必ず会いに行くから、どうか待っていて

十時(如月皐)

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稽古がなくなった代わりに増えた、《夜の稽古》

なぜこのような行為をするのか、聞いてみても、答えはなかった。
ただ、その指で、弄ぶだけ……。


ネオの本心が、わからない。

否……
聞いて、ネオが離れてしまうのが怖い。



「お嬢様は、こちらのお稽古は得意でいらっしゃるのですね」

腰に指を滑らせると、下着の中に手を入れた。


「ほら、こんなに愛液が滴っている」

「っぁ、ひぁ……っ!」


グチュっと、卑猥な音が耳に届く。
静かな部屋に響き渡り、恥ずかしさで腰を動かした。


ネオは、おや、と首をかしげた。

「もっと触って欲しいという、おねだり、ですか」

「ち、ちが……っ!」

「素直になれば、もっと気持ちよくして差し上げますよ」


そういいながら、下着をゆっくりと脱がせていく。
太ももから抜けていき、足元へと落ちる。

シアのスカートをまくり上げると、なにも身につけていない体をあらわにさせた。


太ももを伝う、愛液。
見られていると思うと、より、熱を帯びる。


ジンジンとして、どうしたらいいのかわからない。
もどかしい気持ちで、ネオを見つめる。


ネオの足が、太もものあいだに割って入る。
触れたあたりが、ビクンッと跳ねた。



ネオは、くくく、と笑った。

「いわないと、わかりませんよ」

「ひ、ぁっ……む、りぃ……っ」

「なにが、ですか?」


シアの瞳には、しだいに涙が浮かぶ。



やめて欲しいのに。
体が、ネオを求めてしまう。



熱を帯びた体に触れる手を、もっと欲しいと願ってしまう。


この熱の正体が、なんなのか――…
シアは知らない。


だから、どうすればいいのか、わからない。


言葉に詰まっていると、ネオの指が、股のあたりに触れた。


固くなった蕾。



すっと撫でると、シアの体が跳ね上がった。

「ひぁっ、んぁっン!!」

電気が走ったみたいに、体中がビリビリとする。



もっと、ネオに触れて欲しい。
もっと、求めて欲しい。

私だけを、見て欲しい。



欲望だらけの感情が、シアの心を支配する。



「も、っ…とぉ…っ」

羞恥心を捨てて、シアは欲望に忠実になる。
その言葉を聞いたネオは、さらに蕾に触れた。


擦るように何度も往復する指先。
愛液が溢れて、太ももを濡らす。


「あっ、ぁひぅっ……ンぁっ」

「お嬢様、私の指で、イッてください」



イクって、なに……?

どういうこと……?

わからない。


けれど……
いま確実にいえることは、もっと触れて欲しいということ。



「お嬢様……お嬢様……っ」

「あ、あぁっン、……ネ、オ……っ!!」



ビクンッ!!
と大きく、体が跳ね上がる。



体が仰け反り、足の指が天井を向いてビクビクと震える。

呼吸が乱れ、体の火照りが気怠さを増す。



ネオは、優しく頭を撫でた。

「上手に、イケましたね」

「――…っ!!」


これが、イクという感覚。
体がビリビリしていて、動けない。



初めての感覚。



シアは、ぐっと唇を噛みしめた。

「もう、嫌……」

「シアお嬢様」


「ネオの顔、見たくない。出てって……」


そう言葉を紡ぐと、ネオはすっと体を離した。



「仰せのままに」



そういって、ネオは部屋をあとにした。
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