「これを見ずして薬師マックは語れない」『【トレ】薬師マックスレ【名物】』

朝陽天満

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『薬師マックはある意味最強』

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「というわけで、とある場所が解放されたから行ってきてみた。詳しくは『ここどこ!?そこ行こ!スレ』で見てくれ」

「どこだよ、ちょっとそのスレお邪魔してくる」

「あれでしょ、エルフの隠れ里」

「今回のクエストで解放されたけど、行きてえやつはまずパーソナルレベルを150以上にしておけよ。でも薬師マックと『マッドライド』はよくエルフの里に出没しているらしい」

「なんで解放前に行けるんだよ」

「おかしい」

「でも、薬師マックだし」

「ここの住民と仲良くしたら色んな特典あるよ、っていう見本みたいだな、薬師マック。でも、薬師マックが単独で行けるエルフの里だろ。俺も行けるんじゃないかな」

「よせ。薬師マックの強さは知ってるだろ。あの強敵ゴーストをばったばったとなぎ倒し……いや、消し飛ばし」

「そ、そうだった……強いんだった。え、ってことは、え。一人でエルフの里に行けるのか、薬師マック」

「その推奨レベルって、単独? パーティー?」

「パーティーだ。レベル100くらいの時初めて『マッドライド』が向かったらしいが、何度か死に戻ったとかなんとか」

「……薬師マック……」

「心の中で俺、ちょっと侮ってたのかも。これだけ薬師マックが強いの目にしてるのに。侮ってすいません」

「一回共闘してえ」

「でも薬師マックは回復支援に回っちまうから、強さは見れねえよ」

「そうか、最後の切り札的なアレってことか……一度でいいから、本気を見てみてえ」

「長光の刀持ってるしな」

「あれ、でも最近は短剣持ってるのしか見てねえよ。長光の刀は腰からほぼ抜いてねえ」

「Σ(゜Д゜)」

「やっぱり秘蔵っ子か……薬師マックがその腰の剣を抜くのは、事態が最悪なときだけか……さすがだ」

「恐ろしい。拝もう( 一人一)」

「ちょっと失礼。ひとこと言わしてもらってもいいかしら? 薬師マックは、攻撃力はからっきしよ。ひたすら剣を振り回しても、剣スキルの一つも覚えられなかった、生粋の生産職よ。横からごめんなさい。お腹がよじれそうになって」

「Σ(゜Д゜)」

「惑わそうったってそうはいかねえ!」

「薬師マックは強いんだろ!」

「そうねえ……薬師マックに本気の戦いを挑もうとすると、その前にはとんでもなく強い人たちが沢山立ちはだかるわ。門番さん、トレの店主さん、ギルド統括、教皇猊下、獣人の村トップ、エルフの里長老、宰相、エトセトラエトセトラ」

「ある意味最強」

「ほんとある意味最強。何だよその羅列された壮大なメンバー……」

「あ、すまない、俺も薬師マックに剣を向けるやつがいたら、立ち向かうわ」

「俺も壁くらいにならなれるぜ」

「私も僭越ながら、薬師マックの前に立たせてもらうわ。ね、ダーリン」

「もちろんだよマイハニー」

「ってかここには薬師マックに立ち向かうやついねえから安心しろって」

「それにしても、薬師マックの人望……幅広いわ厚いわで恐ろしいな……」

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