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お兄ちゃんの歪んだ愛情
お兄ちゃんの歪んだ愛情
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「未知、迎えにきたよ。パパと帰ろうか」
にっこりと笑みを浮かべながら手招きするお兄ちゃん。
怖くて手足がガタガタと震え出した。
「パパと一緒にその子を育てよう」
ジリジリと一歩ずつ近寄ってくるお兄ちゃん。この子達は大好きな彼との間に授かった赤ちゃんだもの。お腹を左手で守りながら、右手で跡が残るくらい彼の手を強く握り締めた。
「例え実の父だろうが未知には指一本たりとも触れさせない。未知は俺の大事な妻だ」
僕を庇うように一歩前に出る彼。今まで見たこともないような厳しい表情でお兄ちゃんを睨み付けた。
「尊さん、私の可愛い未知にそれ以上近付くことは許しませんよ」
橘さんまでも僕を守るため、危険を顧みずお兄ちゃんの前に立ち塞がった。
「結婚おめでとう柚原」
吊り上がった冷たい目で嘲笑いながらスカルが突然、パチパチと両手を叩き始めた。
「何故それを知ってる」
「くくっ、俺らの雌鼠は地獄耳でね」
「お前の考えることだ。どうせ女を薬漬けにして操り人形にでもしたんだろう」
「ハハハ、それはどうかな!?しかし驚いたよ。お前みたいな悪党が結婚とはな」
スカルが銃を構え、銃口を柚原さんに向けた。
「心配するな、お前の代わりに俺がその女、じっくりと可愛がってやるから。安心して死ね」
「悪いなスカル。新婚の妻を残して死ぬわけにはいかないんだ」
両者一歩も引かず。
睨み合いながら、引き金を引くのはほぼ同時だった。
パンパンと乾いた音が二回鳴り響き、そのあと更に二回、バンバンと鈍い音が連続で響いた。
橘さんが「柚原さん!」とありったけの声で
叫びながら、ガクンと片膝をついて踞った柚原さんに駆け寄っていった。
にっこりと笑みを浮かべながら手招きするお兄ちゃん。
怖くて手足がガタガタと震え出した。
「パパと一緒にその子を育てよう」
ジリジリと一歩ずつ近寄ってくるお兄ちゃん。この子達は大好きな彼との間に授かった赤ちゃんだもの。お腹を左手で守りながら、右手で跡が残るくらい彼の手を強く握り締めた。
「例え実の父だろうが未知には指一本たりとも触れさせない。未知は俺の大事な妻だ」
僕を庇うように一歩前に出る彼。今まで見たこともないような厳しい表情でお兄ちゃんを睨み付けた。
「尊さん、私の可愛い未知にそれ以上近付くことは許しませんよ」
橘さんまでも僕を守るため、危険を顧みずお兄ちゃんの前に立ち塞がった。
「結婚おめでとう柚原」
吊り上がった冷たい目で嘲笑いながらスカルが突然、パチパチと両手を叩き始めた。
「何故それを知ってる」
「くくっ、俺らの雌鼠は地獄耳でね」
「お前の考えることだ。どうせ女を薬漬けにして操り人形にでもしたんだろう」
「ハハハ、それはどうかな!?しかし驚いたよ。お前みたいな悪党が結婚とはな」
スカルが銃を構え、銃口を柚原さんに向けた。
「心配するな、お前の代わりに俺がその女、じっくりと可愛がってやるから。安心して死ね」
「悪いなスカル。新婚の妻を残して死ぬわけにはいかないんだ」
両者一歩も引かず。
睨み合いながら、引き金を引くのはほぼ同時だった。
パンパンと乾いた音が二回鳴り響き、そのあと更に二回、バンバンと鈍い音が連続で響いた。
橘さんが「柚原さん!」とありったけの声で
叫びながら、ガクンと片膝をついて踞った柚原さんに駆け寄っていった。
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