52 / 57
番外編【気になる】セッテの街情報スレッド【あの街】
しおりを挟む
「今日のセッテなんだが、とある一画で激震が走った」
「何が起きたの?」
「なんだなんだ」
「新種の何かが出て来たとか」
「ユニークボス? どんなの出て来たんだ?」
「ある意味ユニークボスよりレアものを見た」
「Σ(゜Д゜)」
「え」
「うっわ気になる」
「kwsk」
「wktk」
「俺がそれを見たのはセッテの果樹園なんだが」
「果樹園?」
「俺、あんまり果樹園って行かない」
「あの端っこに位置する場所にあるやつだろ」
「ああ。その果樹園なんだが、大物ゲストが来た」
「大物……? もしかしてトップランカー?」
「最近全然見かけないダンジョンサーチャーとか?」
「いや……惜しい。近い」
「Σ(゜Д゜)惜しいのか!?」
「Σ(゜Д゜)近いって……誰だよ! それくらいレアな人って他にいる?」
「勇者がセッテの果樹園に来ていた」
「ええーーーーー!」
「何それ、ほんとは勇者って果物好きとか?」
「だったら頻繁に見てるはずだろ」
「じゃあ何しに来たんだろ」
「果物買いにだろ!」
「突っ込みが正論!」
「だよなあ、それしかねえよな」
「でもそれだけじゃない。勇者、果樹園のおっさんに土下座していたんだ」
「Σ(゜Д゜)」
「(゜Д゜;)」
「マジか……(;゜д゜)ゴクリ…」
「なんで?」
「気になるから途中で止めるなよ」
「だったら静かに次の文字打つの待ってろよ」
「正論が痛い」
「気になって近付いたらたまたま聞こえて来たんだけど、どうやらまだ本格的に売り出してない新種の果物を売って欲しいってことらしい」
「そんな果物あるのか? ちょっと今度覗いてみようかな」
「そんでそんで?」
「続きはよ」
「ああ。勇者が買っていたのは桃のような果物。いい香りがした。それを大量に買い付けたいってことだったんだが」
「(;゜д゜)ゴクリ…」
「(゜д゜)(。_。)ウンうん」
「ここからはちょっと勇者の言葉を出来る限り正確に再現してみるな。(なお、衝撃によりあまり正確とは言えない)」
「ま、まて! そんな衝撃の内容なのか!?」
「うわあああ気になる!」
「はよはよ!」
「『最愛の妻が食事も喉を通らなく、日に日に痩せている中、口にすることが出来たのが、ここの果物でした。もし農園主のご迷惑にならないのであれば、あの果物を売って欲しい。お願いします』ここで土下座」
「Σ(゜Д゜)」
「王女様が!?」
「え、勇者が土下座するほど具合悪いのか!?」
「うわあああああ王女様ああああ! 俺、辺境に行ったときに気さくに挨拶してもらってからのファンなんだよおおおおお! あの優しいまなざしが閉じられている……だと?」
「俺も! 勇者と一緒にいる時に、にっこり笑って手を振ってくれて……!」
「それはファンサだ。本心の笑顔じゃない! あの方の本心の笑顔は、勇者の膝に乗っている時に見せる蕩けるような笑顔だ」
「いや、勇者の膝に王女様が乗った時に蕩ける笑顔を見せるのは勇者の方であって、その時の王女様はちょっと照れたような困ったような複雑な笑顔をしているぞ!」
「お前ら詳し過ぎか!?」
「でもあのお方が病に倒れたなんて……!」
「俺、ありったけの薬を渡してくる!……直接届けると勇者に殺されるから、勇者経由で……」
「俺も行く……!」
「うわああああん、王女様、死なないでえええええ!」
「盛り上がっているところ悪い。王女様は病気じゃないんだ」
「Σ(゜Д゜)」
「え!」
「(゜Д゜;)」
「紛らわしい! ホントに!? それならいいけど!」
「ああ。俺らもびっくりして、勇者が帰った後それとなくおっさんに聞いたんだよ。そしたらさ、王女様、懐妊したって」
「懐妊……」
「何度目かの(゜Д゜;)」
「懐妊……?」
「KA★I★NI★NN?」
「「「「「うおおおおおおおおーーーーーーー!!!!」」」」」
「今夜は祝杯だ!」
「祝杯を勇者に届けよう!」
「めでてえええええ!」
「つわりが酷くてあの桃みたいな果物しか食べられないから、売ってくれ、と土下座していたらしい」
「勇者……トゥンク」
「勇者は……やっぱり勇者だった」
「奥さんのために土下座できるなんて」
「奥さんのためにそんなこと出来るなんて」
「すげえ、すげえぞ勇者」
「ちょっと俺は、この事実を辺境スレに載せてくるな」
「じゃあ俺、気になる街の人スレに載せてくる」
「皆でお祝いしようぜ!」
「やったお祝い!」
「おめでとう勇者!」
「おめでとう!!!」
「そして俺は、その売り出されていない果物に思いを馳せよう……買えたら、王女様に差し入れよう」
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
そうして、光の速さで勇者の家の慶事がプレイヤーたちの間に広まっていくのだった……。
(※なお、王家にはまだ報告していない……)
「何が起きたの?」
「なんだなんだ」
「新種の何かが出て来たとか」
「ユニークボス? どんなの出て来たんだ?」
「ある意味ユニークボスよりレアものを見た」
「Σ(゜Д゜)」
「え」
「うっわ気になる」
「kwsk」
「wktk」
「俺がそれを見たのはセッテの果樹園なんだが」
「果樹園?」
「俺、あんまり果樹園って行かない」
「あの端っこに位置する場所にあるやつだろ」
「ああ。その果樹園なんだが、大物ゲストが来た」
「大物……? もしかしてトップランカー?」
「最近全然見かけないダンジョンサーチャーとか?」
「いや……惜しい。近い」
「Σ(゜Д゜)惜しいのか!?」
「Σ(゜Д゜)近いって……誰だよ! それくらいレアな人って他にいる?」
「勇者がセッテの果樹園に来ていた」
「ええーーーーー!」
「何それ、ほんとは勇者って果物好きとか?」
「だったら頻繁に見てるはずだろ」
「じゃあ何しに来たんだろ」
「果物買いにだろ!」
「突っ込みが正論!」
「だよなあ、それしかねえよな」
「でもそれだけじゃない。勇者、果樹園のおっさんに土下座していたんだ」
「Σ(゜Д゜)」
「(゜Д゜;)」
「マジか……(;゜д゜)ゴクリ…」
「なんで?」
「気になるから途中で止めるなよ」
「だったら静かに次の文字打つの待ってろよ」
「正論が痛い」
「気になって近付いたらたまたま聞こえて来たんだけど、どうやらまだ本格的に売り出してない新種の果物を売って欲しいってことらしい」
「そんな果物あるのか? ちょっと今度覗いてみようかな」
「そんでそんで?」
「続きはよ」
「ああ。勇者が買っていたのは桃のような果物。いい香りがした。それを大量に買い付けたいってことだったんだが」
「(;゜д゜)ゴクリ…」
「(゜д゜)(。_。)ウンうん」
「ここからはちょっと勇者の言葉を出来る限り正確に再現してみるな。(なお、衝撃によりあまり正確とは言えない)」
「ま、まて! そんな衝撃の内容なのか!?」
「うわあああ気になる!」
「はよはよ!」
「『最愛の妻が食事も喉を通らなく、日に日に痩せている中、口にすることが出来たのが、ここの果物でした。もし農園主のご迷惑にならないのであれば、あの果物を売って欲しい。お願いします』ここで土下座」
「Σ(゜Д゜)」
「王女様が!?」
「え、勇者が土下座するほど具合悪いのか!?」
「うわあああああ王女様ああああ! 俺、辺境に行ったときに気さくに挨拶してもらってからのファンなんだよおおおおお! あの優しいまなざしが閉じられている……だと?」
「俺も! 勇者と一緒にいる時に、にっこり笑って手を振ってくれて……!」
「それはファンサだ。本心の笑顔じゃない! あの方の本心の笑顔は、勇者の膝に乗っている時に見せる蕩けるような笑顔だ」
「いや、勇者の膝に王女様が乗った時に蕩ける笑顔を見せるのは勇者の方であって、その時の王女様はちょっと照れたような困ったような複雑な笑顔をしているぞ!」
「お前ら詳し過ぎか!?」
「でもあのお方が病に倒れたなんて……!」
「俺、ありったけの薬を渡してくる!……直接届けると勇者に殺されるから、勇者経由で……」
「俺も行く……!」
「うわああああん、王女様、死なないでえええええ!」
「盛り上がっているところ悪い。王女様は病気じゃないんだ」
「Σ(゜Д゜)」
「え!」
「(゜Д゜;)」
「紛らわしい! ホントに!? それならいいけど!」
「ああ。俺らもびっくりして、勇者が帰った後それとなくおっさんに聞いたんだよ。そしたらさ、王女様、懐妊したって」
「懐妊……」
「何度目かの(゜Д゜;)」
「懐妊……?」
「KA★I★NI★NN?」
「「「「「うおおおおおおおおーーーーーーー!!!!」」」」」
「今夜は祝杯だ!」
「祝杯を勇者に届けよう!」
「めでてえええええ!」
「つわりが酷くてあの桃みたいな果物しか食べられないから、売ってくれ、と土下座していたらしい」
「勇者……トゥンク」
「勇者は……やっぱり勇者だった」
「奥さんのために土下座できるなんて」
「奥さんのためにそんなこと出来るなんて」
「すげえ、すげえぞ勇者」
「ちょっと俺は、この事実を辺境スレに載せてくるな」
「じゃあ俺、気になる街の人スレに載せてくる」
「皆でお祝いしようぜ!」
「やったお祝い!」
「おめでとう勇者!」
「おめでとう!!!」
「そして俺は、その売り出されていない果物に思いを馳せよう……買えたら、王女様に差し入れよう」
-・-・-・-・-・-・-・-・-・-
そうして、光の速さで勇者の家の慶事がプレイヤーたちの間に広まっていくのだった……。
(※なお、王家にはまだ報告していない……)
555
お気に入りに追加
1,591
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あなた方はよく「平民のくせに」とおっしゃいますが…誰がいつ平民だと言ったのですか?
水姫
ファンタジー
頭の足りない王子とその婚約者はよく「これだから平民は…」「平民のくせに…」とおっしゃられるのですが…
私が平民だとどこで知ったのですか?
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。

ソング・バッファー・オンライン〜新人アイドルの日常〜
古森きり
BL
東雲学院芸能科に入学したミュージカル俳優志望の音無淳は、憧れの人がいた。
かつて東雲学院芸能科、星光騎士団第一騎士団というアイドルグループにいた神野栄治。
その人のようになりたいと高校も同じ場所を選び、今度歌の練習のために『ソング・バッファー・オンライン』を始めることにした。
ただし、どうせなら可愛い女の子のアバターがいいよね! と――。
BLoveさんに先行書き溜め。
なろう、アルファポリス、カクヨムにも掲載。

陛下の前で婚約破棄!………でも実は……(笑)
ミクリ21
BL
陛下を祝う誕生パーティーにて。
僕の婚約者のセレンが、僕に婚約破棄だと言い出した。
隣には、婚約者の僕ではなく元平民少女のアイルがいる。
僕を断罪するセレンに、僕は涙を流す。
でも、実はこれには訳がある。
知らないのは、アイルだけ………。
さぁ、楽しい楽しい劇の始まりさ〜♪

聖女の私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
重田いの
ファンタジー
聖女である私が追放されたらお父さんも一緒についてきちゃいました。
あのお、私はともかくお父さんがいなくなるのは国としてマズイと思うのですが……。
よくある聖女追放ものです。

いじめっこ令息に転生したけど、いじめなかったのに義弟が酷い。
えっしゃー(エミリオ猫)
BL
オレはデニス=アッカー伯爵令息(18才)。成績が悪くて跡継ぎから外された一人息子だ。跡継ぎに養子に来た義弟アルフ(15才)を、グレていじめる令息…の予定だったが、ここが物語の中で、義弟いじめの途中に事故で亡くなる事を思いだした。死にたくないので、優しい兄を目指してるのに、義弟はなかなか義兄上大好き!と言ってくれません。反抗期?思春期かな?
そして今日も何故かオレの服が脱げそうです?
そんなある日、義弟の親友と出会って…。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる