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第二章
お祖父様とあずき 1
しおりを挟むお祖父様御一行がいらした。
お昼を本館で取ってからこちらにいらっしゃるそうだ。
アーモンドのキャラメル掛けを用意してお待ちする。
そして、冷やしたあずきゼリー!
うふふ、うふふ、
お祖父様のお眼鏡に叶ったあかつきには••••
うふふ、うふふ
[甘味や]を作るのよ!
クラレンス領町おこし、
すでに、リリアンが店長に立候補してるし、、、
まずは商標登録ね!
うふふ、うふふ
スキップしながら出迎えた。
「お祖父さまぁ~、お婆さまぁ~お待ちしておりました。」
下心一杯で猫撫で声を出す。
お土産に黒のバロック真珠が付いたネックレスをもらった。
定番のピーコックカラーではなく、赤~青の照り反射が大変強いかなり珍しい色味だ。
一粒でも存在感がある。
さらにチェーンの間ゝを幾つものラピスラズリで繋いである。
ラピスラズリは黒に見える程の濃い青で金が入っている。
「黒真珠は邪気を払うと言う。
そして、ラピスラズリは神に繋がる石。
この色だと、お前の髪色と肌の色に合うし地味になりすぎないだろう。
それに、皆とお揃いのネックレスと重ねてつけても合うと思うてな!」
わざわざキングスバリー公に頼んで探してもらったのよ!、とお婆様がバラした。
とても仲の良い夫婦で羨ましく思った。
私に、空と海の加護をと、、、
祖父母の強い愛情を感じ目頭が熱くなった。
「さぁ、お客様にデザートをお出しして!」
私は元気に合図した。
「これがエリザベス様を虜にしたキャラメルというものか、」
「バターの味と、アクセントに少しの苦味
ミルキーでとても美味しいわ!」
緩く作れば、ソースになりますのでアイスに掛けたり出来ますし、パンに塗っても美味しいです。後で、で実演しますね。
その前に、メインデザートのお披露目です。
ジャジャーン、さぁ ご賞味あれ!
あれ、反応が薄い。
「これ、なんだね。」
「ゼリーです、」
「中にある、この、なんといってよいのか?不思議な色のモノはなんだ?」
お祖父様、初めての色の食べ物に躊躇している。
お婆様が気を遣って手を付けてくれた。
口に運び、、、
「あら、まあまあ、柔らかいお味だわ、
うふふ、
ほら、貴方食べてご覧なさい。」
お祖父様意を決して、口に入れる
「おや、これは、、、、」
「ねっ!良いでしょう~、」
お婆様、完食である。
お祖父様、不思議な顔をしている。
「ミルクでも無く、果物でもない、上の紫っぽいペーストは???
粉っぽいがサラッと口の中で溶けて、
下には豆のようなものが?なんの豆なのか?」
••••••思考している。
「ね、マリーちゃん とても美味しいわ!
クドくなくて、サッパリとした甘さで、
もう一ついただけるかしら?」
おっ、さっそくのおかわり
そして[マリーちゃん]呼び!
どーぞ、どーぞ、たくさん あります。
実は昨日、リリアンが、自分用にとコッソリあずきを水に漬けていたのを発見
ただ今、煮ている最中であります。
お祖父様もセバスチャンにコッソリとお代わりしてる。
気に入ってもらえたようだわ。
では、この正体を明かしましょうか、
と言うところで、敵機来襲、敵機来襲!
アナベル様&アイラ様御一行が乱入して来た
「なんです、この様な酷い物を食べさせるなんて、
義父様 申し訳ございません。
わたくしの躾が至らないばかりに•••
マリアベル、謝りなさい、
子供のままごとのような物を食べさせるなんて」
<<パシン>>
アイラは扇子で、私の手の甲を打ち据えた、
これは、謝らないと終わらないなぁ、と思い
即座に詫びる姿勢を取ろうとした。
お婆様が私の前に立った。
「アイラさん、扇子で叩く事が躾なのですか?
貴方は再婚に当たり、マリアベルを実子として慈しみ育てると約束したではありませんか。」
「優しくすると、この子はつけ上がるんです。節操がありません。
だから、心を鬼にして、躾ているんです。」
面倒なので、とりあえず謝ってこの場合を納めようと思い頭を下げた。
屈んだ時、胸からソフィア様達とのお揃いのネックレスが前にスルリ出た、
すかさずアナベルが
「酷いわ、お祖父様ったら私には安物のパール、マリアベルにはこんな素敵なネックレス、
酷いわ、酷いわ、」
「義父様、酷いですわ、アナベルは血を分けた たった1人の孫なのに •••」
アイラは目に涙を浮かべフルフルと震える。
私はネックレスは友人にプレゼントされた物だと説明するが、、、
「また、盗んだのね、泥棒猫、
どうして、お前はそう卑しいの
義父様、この子はこういう子なんです。
こんな子をクラレンスに入れてはローガン様の恥になります。
どうか追い出して下さい、お願いです」
膝を付き、お祖父様の手を掴み、涙を溜め上目遣いで懇願する。
そこで、父ローガン参上
真打は最高に登場すると決まっている
大声を上げ、
「父上、これ以上 私の妻を困らせないで下さい。」
怒鳴りながら
「アナベルにはもっと良いものを買えばよい。」
「さあ、本館へ帰るぞ、」
3人は引き上げていった。
父は、振り向き様に
お祖父様にペコリと会釈して行った。
まるで下手な喜劇をみせられたようで、私はクスっと笑ってしまった
お祖父様とお婆様が頭を下げた。
「マリアベル、止める事が出来なくてすまなんだ。
訳あって、ローガンの病気が治った事は伏せてある。
先ほどのローガンとて本気では無いのだ
信じてくれ」
「お祖父様の本意で無いのは理解出来ておりますわ、
だって、お父様のセリフ '棒読み 'でしたもの」
私はクスクス笑った。
全くアヤツはダメな男だのう、、、
お祖父様は呆れ顔をした。
「マリーちゃん、手の甲赤くなっているわ、
誰か、お薬をお願い」
「お婆様、大丈夫なんですよ、」
私は手の甲を片側の手で包み心の中で唱えた
(痛いの飛んでけー)
一瞬キラキラしてすぐ治った。
お婆様が感心して尋ねた。
「まあ、これがマリーちゃんの"おまじない"なのね。
とても素敵だわ、後で私にもかけてね!」
その後、お祖父様達は本館へ帰って行った。
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