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「じゃあ……テキトーに送るからな」

「しーっ!ダメだよ。こういうのは雰囲気が大事なんだから」

テキトーにメッセージを打ち込みながら言うと、ピシャリとお叱りを受ける。

(はぁ……とりあえず、優真の気が済むまで付き合うか)

隣でワクワクしながら俺からのメッセージを待つ優真の姿を見ると、怒る気も失せていく。

(しょーがねぇな)

文章は何でもいいと言われているので、俺は思いつくままに打ち込んでいく。

(……よし、送信、と)

大したことは書いていないと思う。

けれど少しして、優真が喜びの声をあげた。

「ああ……いいよ、いいに決まってるよ、僕の……いや、僕だけのエンジェルっっ!」

「だぁあっ!声かけんな!エンジェルやめろ!雰囲気作るんじゃねぇのかよっ!?」

「あっ、そうだった。でも、嬉しくて、ね……ふふ」

「もー……さっさと返信しろよ」

「わかってるって」

……あぁぁぁあぁぁあぁぃぁぁぁぁぁぁあ!!

なんっだこれ!?

くっっっそ恥ずかしい!!

なんだか、手紙を目の前で読まれているような気分になり、俺は内心絶叫した。

しかし優真は照れるそぶりもなく、嬉しそうに返事を書いている。

そして、少しして手元のスマホが震えた。

「……」

その返信内容に、心が舞い上がる。

(……へへ、やった)

優真からの返信に、俺は更に返す。

『じゃあ、テキトーな部屋着貸して?』

それにまた優真が返す。

『実は、陽斗に似合いそうなの、最近買ってきたんだ。駅ビルの中の店で買った安物だけどさ』

いや、いつの間に買ったんだよ。

つい直接ツッコミそうになるが、なんとか堪えて返事を打ち込む。

『いつの間に買ったんだよ!?てか、見たい』

送信すると、優真はじっとメッセージを確認し、立ち上がった。

「待ってて。持ってくる」

「う、うん」

俺は頷き、隣の部屋へ去っていく優真の背中を見送った。

(はぁ……一体どんな服なんだろ。てか……)

メッセージのやり取りを思い出し、つい顔がにやける。

(今日もお泊まり、OKで良かった)
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