るな、勝手に幻想を押しつけるな。
それから私を聖女と呼ぶんじゃねぇ!
己の平穏のために、ふざけた能力でわりと真面目に頑張る少女の物語。
※本作主人公は極端に他者との関わりを避けます。あとトキメキLOVEもハーレムもありません。
ですので濃厚なヒューマンドラマとか、心の葛藤とか、胸の成長なんかは期待しないで下さい。
神様 なかなか転生が成功しないのですが大丈夫ですか
佐藤醤油
ファンタジー
主人公を神様が転生させたが上手くいかない。
最初は生まれる前に死亡。次は生まれた直後に親に捨てられ死亡。ネズミにかじられ死亡。毒キノコを食べて死亡。何度も何度も転生を繰り返すのだが成功しない。
「神様、もう少し暮らしぶりの良いところに転生できないのですか」
そうして転生を続け、ようやく王家に生まれる事ができた。
さあ、この転生は成功するのか?
注:ギャグ小説ではありません。
最後まで投稿して公開設定もしたので、完結にしたら公開前に完結になった。
なんで?
坊、投稿サイトは公開まで完結にならないのに。

元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる