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開戦 6
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応っ。という、気合のこもった返事が返り、リアルガーがまた。
「此度の任務は、山脈を越えて来る敵影を打つことだ。
更に、この里を守らなきゃなんねぇ。ここを越えられるということは、この国が地獄になるってことで、人と獣人が争う大災厄さながらの世が再来するってことだ……。
それをこいつは望まねぇとよ……。こいつは獣人好きの変人貴族だからなぁ」
くすくすと幼い子らが笑う。
否定はしない……が、もうちょっと言い方があると思うんだが⁉︎
しかし集まっている獣人らは、その言葉にどこか誇らしげで、穏やかな表情を浮かべていた……。
「でも悪い気はしねぇよなぁ……それでこそ我らの主だろ。
命を預けるに値するだろ……。
こいつは俺らの命を駒にしねぇさ。無駄には使わねぇ。それはこいつ自身が、身を持って示したし、これからも示す。これから戦場でも示していく。
野郎ども……なら今度は俺たちが、応える番だ」
そう言うと、槍を持った者らは雪原にそれを突いた。
まるで貴族がするみたいに右手を左胸に当てて、背筋を伸ばす。
「無様な姿は見せられん。……分かってるな?」
「おうっ!」
「やってやるさぁ!」
「飼い犬如きに遅れはとらねぇ!」
いつの間にやら始まっていた出陣の儀に呆れたけれど、皆のやる気は伝わってきた。そして……。
「だとよ。
で、あんたからは何か手向けてもらえんのか?」
そう言って場所を譲られた。
……思えばリアルガーは……ずっと俺の要望を聞いてくれていた。
大抵のことには是と。そして、俺が群れの獣人らとうまくやっていけるよう、色々根回ししていたと思う……。
そもそも初めから、そうだったのだろう。
だってマルは……リアルガーを関係者だとして扱っていた……。
つまり、リアルガーも、この群れも……吠狼の一部ということか。
なんで言ってくれなかったんだ……とは、思わない。きっと全て、必要なことであったはずだから。
獣人にだって心はあり、主の命が絶対だとしても、その心持ちひとつで結果は変わって来るだろう。
リアルガーは当然それを分かっていたから、あえて俺が、自分たちの主だということを伏せた。俺が皆に認められるよう尽くしてくれた。
この時のために、今までの全ての時間が必要だったのだ。
息を吸い込んで、一拍置いて……。
「生きて帰れ。来世じゃなく今世で、幸せを掴もう」
そう言うと、皆の瞳が煌めき、気持ちが高揚するのが伝わってきた。
「じゃぁ、行くとするかよ」
「あぁ」
行こう、戦場へ。
◆
朝日が昇るより早くに、俺たちは敵部隊を発見した。
緩やかな坂の上から見下ろすと、長く伸びた隊列が見える。まぁ、人数的にも一箇所に集まって野営とはいかない。だから仕方なく、この状況を維持して進んできているのだろう。そしてそれが、我々にとっての利になるはずだ。
「天候にも恵まれたな……」
出発してすぐに、雪がちらつき出した。途中で一時、結構な勢いだったのだけど、空が白み始めた頃に止んでくれた。
有難い。吹雪いたままだったら、最悪作戦が要を成さない可能性もあった。
せっかく奇襲を掛けて隊列を分断したのに、それに気付いてもらえず先頭が里に向かって進み続ける……なんてことになったら最悪だったからな。
あちらも丁度動き始めたばかりであるよう。一部で天蓋が畳まれはじめ、煮炊きの準備が進められていた。
ここから半日掛からず目的の里に到達できる。そのためここら辺で後方の合流を待ち、夜間に里へと攻め入るつもりだろう。
騎狼部隊二つに変更無しと合図し、オブシズとリアルガーに視線をやると、当初の予定通り作戦を遂行してくれと伝えた。
「日の出と共に笛を吹く。急いで持ち場へ」
そう言うとコクリと頷き、各々の率いる部隊へと足を向ける。
俺も首から掛けていた笛を確認し、口に咥える。息を吸う……大丈夫、ちゃんと空気が通る。凍ったりはしていないようだから、音は出そうだ。
パッと口を離し、籠手に付けられた即席の鞘に手を伸ばすと、シザーが慌ててやって来て、鞘を外してくれた。
「すまない。シザーも……準備はできてるな?」
こくりと頷き、口角を持ち上げる。
こんな時でもその表情は優しげで、戦場に立たせることを申し訳なく感じた……。
だけど……。
「頼りにしてる」
そう言うと、誇らしげに胸を張る。
「ウォルテールも……指示は出すけど、状況判断はお前に任せる。……頼むな」
隣に座していた狼にそう言い首元を叩くと、彼もゆさりと尾を揺らした。
そして更に後方にいる二人の狩猟民と、その相棒に。
「では宜しく頼む。頃合いを見て離れてくれたら良いから、命は大切にしてくれよ」
そう言うと、使命感に引き締まっていた表情が困ったように……でも嬉しげに綻んだ。
彫りが深くはっきりした顔立ちの二人だ。容姿もよく似ている。
俺に就くよう選ばれたのは、見目の良い女性騎手二人。
どちらも手練れではあるけれど、そこは女性だ……。この最も危険な役を彼女らにというのは……正直苦しかった。
けれど、人選は騎狼部隊の長二人に任せたのだからと、自分を納得させる。
この二人は姉妹でもあるそうで、その連携も見事なのだそう。この役に適しているだろうとのことだった。
どうか……死なないでくれよ……。
頼むから、どんなに無様でも良いから、命だけは手放さないでくれ。繋いでくれ。
心の中でそう願い、だけどそれを口にはできなかった。
俺が求めているのは命を賭けろということで、そう言っておきながら死ぬななんて、都合が良すぎる……。
◆
俺の笛が、作戦の開始を告げた。しかし俺の耳にはやはり届かない。オブシズの耳にも届いていないだろう。
でもそれは、部隊の誰かが教えてくれているはずだ。
だからその時を待った。
その笛の音は、獣人を多く抱えた敵部隊にも聞こえていたろう。一部が周りを気にする素振りを見せている。その者たちが何かの決断を出す前に……っ、来た!
長く伸びる隊列の中程を、木々の間から、五十人ずつの部隊が、両側から挟むように突撃。
それによりこの戦いが開戦となった。
「あっという間に血の海だな……」
丘の上からは、血に染まる雪原と乱れ交わる戦況が、とても良く見えた。
早朝、活動するための準備を進めていた者たちは、まさか逆に襲われるとは考えていなかったのか、武器を帯びていない者も多かったよう。一方的に次々斬られ、突き殺されていく。
そう、これが戦だ……。
身が震えた。けれど乗り越えなければ、これどころではない恐ろしい世を招いてしまう……。
恐怖と罪悪感を意識から切り離し、今は主として、やるべきことをやるんだと、己に言い聞かせ、とにかく戦況を見定めることを意識した……。
「オブシズ、位置がずれてきている。二時方向に修正」
「リアルガー、少し長くなっているから、後方を置き去りにするな」
「もうすぐ断ち切れる。相手をよく見て同士討ちは避けろ」
俺の指示を姉妹が笛で伝えてくれる。
獣人であれば、乱戦の中でも笛の音を聞き逃すことは無いそうだが、一体彼らは、どんな音を耳にしているのだろう……。
そんなことを考えてしまうのは、現実逃避なのか、それとも思った以上の成果に動揺しているからか……。
俯瞰できる位置から戦況を見て、笛で指示を飛ばせるというこの状況は、とてつもなく便利であり、有利だと感じた。
状況把握がとてもしやすく、指示が即座に行き渡る。人数の不利を補ってあまりある結果が、明らかに目の前にあった。
まぁ、敵側に見つからないうちはという、条件付きではあるけれどな……。
一応他の目につかないよう白い敷布を頭から被っているのだが、こちら側の頭がたった数名で丘の上にいると知られれば、即座にこちらを叩きにくるだろう。
そうなれば一瞬で、全てが終わる。
こんな無防備な状態を作るなんてと、マルは当然猛反対したけれど、潜伏は少ない方が有利だし、戦力となる者も極力ここに使いたくなかったから、無理をごり押しして承知させた。
部隊を断ち切ることができたならば次は、この陣の頭側にいるはずの将を討ち取る手筈となっている。
四倍の人数を相手取って真正面からぶつかり合えば負けるのはどうやってもこちら側だ。
だから、敵陣の指揮系統を断絶させ、指示が届かぬようにする分断が必要だった。相手側に使えない駒をどれだけ作れるかが重要。そして冷静になられてしまう前に、一人でも多く屠り、より速く将を潰せと指示してある。
ただ、それには問題もあった。
「此度の任務は、山脈を越えて来る敵影を打つことだ。
更に、この里を守らなきゃなんねぇ。ここを越えられるということは、この国が地獄になるってことで、人と獣人が争う大災厄さながらの世が再来するってことだ……。
それをこいつは望まねぇとよ……。こいつは獣人好きの変人貴族だからなぁ」
くすくすと幼い子らが笑う。
否定はしない……が、もうちょっと言い方があると思うんだが⁉︎
しかし集まっている獣人らは、その言葉にどこか誇らしげで、穏やかな表情を浮かべていた……。
「でも悪い気はしねぇよなぁ……それでこそ我らの主だろ。
命を預けるに値するだろ……。
こいつは俺らの命を駒にしねぇさ。無駄には使わねぇ。それはこいつ自身が、身を持って示したし、これからも示す。これから戦場でも示していく。
野郎ども……なら今度は俺たちが、応える番だ」
そう言うと、槍を持った者らは雪原にそれを突いた。
まるで貴族がするみたいに右手を左胸に当てて、背筋を伸ばす。
「無様な姿は見せられん。……分かってるな?」
「おうっ!」
「やってやるさぁ!」
「飼い犬如きに遅れはとらねぇ!」
いつの間にやら始まっていた出陣の儀に呆れたけれど、皆のやる気は伝わってきた。そして……。
「だとよ。
で、あんたからは何か手向けてもらえんのか?」
そう言って場所を譲られた。
……思えばリアルガーは……ずっと俺の要望を聞いてくれていた。
大抵のことには是と。そして、俺が群れの獣人らとうまくやっていけるよう、色々根回ししていたと思う……。
そもそも初めから、そうだったのだろう。
だってマルは……リアルガーを関係者だとして扱っていた……。
つまり、リアルガーも、この群れも……吠狼の一部ということか。
なんで言ってくれなかったんだ……とは、思わない。きっと全て、必要なことであったはずだから。
獣人にだって心はあり、主の命が絶対だとしても、その心持ちひとつで結果は変わって来るだろう。
リアルガーは当然それを分かっていたから、あえて俺が、自分たちの主だということを伏せた。俺が皆に認められるよう尽くしてくれた。
この時のために、今までの全ての時間が必要だったのだ。
息を吸い込んで、一拍置いて……。
「生きて帰れ。来世じゃなく今世で、幸せを掴もう」
そう言うと、皆の瞳が煌めき、気持ちが高揚するのが伝わってきた。
「じゃぁ、行くとするかよ」
「あぁ」
行こう、戦場へ。
◆
朝日が昇るより早くに、俺たちは敵部隊を発見した。
緩やかな坂の上から見下ろすと、長く伸びた隊列が見える。まぁ、人数的にも一箇所に集まって野営とはいかない。だから仕方なく、この状況を維持して進んできているのだろう。そしてそれが、我々にとっての利になるはずだ。
「天候にも恵まれたな……」
出発してすぐに、雪がちらつき出した。途中で一時、結構な勢いだったのだけど、空が白み始めた頃に止んでくれた。
有難い。吹雪いたままだったら、最悪作戦が要を成さない可能性もあった。
せっかく奇襲を掛けて隊列を分断したのに、それに気付いてもらえず先頭が里に向かって進み続ける……なんてことになったら最悪だったからな。
あちらも丁度動き始めたばかりであるよう。一部で天蓋が畳まれはじめ、煮炊きの準備が進められていた。
ここから半日掛からず目的の里に到達できる。そのためここら辺で後方の合流を待ち、夜間に里へと攻め入るつもりだろう。
騎狼部隊二つに変更無しと合図し、オブシズとリアルガーに視線をやると、当初の予定通り作戦を遂行してくれと伝えた。
「日の出と共に笛を吹く。急いで持ち場へ」
そう言うとコクリと頷き、各々の率いる部隊へと足を向ける。
俺も首から掛けていた笛を確認し、口に咥える。息を吸う……大丈夫、ちゃんと空気が通る。凍ったりはしていないようだから、音は出そうだ。
パッと口を離し、籠手に付けられた即席の鞘に手を伸ばすと、シザーが慌ててやって来て、鞘を外してくれた。
「すまない。シザーも……準備はできてるな?」
こくりと頷き、口角を持ち上げる。
こんな時でもその表情は優しげで、戦場に立たせることを申し訳なく感じた……。
だけど……。
「頼りにしてる」
そう言うと、誇らしげに胸を張る。
「ウォルテールも……指示は出すけど、状況判断はお前に任せる。……頼むな」
隣に座していた狼にそう言い首元を叩くと、彼もゆさりと尾を揺らした。
そして更に後方にいる二人の狩猟民と、その相棒に。
「では宜しく頼む。頃合いを見て離れてくれたら良いから、命は大切にしてくれよ」
そう言うと、使命感に引き締まっていた表情が困ったように……でも嬉しげに綻んだ。
彫りが深くはっきりした顔立ちの二人だ。容姿もよく似ている。
俺に就くよう選ばれたのは、見目の良い女性騎手二人。
どちらも手練れではあるけれど、そこは女性だ……。この最も危険な役を彼女らにというのは……正直苦しかった。
けれど、人選は騎狼部隊の長二人に任せたのだからと、自分を納得させる。
この二人は姉妹でもあるそうで、その連携も見事なのだそう。この役に適しているだろうとのことだった。
どうか……死なないでくれよ……。
頼むから、どんなに無様でも良いから、命だけは手放さないでくれ。繋いでくれ。
心の中でそう願い、だけどそれを口にはできなかった。
俺が求めているのは命を賭けろということで、そう言っておきながら死ぬななんて、都合が良すぎる……。
◆
俺の笛が、作戦の開始を告げた。しかし俺の耳にはやはり届かない。オブシズの耳にも届いていないだろう。
でもそれは、部隊の誰かが教えてくれているはずだ。
だからその時を待った。
その笛の音は、獣人を多く抱えた敵部隊にも聞こえていたろう。一部が周りを気にする素振りを見せている。その者たちが何かの決断を出す前に……っ、来た!
長く伸びる隊列の中程を、木々の間から、五十人ずつの部隊が、両側から挟むように突撃。
それによりこの戦いが開戦となった。
「あっという間に血の海だな……」
丘の上からは、血に染まる雪原と乱れ交わる戦況が、とても良く見えた。
早朝、活動するための準備を進めていた者たちは、まさか逆に襲われるとは考えていなかったのか、武器を帯びていない者も多かったよう。一方的に次々斬られ、突き殺されていく。
そう、これが戦だ……。
身が震えた。けれど乗り越えなければ、これどころではない恐ろしい世を招いてしまう……。
恐怖と罪悪感を意識から切り離し、今は主として、やるべきことをやるんだと、己に言い聞かせ、とにかく戦況を見定めることを意識した……。
「オブシズ、位置がずれてきている。二時方向に修正」
「リアルガー、少し長くなっているから、後方を置き去りにするな」
「もうすぐ断ち切れる。相手をよく見て同士討ちは避けろ」
俺の指示を姉妹が笛で伝えてくれる。
獣人であれば、乱戦の中でも笛の音を聞き逃すことは無いそうだが、一体彼らは、どんな音を耳にしているのだろう……。
そんなことを考えてしまうのは、現実逃避なのか、それとも思った以上の成果に動揺しているからか……。
俯瞰できる位置から戦況を見て、笛で指示を飛ばせるというこの状況は、とてつもなく便利であり、有利だと感じた。
状況把握がとてもしやすく、指示が即座に行き渡る。人数の不利を補ってあまりある結果が、明らかに目の前にあった。
まぁ、敵側に見つからないうちはという、条件付きではあるけれどな……。
一応他の目につかないよう白い敷布を頭から被っているのだが、こちら側の頭がたった数名で丘の上にいると知られれば、即座にこちらを叩きにくるだろう。
そうなれば一瞬で、全てが終わる。
こんな無防備な状態を作るなんてと、マルは当然猛反対したけれど、潜伏は少ない方が有利だし、戦力となる者も極力ここに使いたくなかったから、無理をごり押しして承知させた。
部隊を断ち切ることができたならば次は、この陣の頭側にいるはずの将を討ち取る手筈となっている。
四倍の人数を相手取って真正面からぶつかり合えば負けるのはどうやってもこちら側だ。
だから、敵陣の指揮系統を断絶させ、指示が届かぬようにする分断が必要だった。相手側に使えない駒をどれだけ作れるかが重要。そして冷静になられてしまう前に、一人でも多く屠り、より速く将を潰せと指示してある。
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