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『辺境タルトパニック』
しおりを挟む「今日は辺境が熱かった」
「なになに、何があったんだよ」
「あ、俺そこに居合わせた」
「確かに熱かった」
「え、俺見逃してた? もしかしてギルド併設の食堂の人だかり、とか……? 人いっぱいすぎて俺顔出さなかったよ」
「惜しいな、すぐそこまで来てたのか」
「ここに書き込むってことは、もしかして……ゴクリ」
「(;゜д゜)ゴクリ…」
「薬師マック実演販売……?」
「マジ!?」
「嘘だろ!」
「いやいや、違う違う。実演販売はしてなかったよ。ある意味実演販売より辛い出来事だったけれども!」
「ほんそれ!」
「俺、何でテイマー仲間じゃねえんだろうって100回くらい臍を噛んだぞ」
「俺もその長年の疑問をずっと頭に浮かべてた」
「何があった」
「すっげえ気になる」
「とりあえず前置きはいいから薬師マックに何があったか教えてくれ」
「俺が辺境で依頼を達成して受付してる時に、奥の転移部屋から薬師マックが出てきたんだよ。受付で挨拶しつつ、そのまま食堂に向かってったんだ。そこにはリターンズがいて、薬師マックを見た瞬間あの白蜥蜴の聖獣が薬師マックに飛びついて……」
「襲われた!?」
「いや、襲わないだろ。あれだけ懐いてるんだ。『ゴハンマックゴハンマック』騒いでてさ。その後『トランス』もやって来て、テイマー集合の真ん中に薬師マックがいたんだよ」
「薬師マックもテイマー仲間、だと……?」
「なんかね、持ち歩いてる籠の中身が聖獣の卵だとかいうのを横で聞いた」
「ああ……ようやくか」
「ようやくだな」
「なんで薬師マックがテイマーじゃないのか気になってたんだ」
「俺も」
「私も」
「一番に聖獣に撫でまわされそうな感じなのにね」
「ああ……わかる」
「獣人の時もエルフの時も一歩先に進んでる感じだったのに、テイマーの時は出遅れたな」
「でもまだ数人だろ。充分トップじゃん」
「まあ、そうだけど」
「いやいやいや君たち。この話の重大なところは、薬師マックがテイマーだってことじゃないんだよ」
「それかなり重大だろ。もっとすげえことがあるのかよ」
「すげえっていうか、すげえ・凄かった。何あれ薬師マックお手製のタルトとか」
「私アレ、食道楽スレで似たようなスクショを見たことあるけれど、もしかして……無言で載せてたから」
「ああ、まさにそれだ。そこら辺の売り物のタルトよりもおいしそうなタルトが、わんさか出てきた。薬師マックお手製のタルトだ。見てみるか? その後トランスの鉄骨さんを捕まえて、スクショを取らせてもらった。その後、このスレに載せていいか確認を取ったら、鉄骨さんから閃光さん経由でオッケー貰ったから、このスレでだけなら載せられるんだが」
「見たい」
「見たい!!!!!」
「(*'▽')ワクワク」
「(;゜д゜)ゴクリ…」
----【タルトの山の写真】----
「わーーーーーー!!!!」
「( Д ) ⊙ ⊙!!!」
「ԅ(♡﹃♡ԅ)」
「これはどこで売ってますか!!!!!!」
「え……マジ……?」
「これ、薬師マックの手作り……?」
「な! これが実演販売じゃねえって酷いとおもわねえ?」
「絶対食べたい……」
「売って欲しい。売ってくれたら咽び泣く」
「咽び泣かれたら二度と売ってくれないだろうからやめろ」
「でもほんとにこれ売ってたら即買いする」
「マジかよ薬師マック」
「あああああ弟子入りしようかな……」
「俺も土下座して頼んでみるかな」
「ヤバいよこれ」
「なんで俺その場にいなかったの!」
「いや、その場にいた方が余計に辛いからいなくて正解」
「ところでこれはどんな経緯でどこに向かったの?」
「薬師マックからテイマー仲間の人たちに満遍なく」
「なんで俺テイマーじゃないの?」
「仲間になりたい。対価は何でも出す。尻の毛まで毟って欲しい」
「おまわりさーーーーん!」
「つうかスイーツ好き何気多いな」
「俺あんまり普段食わないんだけど、このスクショは視覚に来るもんがあるだろ。見るからに絶対美味いって」
「わかる」
「わかる」
「わかる」
「……俺、帰りにケーキ屋さん寄って帰ろう」
「……俺も」
「俺も」
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